表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オマケの転生者  作者: むらべ むらさき
1 異世界転生用魂オークション編!
1/700

1 異世界転生用魂オークション

 私も異世界転生もの書いてみたかったの!だから書いた。よろしくお願いします。

「暇を持て余した神々の皆様ァ!本日は、ようッッッこそお越しくださいましたァ!」


 幕が開き、ステージ上に会場の熱気が流れ込んでくる。

 マイクを持ったシルクハットにタキシードの妙に手足が長い男が、スポットライトに照らされ大声で叫ぶ。

 その顔はぼんやりとした白い靄に覆われ、良く見えない。

 キィィン......とハウリングが鳴るが、シルクハットは気にせず会場からの声援に手をふり応え、言葉を続ける。


 ......うるさい。すっかり目が覚めてしまった。


「本日行いますのはァ!......皆様お待ちかねッ!魂の、オォークショォォォン!」


 ......その一言で、私はいろんなことが腑に落ちた。

 魂の、オークションね。

 つまり私は、商品。“神々”とやらに売られる側の、魂。




 いや、お弁当食べて、教室で昼寝してたはずなのにさ?

 なんか目が覚めたら、妙に豪華な......舞台袖?ようは学校の体育館とかの、ステージ袖の豪華版みたいなとこにいるしさ?

 ってか、透明なプラケースみたいなものに入れられて、身動きとれないしさ!?

 ってかてか、今の私、手足とかないしさ!?なんかソフトボール大の人魂みたいな形してるしさ!!?


 ......うん、わけわかんなかったけど、人魂状態の私では文字通り手も足も出ないから(あ、うまいこと言ったぽくない?これ人魂ギャグ。皆も人魂になることがあれば使っていいよ!)、なんとかなるさと、適当に居眠りしてたわけよ。

 で、さっきの大絶叫及び大歓声で目が覚めた、と。

 はい、現場からの報告は以上で~す。




「......本日出展いたしますは、地球より収穫いたしました、年若い人間の魂でございまァす!その数、全部で29コン!」


 シルクハットはステージ上の演壇から、客席に向かってしゃべり続ける。

 “コン”てなんだ“コン”て。魂数える単位?知っても使えない豆知識だなぁ。


「もちろん、競り落としましたる魂につきましては、皆様のお好きにしていただいて、けっこうでございまァす!......それこそ、煮るなり焼くなり食べるなり!お好きなように!」


 客席から笑い声があがる。

 え!?魂って食材なの!?こわっ!神々こわっ!

 客席に目を向けると、そこには超絶美男美女って感ヒトの人もいたけど、なんか角生えてたり、腕や足が何本も生えてるヒトがいたり、見た目がヒトっていうか昆虫だったりトカゲみたいなのがいたり、ぐちょぐちょ不定形のいわゆるスライムみたいなのがいたり......。

 もしあれらが本当に神々なら、そりゃ魂も喰うわなって感じの連中であふれかえっていた。


「ンまァ!ここにお越しいただきました皆々様におかれましては!そんなもったいないことをされるわけがない!それはワタクシも重々承知してございますよォ!」


 ジョークだったらしい。


「主役、脇役、はたまた悪役!どのようにご使用いただきましても結構でございます!

これらの魂、自由にお使いいただきまして、皆々様が紡ぎだしたる物語!存分に盛りあげてくださいませッ!」


 ......ん?主役?脇役?......物語???




「さァッ!第35,486回、異世界転生用魂オークション in アーディスト!開幕でございまァす!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 飄々と始まるオープニング(^ ^)こーゆーの大好きです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