現象12 王妃
キョーヤの麻雀好きな設定は、ボクが麻雀が好きだからであって決して主人公のキャラを目立たせようという思惑はありません。主人公を自分に置き換えて設定すると書くのは楽なものですよ、時間がないだけで。
明日から2学期に突入、オレの高校生活初めての新学期だ。とりあえず、イベントを消化するのは無理でした・・・。オレは女運がないのだ。
「フツーは宿題にてんてこ舞いの最終日がパターン化されてるが、オレは違う。そこら辺のボンクラ共とは、違うのだよ!なっははははは!!」
高笑いが虚しく響く。家に誰かいたら、恥ずかしかったな。
「今日は親遅いし、もう寝ますか」
オレは深い眠りの淵へ入った。
9月1日、新学期の幕が上がった。新学期といのは、絶好のイベント発生期間!今度こそ・・・。
「おいーす、キョーヤ」
モトキが駆け寄ってきた。夏休み中は一度も顔を合わせてないから、新鮮に感じた。ナオキも加わり、3人合わせて『1年3カス同盟』が復活した。『1年3カス同盟』とは、馬術部の一件で謹慎処分を受けたオレたちに対する学校中のみんなからのあだ名みたいなものだ。確かに、馬術部の1件で中心だったのはオレたちだが・・・。オレ割りと成績いいんだよ・・・?
「お~、『1年3カス同盟』じゃないですか~」
ロードが悪ノリかましてきた。だが、そうはいかん。新学期でオレたちがするあのゲームで、必ずオマエをまくる!
「麻雀やんぞ!」
「「おおぅ!」」
始業式が終わって放課後、オレたちはナオキの家で麻雀を打つコトにした。ナオキの親父さんはプロなのだ。オレはかなり鍛えてもらい、実業団の人と張り合えるくらい強くなった。
「リーチ」
(((手が早い・・・)))
ロードは3巡目に早くもリーチ、加えてこっちは4翻天だ。マズイ、非常にマズイ。
「ポン!」
モトキ、ナイスポン!しかも役牌、早アガリでも狙ってるのか?でもこれで、ロードの一発は消えた。
「おっ、リーチかけるぜ!」
キタよおい、順番変えてくれたおかげで手が伸びた。
「うおおおっ!ツモった!リーチ一発ツモタンヤオ三暗刻、ウラ2で親倍満だコラ!」
「「「ぬぁっ!?」」」
オレはそのままぶっち切り、トップに躍り出た!ははは、今宵はよい気分じゃ。
夕方になり、オレとロードは一緒に帰るコトにした。
ドンッ!
「いたっ、ごめんなさい!」
後ろから女の人がぶつかってきた。黒髪のショートヘア、若干中国人ぽい。左手には、変なタトゥーがついている。
「そのタトゥーは・・」
ロードがそう呟くと、いきなりその人を攻撃し始めた!飛火虫とかガチか!
「へぇ、カワイイ魔術師さんね~」
「貴方は、フランスのユディスフォルティ教会の魔術師ですね!?」
あのタトゥーは魔術師の意味を持っている、だからロードは攻撃したのか。でもフランスって確かロードやルノンの教会も・・・。
「あらリフルディワムなの、あんた。アタクシの名前は両爾仁、フランスでは10人しかいない1級魔術師ですの。あと魔術結社戦乙女の創始者ですの」
「両爾仁・・・だと・・・?ドイツのレリーマと相撃ちで死んだハズ・・」
ロードが震えている、それほどまでにこの女は強いのか・・・。確かルノンは2級魔術師で、ロードは6級魔術師だから・・、格上の女なのか!
「それでは始めましょ、王妃を楽しませるための宴を」
オレはその一言に寒気がした。
今回の登場人物
ユディスフォルティ教会...ロードやルノンの所属しているリフルディワム教会と敵対しているフランス屈指の教会。魔術結社を積極的に創らせている。