8話 ターミン
前回の話を投稿した後、初めて感想をいただきました(^_^)
とても嬉しく思い、やる気出ました。
ありがとうございました。
近くの町に向かい始めて2時間ほどが経過した。
最初は散歩やピクニックの気分で町に向かっていたが、歩いても歩いても同じ景色のため、さすがの夜雲も飽きてきていた。
「さすがに飽きてきたな。何か起こらないかな」
しかし現実はそんなに甘くもなく、なんの出来事もないままさらに1時間が経過した。
暇だったため、貰った知識を暇つぶしのように確認していた。
そんな夜雲だったが、少し先からこちらに何かが向かってくるような音が聞こえた。
「おっ、やっと何か変化ができた感じだね。どんなことが起こるのか楽しみだ」
この世界に来てからあまりにも暇過ぎたのでフラグ発言をしている夜雲だが、そのことに本人は気がついてはいなかった。
さて、この音は吉と出るか凶とでるか。どうなることかな。
でも、俺って知識とそれを扱えるだけの力を貰ったけど、その力ってどれくらいなんだ?
もしかして、何もできないかもしれない
音が近づいてくるにつれて、やっと自分の状況に危機を感じて来ていた夜雲だが、それでも後悔はなく、むしろ開き直って楽しんでいた。
まぁ、なんとかなるでしょ。
音が聞こえ始めてから5分ほどがたった頃、音を出していた物の姿が見えてきた。
その姿は鹿のような見た目をしているターミンという名の魔物だった。
そもそも魔物とは魔素を大量に含んだ生き物のことで、知性などはなく本能のままに生きている。
「音の正体は魔物だったか。このまますぎてくれると助かるんだけど、そうもいかないよね」
これまでは思うがままに走っていたターミンだが、夜雲を発見した瞬間こちらに迷いなく向かって来ていた。
「さて、数はいち、に……全部で10体か」
自分の力がいまいちよくわかっていなかったが、なんとなく倒せると感じていた夜雲はこのままターミンを迎え撃つことにした。
ターミン
〜説明〜
鹿のような見た目で、大きさは鹿の約1.5倍。足が速く、頭に生えた大きな角を武器に突進して角を突きつけてくる。集団で行動をし、集団の中の1体とでも敵対をすると、残りのターミンも攻撃してくる。1体辺りの強さはそこそこだが、集団で攻撃をしてくるため個人での討伐は難しく、基本何人かとパーティーを組んで討伐をする。
この知識は夜雲もしっかりと確認をしていて、個人では限界があることはわかっていた。
しかし、それでもなんとかなると感じていたため、逃げることなく立ち向かうことに決めた。
夜雲は神から貰ったばかりのシャルバーロを手に取り、ターミンを迎え撃った。
まっすぐ夜雲に突っ込んで来たターミンを右に避け、すれ違う瞬間に首を切断した。
「思った以上に身体が動くな。これなら残りも倒せそうだ」
そもそも夜雲は神にあらゆる知識とそれを扱えるだけの力が欲しいと願っていた。
そして、貰った力が記憶の守護者である。
これは、知識があればあるほど力が増幅しするため、記憶力が良くないと強くはならない。
しかし、人間には記憶出来る量に限度があり、一定以上の強さにはなれない。
だが、夜雲は神にこの世界のあらゆる知識を貰っていて、その記憶は夜雲の脳とは別の次元に記憶を保管しているため忘れることもなかった。
そのため夜雲はとてつもない力を手に入れていた。
だが、夜雲は自分の力のことを知らなかった。
なぜなら、夜雲が貰った知識にはそのことがなかったのだから。
久々の豆知識です。
本編の途中で『人間の脳は記憶出来る量に限度がある』と書きましたが、その限界は約1ペタバイト(1024テラバイト)だそうです。
これは、書類をめいっぱい収納した4段式キャビネットの2000万個分の文字情報に相当だそうです。
ちなみに、HD品質の映像ならなんと13.3年分のデータ量だそうです。
これが一人一人の脳の記憶量だそうですが、正直自分にはこれだけの記憶量があるとは全然思わないんですよね(-_-;)
てか、これだけの記憶量でも結構な力が出そうな気がします(・ω・`)
次の投稿は12/10(土)19時頃投稿予定です。
ご視聴ありがとうございました。