前編・怪物
その日、俺は見たんだ。
炎の中で戦う怪物と、ロボットを・・・・・
2,007年10月4日、関東7ヵ所同時地震発生。
死者80,000人、経済破滅状態が今もなお続く。
関東の経済都市を同時に襲ったこの地震は12年後現在も傷跡が残っている。
「だからほんとに見たんだって!」
教室の隅で、小さな声がなった。
「その話はもおいいよ。聞き飽きた。」
「本当だって!信じてよ!」
一人の男が会話に入ってきた。明るそうな外見の男だ。
「またその話してんのか!登喜男も懲りないね〜。」
登喜男という男が必死に反論する。
「うるさい!うるさい!見たもんは見たんだ!」
「今日は、いつもよりすごいな。」
クールそうな男が言った。
「そんな怪物やらロボットやらいたら大変だろ!」
「和夫!銀意!おまえら〜!!!!」
登喜男が二人を押し倒した。ケンカが始まった様子だ。
「登喜男やめろ!勘弁してくれ!」
「うるさ〜い!」
小学生のようなケンカだ。精神年齢が心配だ。
「登喜男!銀意!ケンカしない!」
登喜男と銀意がケンカをやめた。ケンカをとめた声の主は、金髪の髪の女だった。
「何でいつもケンカばっかするの!少しは学習しなさい!」
「すいません!鞘さん!もうしません!」
「だって、鞘姉!こいつが・・・」
「や・く・そ・くよ?」
「はい!すいませんでした!」
鞘という女が怒鳴っている内に、1時間目のチャイムがなった。
「もうこんな時間!じゃあ二人とも、反省文これに書くように!」
『ハーイ・・・』
そして一時間目が始まった。登喜男は窓から空を眺めていた。
(確かに見たんだ・・・・・)
俺が五歳の頃、大きな地震があった。
逃げ惑う人、親が見つからず泣く子供。そんな状態の中、俺は逃げている途中だった。
親が俺を負ぶってくれた。そして、その後、想像もできない事が起こった。
「キシャアアアアアアアア!」
土の中から現れた、二本の首をもつ怪物。その瞬間、親は俺を置いて逃げた。
だが親と逃げた人々は怪物の吐いた火球によって、跡形もなく消え去った。
悲しみはなかった。だが恐怖があった。
怪物がこちらを睨んだ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
叫んだ瞬間、何か大きなものが飛んできた。大きな鉄の塊。俗に言う「ロボット」だった。
空から降りてきたロボットの蹴りが、怪物にクリーンヒットした。
「グギャアアアアアアアア」
怪物がひるんだ。次々と拳を怪物に入れていくロボット。それを俺は呆然と見つめていた。
「ギギギギギ」
あまりにも強烈なラッシュだったのか、怪物は土の中に帰っていった。
そして俺の記憶はそこからなかった。他の人に聞くと、俺は川の辺で気絶していたらしい。
それにしてもあれはいったい何だったのだろうか・・・・・
どどぉぉぉぉぉぉぉぉん!!
登喜男が気がついた瞬時にこの事が起きた。地震が起きたのだ。
気がついた登喜男は、急いで外を見た。
その目に映った物は、12年前と同じ光景だった。
そう、二つの首をもつ怪物が現れたのだ。
「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
その時、登喜男何も知らなかった。
運命の歯車が動き出したことを、
そして、この後起きることを・・・・・・
この作品は、前・中・完結で終わらせようと思います。まあ下手な文章ですがその時は生ヌル〜イ、目で見てやってください(苦)