奏の秘密と本音
フェスティバルから数日後、学園は普段の賑やかさを取り戻していた。
桜井りょうは今日も控室で練習をしていたが、心のどこかで奏のことを思い出していた。ステージではいつもクールで完璧な奏だが、りょうは何か隠しているような気がしていた。
放課後、奏がそっとりょうを呼び出す。
「りょう、少し時間ある?話したいことがあるんだ」
その言葉に、りょうの胸は少し高鳴る。ドキドキと期待が混ざる瞬間。
二人で静かな屋上に向かう。夕日の光が校舎をオレンジ色に染める中、奏は深呼吸をして言った。
「実は…僕、ステージに立つことにプレッシャーを感じる時があるんだ」
「え…プレッシャー?」
りょうは驚きながらも耳を傾ける。普段は完璧に見える奏が、弱さを見せるなんて――。
奏は少し俯きながら続けた。
「幼い頃から注目される環境にいて、いつも『期待に応えろ』と言われてきた。だから本当の自分を出せずにいたんだ…」
りょうはそっと奏の手を握る。
「奏くん…そんなふうに思っていたなんて…」
自分の手を握られ、奏の瞳が少し潤むのを見た瞬間、りょうの胸はキュンと締め付けられた。
「でも、りょうと一緒に踊るようになって、少し変わったんだ。君が隣にいてくれると、僕も自然に自分を出せる」
奏の言葉に、りょうの心はじんわり温かくなる。努力してきた自分を認めてもらえるような、そんな感覚だった。
「私(僕)…奏くんの気持ち、すごく嬉しいです!私(僕)も、奏くんと一緒にいると安心して、もっと頑張ろうって思えるんです!」
思わず叫ぶように言うりょうに、奏は微笑む。
「ありがとう、りょう。これからも、一緒にステージで輝こう」
その一言に、りょうの胸はドキドキと熱くなる。友情や恋心、努力のすべてが、二人を結びつける力になった瞬間だった。
夕日が沈む頃、二人は肩を並べて校舎を見下ろす。
「これからも、ずっと一緒だね」
「はい!もちろんです!」
手を取り合う二人の間には、言葉以上の信頼と絆が生まれていた。
こうして、男の娘・桜井りょうは、奏の秘密と本音を知り、二人の距離はさらに近づいた。友情も恋心も、ライバルとの関係も、全てが未来への力になる――。




