真実と
小さな山を登り大きな杉の木が見えて来た。
あまり近づき過ぎて李依に見つからないように近くの茂みに身を隠す。
日が少し傾き、李依は本を読んでいる。
すると、どこからともなくフードを被った男が李依に近づいた。
何かを話しているようだが何を話しているかは遠くてわからない。
数分話したぐらいだろうか、フードを被った男と目があった気がした。
そして男は胸から拳銃を取り出し李依に突きつける。
李依は何故か優しく微笑み目を瞑った。
乾いた銃声が山に響き渡った。
気がつくと俺は男の元に走り出していた。
怒りなのか悲しみなのかよくわからない感情に突き動かされていた。
勢いに任せ男を殴った。
「お前、なんでなんで李依を撃ったんだ」
倒れた男に馬乗りになり胸ぐらを掴み問いただす。
男は涙を流しながら
「すまない…こうするしかなかったんだ。」
そう呟いた。
俺はフードを取り顔を確認した。
そこには、知った顔…いや、自分と同じ顔がそこにはあった。
「すまない、君にもいつかわかるときが来るよ」
俺が混乱しているうちに俺と同じ顔をした男に殴られ気を失った。
ああ、タイムトラベルしたのに何もわからなかった。
俺が李依を殺した?
薄れ行く意識の中で俺は誓った。
李依を殺すしかなかった未来を変えると。
この先にどんなことが待ち受けていようと。
読んでいただきありがとうございます。
とりあえず、一部(?)がここで終わりです。
次から言うなれば2周目です。
私の好きなゲームのニ●アシリーズみたいな2周目からが本番みたいな感じです。
是非お願いします。