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大学ー2030/09/09ー
「俺の夏休み、終わっちゃった…」
黒田がパソコンの前で天井を仰いでいる。
「どこの王国の心だよ」
そう言いつつ夏休みにやる予定だったレポートを書き続ける。
「うだうだ言ってないで手を動かせー」
黒田を夏休み中に実験に付き合わせた結果黒田のレポートが溜まってしまっていた。
「やあ、失礼するよ」
「ああ、花さんどうしたんです?」
「君たちが死にそうな顔してたからそろそろこれが必要だと思ってね。」
袋から栄養ドリンクを取り出す。
「ありがとうございます。花さんは実験どうですか?」
「ああ、この前東京で田中という男が君に渡したあれはやはり空間に作用しているね。」
花さんは深刻そうな顔をしている。
「正直あれを調べるのは危険だ。」
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1ヶ月前に東京で出会った田中という男に過去に戻るために必要な物を貰った。
「これを使って君が未来を変えてくれることを祈っているよ」
そういい田中は消えた。
「…未来を?」




