322 【赤髪勇者物語】波に揺られて
「............」
赤髪の勇者トーチは、晴天のもと潮風に髪をなびかせながら、甲板の上から大海原をじっと、睨みつけていた。
彼が今立っているのは、勇敢な船長ウミノートコの操る船の上だ。
ジャッバジャッバ近海に出現する巨大な魔物......大海蛇。
人々を怯えさせるこの魔物を、退治する。
そのためにトーチは、会敵の時を今か今かと待ち構えていた。
「............あ、釣れた!」
神官兼治療術師のシロンは、釣りをしていた。
......なにせ、大海蛇を倒すために船に乗りこんでから既に......数日が経過している。
初めはトーチの横に立ち警戒を強めていたシロンだが、さすがに集中力がきれた。
夜には港に帰ってはいるが、日中何もない大海原とにらめっこを続けるというのは、普通は飽きるというものだ。
最近では彼女は、おいしいお魚をいかにして釣りあげるかということで、頭がいっぱいだ。
釣り名人に弟子入りするなどして、日々その釣果を増やしつつある。
流浪の魔法使いネネザネも、顎に手をあて何やら思案している。
今日も、大海蛇は、現れない。
勇者一行は、ただただ静かに......波に揺られていた。
これにて、第16章は、おしまいです。
夏の海で、エミーちゃんが大暴れ!
そんな感じの、エピソードでした。
楽しんでいただけたでしょうか。
さて、次章はいよいよ、第1部最終章!
エミーちゃんが、大暴れするぞ(いつも通りじゃないか)!
準備ができ次第執筆開始いたしますので、次章もまたおつきあいいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願い申しあげます。




