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物語異能の負け犬男子  作者: 柴犬男
アリスの狂気
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1話 中

投稿しました。

先輩に教えてもらったのだが、入学式は午後かららしい。

僕も風香も妹も、みんな焦って時間を間違えていたみたいだ。

まぁ、そのお陰でこんな美人に出会えた訳だが


「へぇ、お二人は幼馴染なのかい?」

「えっへへへ、恋人に見えますかね〜??」

「見える訳ねぇじゃん」

「え"ッ!?」

「そんな驚くッ!?」

「ふふっ」


この先輩、僕達がいつもの様に掛け合いをしていても楽しそうに話を聞いてくれる。

それに、人見知りの風香もかなり心を開いている様だ。

この先輩、只者ではないな?


「先輩は、どうしてこんな早くに?」

「あ〜、まぁ、直にわかると思うよ。」


あ、本当に只者じゃないっぽいぞ?


「あ!わかった!!先輩も時間を間違えたんですね!?」


おいおいおい、またこの子はふざけた事を。

次言ったらグーで殴るぞ。


「ドロボーーっ!! 」


風香の発言に僕と先輩がクスクス笑っていると、街中に叫び声が響いた。

声は、僕達のすぐ後ろから聞こえていた。振り向くと、ヒョウ柄のジャージを着た金髪の男が、女性モノのバッグを持って走り去ろうとする最中だった。

まず動いたのは、風香だった。

風香は、どこからともなく『扇』を取り出し、犯人と思わしき男に向けてファサッと仰いだ。


『吹き飛ばすッ!! 』


風香が叫ぶと


「キャーッ!? へんたーーーいッ!? !? 」


『男の服が消えた』


「え!? え!? なんだこりゃッ!? 」


突然の出来事に驚いた男は、盗んだバッグを離してしまう。

その隙を逃すまいと風香がもう一度仰ぐと、バッグは被害者女性の元に戻っていた。

男はようやく状況を理解したのか、右手を握るとアラビア風の短剣を作り出し、風香を目がけて走り出した。


「ひなたくん!!」


風香の合図と共に、物陰に隠れて待機していた僕は犯人の足をひっかけた。

そして、犯人はそのまま顔面から受け身もせずにずっこけた。


「う、うわぁ、今のは痛いわ。」


思わず犯人に同情すると、風香に背中をバシバシ叩かれた。


「さすがひなたくん!お手柄じゃん!!」

「足ひっかけただけだけどね」


嫌味言ってんのかこいつは。


「す、すごく息ぴったりだね。2人とも」


僕達が犯人を捕まえ、お互いにじゃれあっていると先輩が驚いた様子で話しかけてきた。


「あ〜、まぁ、何年も一緒にいますからね。ただの慣れですよ。」

「そうですよ。それに、困ってる人はほっとけないですから。」


風香ちゃん、足がプルプル震えてるよ?

