みんなで『崖の上のポニョ』を見る― 内なる存在と過ごす休日
夢と日常が交差するローファンタジー。
ミオラの夢から生まれた存在の魔王ミルア。
2人のやりとりから、新たな気付きが生まれます。
夢で出逢ったキャラたちと、
ほのぼのした日常を過ごしながら、
夢とイメージの世界で様々な冒険も開始!
ミオラの心の成長の物語です。
今回は私が交流を続けている
内なる存在達が一堂に集まって、
みんなで一緒に『崖の上のポニョ』を見る。
そんな和やかな時間を切り取っています。
ミオラ(女性)視点でまとめています。
キッチンでランチを用意しながら、
昨日のDVD録画ができてるか確かめる。
この頃、DVDの調子が悪くて、
たまに民放の録画ができないのだ。
「録れてた!よかった~♡」
大好きな宮崎アニメの1つ。
『崖の上のポニョ』だった。
「ミルア、ランチする時に見たいから
一緒に見て♡
ミルア好みのバトルものじゃないけど」
「ふ~ん?どんなやつ?」
「海のお魚の子が魔法で人間になる話。
宮崎監督って大人気の
アニメ映画の監督がいるんだよ」
ミルアは私の夢の世界から現れた存在なので、
圧倒的な象徴性や
チート並みに冴える直感・特殊スキルを
持ち合わせている反面、
現実世界の物事に疎いことがある。
宮崎アニメや
ポニョの原案になっている
人魚姫についても
知らないようだった。
ーーーーーーー
ランチが仕上がった。
今日のメニューは手作りのおうち焼売。
ブロック肉が安く手に入ると作る。
ひき肉だと水っぽくなりやすいので、
手間はかかるが塊のお肉を
自分で包丁で細かくして作る方が
断然、美味しい。
一緒に蒸したキャベツもたくさん。
手羽元出汁のチキンスープは春雨を入れた。
箸休めはお庭で採れたミョウガの酢漬け。
お肉はあまり食べないミルア用に、
焼売は、いつもよりも
野菜の配合を多めにした。
今日は大画面で見たいから、
ダイニングにランチを運んできた。
ソファーでミルアと並んで座る。
ミルアはいつも通り私の右側だ。
「ミルア、焼売、野菜いっぱい入れてるけど
お肉、食べづらかったら、
無理しないでいいからね」
チキンは食べれるようになったけど、
他のお肉はまだ重いらしい。
焼売は、表面に、
とろりとした脂が溶け出し、
おいしそうに蒸しあがっていた。
「お、食えそう!うまい!」
ミルアがアツアツの焼売を
ほおばり始めた。
私はよかった、と
内心、胸をなでおろす。
食べながら『崖の上のポニョ』
の録画を再生する。
「ねぇ、せっかくだから
みんなも呼んで一緒に見ようか?」
「いいな!呼ぼうぜ」
「そうそう。ミルア聞いてよ!
めぴるにファンが付いたのよ!
すごいでしょう」
私はポニョを見ながら
我が事のようにうれしくて、
誇らしげに報告した。
noteのフォロワーさんから
そういうコメントが来たのだ。
「めぴるに?!俺より先にか?!
まじかよ!!やられたぜ~」
ミルアは楽しそうに笑い出した。
「まぁ、めぴるは小さい身体だけど、
俺と対になる存在だし、
ほんとにすごいやつだからな」
そう言ってニコニコしている。
最近はすっかり、私の内なる存在たちを
束ねるリーダーのような位置付けになっている。
たぶん、ミルア本人は気づいていないが、
私から見るとそうなのだった。
しばらく、
そんなやりとりをしながら、
ランチをつまみ、また話す。
そのあと、
みんなを呼び出した。
ひよこのめぴる。
一つ目鬼のギガテク。
火の鳥のめぴるママ。
それに世界最強にして
全知全能の魔王ミルア。
私の内的キャラたちが
全員揃うのは久し振りだった。
そう言えばめぴるのママにも、
名前を付けようと思ってたのに、
ずっと放置したままだった!
と思い出した。
めぴるママは自分から人語で
話すことは、ほぼない。
だから彼女の名前を聞いたところで、
教えてくれるだろうか?
めぴるママ用の
名前候補リストも作ってあったから、
それを見せて一緒に決めてもらおう。
やっぱり呼び名がないと不便だ。
めぴるはいつも通り
私のおなかのあたりから
ひょこっと現れた。
「めぴる、見て!
これ大人気のアニメなの。
めぴるもきっと好きになるよ」
「何、これ!すごい!!
