近未来の待ち合わせ 男子高校生コンビの場合
「……にしても人多いな、息苦しい」
人々でごった返す駅コンコースをMRグラス越しに眺めながら涼介は呟く。
先程から聞き専していた勇人から「GW初日だしね」とメッセージが届く。
直後、イヤホンから聞こえてきたのは「あー、聞こえる?」という気の抜けた声だった。
「聞こえてるぞ」
「今電車降りたとこ」
「話し始めたってことはそうだろうな。早く来い、お前が寝坊したせいでもう30分も待ってんだ」
「りょーかい」
そんなやり取りをして、涼介は視線を改札の方へ移す。
勇人を示すマーカーが視界に入ったのは数十秒後だった。向こうもこちらのマーカーに気づいたのだろう、人混みの中を一直線にやってくる。
「いやー、やっとついたよー。遅れてごめんねぇー」
そう言う勇人に適当に返事をしつつMRウィンドウを操作してボイスチャンネルを抜ける。
「もう隣にいるし通話切っとけ、通信量が無駄だろ」
「あっ、そうだね」
勇人が通話を抜けるまでの間、涼介は時間の余裕をチェックする。
「映画は…… 始まるまであと11分40秒あるな、急ぐぞ」
「りょーかい!」
こうして2人は駅横のショッピングモール、その最上階にある映画館へと走るのだった……
読み返したら感情表現とかテクノロジーの解説がなさすぎますねこれ