怖かったんだね。


「ふふっ、勇気があるんだね。」


先輩は風香の足元を見なかった事にしてお褒めの言葉をくれた。

照れるな〜。


その後僕達は、犯人を警察に突き出した。

かなりの時間がかかってしまったので急いで学校までダッシュした。


学校に着くと、校門付近には既に多くの新入生が登校していた。

新しい生活に不安そうにしているメガネ男子もいれば、チャラチャラとした見た目で女の子に声をかけて回ってる奴もいる。

名門校と言っても、やっぱり人も個性で溢れている。


「うわ〜、ディ○ズニーランドの開演前みたいだね!! 」

「おっと、風香ちゃんそこまでだ。」


風香ちゃん、そこに喧嘩売るのはマズい。


「じゃあ、わたしは先に行くから。2人とも、一緒のクラスになってると良いね。」

「あ、朝は色々とありがとうございました。」

「先輩、またね〜 」


先輩は振り返らずに手をヒラヒラと仰いでそのまま行ってしまった。

やだ、かっこいい。


「あ!! 」

「あ"!? なんだよ!? 」


突然大声を出す風香に驚いてしまった。もう少しで漏らすかと思った。漏らしたらどうしてくれるんだ。責任取って結婚して欲しい。


「先輩の名前! 聞いてないね!! 」

「・・・・あ"!! 」


やばいな、もう会う機会はないかもな〜・・・・



☆☆☆



「ーーーーと思っていた時期が僕にもありました。」


クラス発表では、風香と同じクラス事を確認した。

明一は一学年に生徒600人のマンモス校なのでクラス替えがない。 色々と理由は並べられているが、一年ずつクラス替えするのがめんどくさいと言うのが本音だろう。

教室に入ると、今朝見かけたメガネ男子と、チャラチャラした男もいた。

僕は基本チャラチャラした輩が苦手なので、彼の事は「ちょいワル チャラ男」と名付けよう。

きっとそんな感じの名前に違い無い。


クラスの雰囲気を遠目で眺めていると、チャラ男が僕達の元へ近づいて来た。


「あれあれ〜? お二人ってもしかして付き合ってる感じっスか〜?? 」

「風香ちゃん、気を付けなよ?こうゆう男は君みたいな純粋な女の子をつけ狙ってエッチな漫画みたいなことされちゃうんだからね? 」

「・・・ヒェッ!! 」

「しねぇよ!? てか、初対面なのにひどくないっスかッ!? 」

「あぁ、悪い、チャラ男」

「チャラくねぇっスよ!! これは地毛っス!! 異能の特性でこうなっちゃうんスよ!! それに!ボクの名前は熊谷くまがい 金太きんたっス!! ちゃんと覚えてくださいっスよ!? 」

「あぁ、わかったわかった。初日から大声出しちゃって、全く若いのはこれだから」

「ね〜? 」

「誰のせいっスか!誰のッ!? 」


あれれ、何だろう?

なんだかんだ言ってこいつとはうまくやっていける気がする。

おめでとう、「ちょいワルチャラ男」から「チャラ男」に進化だよ。


その後、担当教師の桜木 鈴香の挨拶も終わり、入学式の為体育館へ向かう事になった。


長い校長挨拶、まだ誰もがあやふやな校歌、よくここまで乗り切った。

まぁ、まだ「生徒会長の祝辞」が残ってるんだけど。それが終わったら帰れる!!


「え〜、皆さん。ご入学おめでとうございます。皆さんは・・・・


帰ったら何しよう?

ゲーム? 娯楽? 遊戯?

あ〜迷っちゃ〜う♡


「ーーーーしっかりと勉学に励み、それから・・・・」


・・・・それにしてもこの声聞いた事がある気がする。


「ーーーーそれぞれ成果を上げて」


あのスタイルの良さも、どっかで見たぞ??


「ーーーそれでは、有意義な学校生活を送れる様我々も願っています。」


・・・・・いや、なんとな〜くそんな気はしてたよ?

先輩、あんた、


「生徒会長だったんかいッ!?」

「うわ!ど、どうしたんスかッ!?ひーくん!?」


入学式も終わり、周りがみんな帰ろうとしてる教室の中、僕は耐え切れずに叫んだ。


「あぁ、いや、なんでもないよ? てか『ひーくん』って呼ぶな。」

「えぇ、可愛いじゃないっスか〜『ひーくん』♡」

「明日からお前の席ねぇから・・・・ 」

「怖いッ!? 」


チャラ男の相手してる場合じゃねぇんだよ。

長い

今は癒しが欲しいんだ。癒しが。

そう、柔らかくて、ふわふわして、


「ねぇ、大丈夫? ひなたくん?? 」

「あぁ、癒し来た。風香ちゅわぁ〜〜〜〜ん」


ノリで風香ちゃんに抱きついてみた。

何だこりゃ、柔らかい。ふわふわしてる。

最高のマシュマロボディだよ。


「ふぇっ!? そそそそ、そんな、人前でなんて! いや、でもお家帰ったらその先も・・・・」

「んぁ? なんか言った?? 」

「い、いや! なんでもないよ!? 」

「? そっか?? 」


風香ちゃんおばあちゃん家みたいな匂いがして落ち着く


「うっわ〜・・・・甘っ。この空気甘過ぎっスよ。」


チャラ男、ダメだこいつ。わかってねぇ。

風香ちゃんはこの癒しオーラが良いんでしょうが。


「ぃよ〜しよしよ〜〜し」


風香を後ろから抱き付いて頭を撫でていると、鈴香先生が教室に入ってきた。


「うわ、何君ら、出来てんの」

「何言ってんすか先生? 」

「別に何やっても良いけど避妊はしなさいよ?? 」

「何言ってんすか先生ッ!? 」


何しに来たんだ、この痴女は??


「あ〜、陽くん? お取り込み中申し訳ないけど、生徒会長さんがお呼びよ? そうゆうのは帰ってやってくれると先生嬉しいわ。」


生徒会長? あぁ、先輩か。

朝の事かな??

まぁ、行けばわかるか。


「あぁ、じゃあボク先帰るっスよ? 」

「わ、わたしはひなたくんを待つね?? 」


チャラ男は冷たいな〜。

それに比べて風香ちゃんは優しいな〜。


「じゃあな、チャラ男」

「じゃあね、チャラ男くん」

「チャラ男じゃねぇっスよ!! 」


あいつは叫びながら帰って行った。ほんと、騒がしい奴だ。

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