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悲しみの色  作者: 冴河冴
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「You」




もう思い出せないよ

私を呼んだ君の声

君の短い綺麗な髪



ふわふわ揺れる

ふわふわ揺れた



もう声が届かないよ

手を伸ばせば触れられるのに


遠い 遠い

遠く 遠く


もう諦めるべきなの?

いつの間に伸びたの?長い君の髪



揺れる揺れる

揺らぐ揺らぐ



いつも一緒だったのに


君と並んだ写真のね

私の顔が 黒いんだ

もう誰かわからないように

私は何度も塗りつぶす


油性マジックってこうやって使うんだよ



取り返しなんかつかないのかな

君を裏切ったのは私


泣いたって変わらないんだよ

君を傷つけたのは私


やけに冷たい蛍光灯が 君の顔に影を作る


やけに重たい空気の中 今日も変わらず君を思う



「守るべきものがないからこんなにも人生は楽で困難だ」


君が死んだ

君も死んだ


それは偶然と必然


生きるものは死ぬ

それは自然の摂理


無力さに泣き嘆き悲しみにまみれた日々


しかしいつしか気付く


無力な言葉で無力な人で

救えると信じた傲慢を

自意識過剰、過信と愚かさ

自分の弱さを 自分の無知を


君はいなくても朝は来る

君がいなくても日は暮れる

僕がいなくても夜は明ける

僕がいなくても月は昇る


でも僕の世界はそれがあってできていた

それに気付く時世界は変わる



「罪と罰」


美しいものを見るほどに

自分の汚さを知っていく

優しい人に会うたびに

自分の愚かさに気付いていく


これまで傷つけてきた人

気付いてないふりしてただけ


歪んだ私に粛清を

壊れた私に厳罰を


死んで逃げるくらいなら

生きる勇気を 私にください

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