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中編
馬車で石畳の上をいく。たまに小石を踏んづけてガタンと揺れる。
私は悲観からそのまま馬車が転倒し頭でも強打し……そしてめいふへ……そうしたなら君と……。
私のポニーテールが宝物でもみつけたかのようにゆさゆさ。それがたまらず私は下唇を噛みしめた。
赤い液体が口内に味を与えた。私は馬車の壁を叩いていた。
なんの希望ももてない人生。車窓から道を歩く人を見た。刹那、目を疑った。君が……君がいたから。
私は唐突に「馬車を停めて!」と叫んでいた。おつきの従者は慌てて停まった馬車からとびおりた私のあとについてくる。
私はあたりに視線を走らしたが君はいなかった……あたりまえだ……君は処刑されたのだから……。
会えるはずがない人……。でもそんなことないとどこかで否定する。不意に君の気配を感じるときもあるの。
そばにいて端整な顔でにっこりし女の子の心を貫く。まるでレイピアにグサリとやられたかのよう。
そして心臓が暴れだす。捕らえられそうなライオンのごとく。私にはよくある。そういうことが。