女の子が海の上を走ってる!」
小さな羽をパタパタさせて大興奮。
私の膝の上にちょこんとおさまり、
そう言った後はもう
画面を食い入るように見続けている。
めぴるの丸く小さな身体をなでると、
柔らかい羽毛が心地よかった。
それでもめぴるは
TV画面から目を離さない。
きっと、まん丸のお目目を
見開いているのだろう。
ギガテクも定位置で
右側のソファの後ろで、
私たちの様子を静かに穏やかに見守る。
めぴるママはソファの左横に立ち、
長い首で、ときどき、
めぴるの様子を確認しながら、
目を細めている。
焼売に合うように、
烏龍茶の黄金桂を淹れた。
薄い黄色で香りと甘みのあるお茶だった。
キンモクセイにも似た香りが部屋に漂う。
「めぴるも何か食べる?」
そう声をかけると
無言でぷるぷると首を振る。
今は、これを見たいんだから話しかけないで!
とでも言われてるようだ。
その様子を見て
ミルアと一緒に
目だけで笑い合った。
ポニョが初めて人間の言葉で
「宗介、好き!」と言った場面で、
私は思わず胸が熱くなった。
ふいに涙があふれてきた。
私がミルアに好き
と言う時と同じ気がしたのだ。
何の計算もなく裏表もなく、
子どものようにまっすぐに
ただただ、私は
ミルアが好きなんだと思った。
たとえ天変地異を起こしてでも、
好きな人に会いに行きたい。
その気持ちが痛いほど分かった。
ポニョ本人はそれがどんなに大きなことが
たぶん気づいていないけれど。
もう何度もポニョを見てるのに、
そう思ったのは初めてのことだった。
これまではただ、
美しい寓話のように見ていたのだ。
そう思うと、
静かに涙が溢れ続けた。
隣のミルアが
そっと手を握ってくれる。
うれしかった。
めぴるは、画面に釘付けになったまま、
時折小さな声で反応する。
「あ、あ、ポニョ、
そうすけ、がんばれ!」
TVを見ながら、
登場人物を一生懸命応援している。
めぴるの後ろ姿がかわいらしくて、
またゆっくりと彼の
小さく柔らかい背中をなでた。
ギガテクは後ろから
穏やかな視線を送ってくる。
一つ目鬼だけれど、
彼の瞳は全く恐ろしくない。
私と目が合うとかすかに笑い、
うなずきを返してくれる。
彼の穏やかな存在感が好きだった。
めぴるママはひよこのめぴるを見守りながら、
私たちのやり取りを微笑ましく眺めている。
火の鳥らしい神々しい羽根が
輝くようで美しかった。
ギガテクもめぴるママも
いつも寡黙であまり話さない。
でも、彼らの包み込むような空気感は、
私たちの場全体を覆い尽くす
守りの波動ようだった。
ポニョを見ていると、
またミルアに思いが飛ぶ。
ミルアもポニョも象徴世界から
現実世界に現れたばかりだとしたら、
知らないことが沢山あって当然だよね。
何もかも新鮮だし、それを一つ一つ味わう。
ポニョも、そうやって
人間世界に慣れていくんだろうな。
そう思ってミルアを見ると、
私の様子を注意深く見ていたらしい。
ニコッと笑って黙って肩を抱かれた。
「ミオラ~。すっごく面白かった!
動く絵本みたい。
最初から見たかったよぉ~」
ポニョが終わった後、
めぴるがそう言ったので
慌てて私は謝った。
「気が利かなくてごめんね!
次にポニョを見る時は
最初からめぴるを呼ぶよ」
「うん、約束だよ!
ミルア、またね」
それが合図になったように、
めぴるたちは自分の世界に戻っていった。
ミルアだけは残り、私の隣にいて、
2人でゆっくりとお茶を飲み続けている。
「確かに、すごい作品だった。
ミオラが大好きなの、
よく分かったよ」
そう言って、また肩を抱いてくれた。
休日のゆるやかな時間が流れる。
私の内なる存在たちと、
それぞれの見方が交差する、
穏やかで優しい一瞬を
大切にしたいと心に刻んだ。
最後までお読みいただき
ありがとうございました♡
毎日22時更新予定にしています。
(更新できない時はお許し下さい)
めぴるママの名付け会議は、
明後日の回で公開予定です。
お楽しみに!
ミルアに関しては、
私のnoteやXにて
キャラメイクなども載せています。
noteやXでは物語ではなく
夢分析の切り口で書いています。
興味を持った方はこちらにも
遊びに来てくださいね♡
Mioraのnote:https://note.com/mio_dream_diary
MioraのX:https://x.com/MioraDreamDiary