運命のマジきゅんスター選抜
桜井りょうは、見た目はまるで女子高生のように可愛い男の子。
白いブラウスにリボンを結び、柔らかい茶色の髪を揺らして歩く姿は、誰もが「女の子だ」と勘違いするほどだった。だが、本人は至って男の子であることを隠さず、むしろその可愛さを武器に学園生活を楽しんでいた。
今日、星蘭学院では年に一度の「マジきゅんフェスティバル」のスター選抜が行われる。
「やっと…私(僕)、チャンスを掴めるかも…!」
胸の高鳴りを抑えきれず、りょうは鏡の前で制服の袖を直した。少しでも可愛く見せたいのもあるけれど、何より「自分らしく、輝きたい」という気持ちが先だった。
教室に向かう廊下には、すでにスター候補たちが集まっていた。個性的な男子たち、女の子らしい男子たち、そして誰よりも目立つのが、学園一の人気者・朝日奏。
長い金髪をなびかせ、颯爽と歩く奏の姿に、りょうの心は一瞬で掴まれてしまった。
「わ、わぁ…やっぱかっこいい…」
りょうは思わず小さな声を漏らす。奏はそんなりょうに気づかず、周囲の注目を一身に受けていた。
しかし、その注目はりょうにも向けられた。スター選抜の担当教員が呼びかける。
「さあ、スター候補のみんな、自己紹介をしてもらおう!」
最初に名乗るのは、派手な衣装の男子や可愛い女の子たち。緊張の空気が漂う中、りょうの番になった。
「は、はじめまして…桜井りょうです。男の子だけど、見た目は…少し女の子っぽいかもです。よろしくお願いします!」
教室内には驚きの声が一瞬上がったが、すぐに温かい拍手が湧く。
奏も、眉をひそめながらも興味深そうにりょうを見つめる。
「ん…?この子…ただの可愛い子じゃない気がする」
選抜はまず、簡単な自己アピールと特技の披露から始まる。
りょうは小さなステージに上がると、軽やかに踊り、手先で可愛らしいジェスチャーを交えて自己紹介した。
「えっと…見た目は女の子みたいですけど、ダンスは本気です!」
その瞬間、教室内の空気が変わった。笑顔で見守るクラスメイトたち、驚くほど真剣な目を向ける奏。
「……すごいな、この子…」
しかし、そんな中でも、ライバル候補の男子が小さく舌打ちをする。
「女の子みたいだからって、手を抜かせると思うなよ…」
その言葉に、りょうの胸の奥で負けたくない気持ちが熱く燃え上がった。
パフォーマンスが終わると、拍手が止まらない。りょうは恥ずかしさと達成感で顔を赤らめながらも、内心ではやる気に満ちていた。
「これが…私(僕)のスタートラインなんだ…!」
そして最後に、奏がりょうの前に歩み寄る。
「君…面白い子だね。僕と一緒に練習してみる?」
その一言に、りょうの心は大きく跳ねた。奏と同じステージに立てるかもしれない。可愛いだけじゃない、自分の力で輝けるかもしれない。
「は、はいっ!ぜひ…お願いします!」
こうして、男の娘・桜井りょうの、ドキドキの学園生活と「マジきゅんスター」としての物語が始まった。
笑顔と誤解、友情と恋が交錯する中で、りょうは今日もきゅんきゅんな一歩を踏み出すのだった――。




