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大事な事はパグが教えた  作者: 双鶴


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6/11

名札と名前と、はじめまして

月曜日。

ぼくは首をかしげていた。

首輪って、ただの飾りだと思ってた。

でも、修一さんが「名札、つけてみるか」って言った。

名札?名前を書くやつ?

それって、ぼくの名前が“話題”になるってこと?


作戦名:「名札と名前と、はじめまして」

目的:あの人にぼくの名前を見てもらう。

手段:首輪に名札をつける。あの人が読む。修一さんが名前を呼ぶ。

結果:ふたりが“名前”を通じて関係を深める。


火曜日。

修一さんが、小さなプレートを買ってきた。

銀色で、ちょっと光ってて、「PAGGY」って刻まれてた。

ぼくはそれを見て、しっぽを振った。

なんか、かっこいい。ちょっとだけ誇らしい。


水曜日。

名札をつけて、鏡を見た。

うん、悪くない。

「お前、アイドルみたいだな」って修一さんが笑った。

ぼくはしっぽを振った。アイドルでも、参謀でも、恋のためならなんでもなる。


木曜日。

修一さんが「名前って、すごいよな」と言った。

「呼ばれるだけで、ちょっと嬉しくなる」

ぼくはその言葉を覚えておこうと思った。

名前って、ただの音じゃない。気持ちが乗るものだ。


金曜日。

ぼくは名札をつけて、ソファの下に潜った。

暗い場所で、光る名札。

なんか、秘密兵器みたいで、ちょっとワクワクした。


土曜日。

修一さんが「明日、見てもらえるかな…」って言った。

ぼくはしっぽを振った。

見てもらえるよ。だって、ぼくが見せるから。


日曜日。

公園の空は、やさしい青だった。

風がちょっとだけ強くて、葉っぱがくすぐる音を立ててた。

ぼくの鼻には、草と土と、春の終わりの匂いが届いてた。


あの人がいた。

ベンチに座って、白い靴をちょっとだけ前に出してる。

ぼくはリードを引っ張った。

修一さんがついてくる。

ぼくは歩く。ゆっくり。でも、確実に。


そして、名札を見せる。

首をちょっとかしげて、光を当てる。

あの人がしゃがんだ。

「パギー…っていうの?」

声が、やさしかった。


修一さんが「はい、パギーです」って言った。

ちゃんと、はっきりと。

あの人が「かわいい名前ですね」って言った。

ぼくはしっぽを振った。全力で。


名前を呼ばれるって、こんなに嬉しいんだ。

「パギー」って言われるたびに、ぼくの胸がポンって鳴る。

修一さんの声も、あの人の声も、どっちも好きだ。


帰り道。

修一さんが「名前、呼ばれたな」って言った。

ぼくはしっぽを振った。

うん、呼ばれたよ。ちゃんと、はじめましてができた。


反省点?あるよ。

名札がちょっと重かった。首が疲れた。

でも、読んでもらえた。名前を呼んでもらえた。

つまり、作戦は——成功。


次は、ふたりの名前を知る作戦。

あの人の名前を聞く。修一さんが呼ぶ。関係が進む。

ぼくはパギー。恋の応援団長。

次回作戦名:「あなたの名前、教えてください」


いくぞ、来週!


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