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現象7 板里労人

今日ここに宣言します!1話につき1名言計画を実行します!

 今日は何の日?と聞かれたら、オレは即答しちゃうでしょう。

「今日は何の日?」

女子がタイミングよく聞いてくれた。

「夏休み始まるんだよ、聞いとけよなそんくらい」

「やった~、夏休み夏休み♪」

男女共に大はしゃぎだ。夏休みは本州最高の長期休暇であり、最大のイベント期間なのだ!

「夏休みに入る前に、転校生を紹介しておきます。板里くん、入りなさい」

「あ、はい」

この高レベルな某新世界の神並みのイケメンVOICE、何者だ!?

「本日付けでこの高校に転校しました、板里労人いたりろうどと申します。どうぞお見知りおきを」

何という敬語ラッシュ、こやつただ者ではない。まさか、某新世界の神の生まれ変わりか!

「って、神はアニメ版じゃ三年後が命日じゃねーか。原作とアニメの設定を紛らわしくするなよ」

「どうしたのですか?闇洞さん」

振り向くと、転校生が隣にいた。顔立ちも中々だ。この高校はやけにイケメンが多い気がする。

「敬語じゃなくていいって、転校生。オレのコトはキョーヤでいいから」

「では、私はロードって呼んでもらえるというコトですか?」

確かにそうなんだが、ロードってオレよりスゲー名前だ。明日から合コンラッシュ確実だろう。

「ほんじゃ転校生、遊ぶぜ~!」

「・・・?麻雀ですか?」

ナオキは親睦を深めようというコトで、家にあった麻雀を持ってきた。地味に強いですよオレ。

「ロン、リーチサンショクピンフドラ1ウラ1。跳ね満です」

「うわぁあああ~~~~」

ロードはとんでもなく強かった。手は常に満貫以上、オマケにオレらの手を止めるというプロ顔負けの実力者だった。

「くっそ、ツモあがりしかできないなんて・・・」

「燃え尽きたぜ、点数すべてな」

ナオキとモトキはマイナス10000点以上、オレは5800点しか残っていなかった。

「楽しかったですよ、ナオキさん」

「それは良かった・・・」

 放課後、オレはロードに誘われた。

「キョーヤさん、貴方は魔術を知っていますか?」

いきなりキタよ、コイツ魔術師だな。

「知らないね、そんなの」

バススッ!

どうやらオレのコトを多少知っているらしい。

「嘘は止めてもらいましょうか。貴方の体をこれ以上傷つけないために」

「針かコレ、うまく当てやがる・・・」

足に当てられ、動けずにいた。

「私は日狩流音と同じ、リフルディワム教会配下の6級魔術師です。私のルノンに手を出したコトを、その身で償ってもらいます!」

私のルノン?まさかとは思うが、コイツあれか?

「オマエ、日狩の婚約者か何かか!?」

「な、何故わかったのですか!?」

マジでした。婚約者という非現実的なモノが当たってしまわれるとは、魔術関連て恐ろしい。

「たた、確かに、私はルノンと教会が認めた婚約関係にあります。私は東洋アジア屈指の魔術師の家系にあり、結婚相手とは教会が認めれば年齢国籍問わず、結婚できる身なのです。しかし、婚約の儀の夜に彼女は日本に逃亡してしまった・・・。そして半年の月日を経て、ようやく彼女を見つけました」

「そんで、オレといるところを見て浮気とかいうエラい勘違いをしてしまったと」

ドキュァ!

おやおや、キレちゃったよ・・・。しっかし、刺された針を抜かれるのも痛いもんだな・・・。霞む視界の中、抜かれた針の先に糸のようなモノが見えた。

東洋日系魔術エイジェストマジック飛火虫とびひむし!」

針と糸に火が付き始めた、そしてそんな危ないモノをロードは汗1つ見せずに操る。

ブワァアアッ!

「おいおい、日本の法律で男子は18にならんと結婚できないんだぞ。ちゃんと日本のコトわかってんのか、オマエ日本人だろ」

「ふん、私は法に縛られない聖職者、魔術師です!法律など、知ったコトではない!」

ガキャキャッ!

魔術の効果なのか、貫通力も上がっている。オレは足にダメージ負って、相変わらず動けない。かと言って、焼死なんて非日常的な死に方はゴメンだ。

「どんなダメージも一瞬で再生する再生力を、この身に体現する!」

ズドドドドドドッッ!

「これで火達磨だ、ハハハ!・・・バカな・・・」

残念だったな、獲物を逃がしたライオンくん。オレの超絶欠落は、オマエら魔術師にとって相性最悪の能力なのさ。

「さてと、一発殴ってダウンさせましょうか!」

バキィャ!

「くそっ、まだまだ!」

ブオオアァ・・・

コイツ、他の魔術師と違って結構歯向かってくれるじゃねーの。さすが日本人、泥臭さは一級品だぜ。

「日本の漢たる者、諦めるという選択肢は死に等しいのです!」

「いいコト言うな、他の魔術師とは違うわ」

激闘を繰り広げて、3時間が経った。オレもロードもパワー切れで、道端でくたびれていた。

「ふん、変わっていますよ貴方は。魔術師に喧嘩売られて、ここまでボロボロにさせて・・・」

「けっ、人殺ししてねー分だけまともってコトさ」

こうしてオレとロードは僅か1日で、一生掛け替えの無い友となった。




今回の登場人物

板里労人(16)...キョーヤの高校に来た転校生。ゲームが強く、麻雀ではキョーヤたちをフルボッコにした。正体は魔術師で、ルノンとは教会が認めた婚約者。ルノンを追って日本に来て、キョーヤと衝突。闘っていくうちにキョーヤと親友関係になった。

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