助手席に魔王が座っています①買い出し準備編
夢と日常が交差するローファンタジー。
ミオラの夢から生まれた存在の魔王ミルア。
2人のやりとりから、新たな気付きが生まれます。
夢で出逢ったキャラたちと、
ほのぼのした日常を過ごしながら、
夢とイメージの世界で様々な冒険も開始!
ミオラの心の成長の物語です。
今回はドライブデート編①を送りします。
ミオラ(女性)視点でまとめています。
濃厚でバタバタな2日間で、
更新出来ませんでしたが、
やっとアップ出来ました!
早朝5時前。
夢を見て目を覚まし、
いつものように
夢の記録つけている。
隣ではミルアが眠っている。
彼を起こさないように、
そっと起きて、水を飲む。
朝はまだ涼しいな。
カーテンと窓を開けて換気すると、
涼し気な虫の声が聞こえた。
毎日、30度を超えている。
今日の予報は最高気温33度。
40度近くでないだけマシか…。
冷蔵庫の中の様子を思い出し
そろそろ買い物に行かなければと
お気に入りの場所に行こうと思い立った。
せっかくだからミルアも
連れて一緒に行こう。
そう思うと心が弾んだ。
ーーーー
ミルアと並んで軽く朝食をとりながら、
彼に話しかけた。
「今日、買い物に行くんだけど、
いつもの近くのスーパーじゃなくて、
隣町の産直マーケットに行きたいの。
ミルアも一緒に行く?」
「行く!!!」
即答だった。
「隣町?どうやって行くんだ?」
「車だよ。
私が運転するからミルアは助手席ね」
「へ~、ミオラ、運転できんの?」
彼の目が楽しそうに笑っている。
「………できるけど?」
つい、小声になってしまった。
実は運転はそんなに得意な方ではない。
ミルアがクスッと笑っている。
長年、ペーパードライバーだったのを、
最近練習がてら運転を再開した。
初心者ではないが、若葉マークを付けて、
市内のスーパーに買い物に行ったりする程度で、
練習していたのだった。
その中で隣町の産直マーケットは、
一番遠いところだった。
車で20分ほどだ。
「そりゃいいな!ドライブデートだ!」
ミルアがうれしそうに言った。
「午前中の早い時間の方が新鮮な野菜が多いから、
ごはん終わったら、準備して出かけるよ?」
「OK!OK!俺はいつでもいいよ」
そういうことになった。
私の車はスペーシアだ。
クリームイエローで、
結構、かわいくて気に入っている。
旅行や遠出が好きだから、
ホントは車を駆使して、
あちこちに出掛けたい。
そう思うのに、まだ近隣の市街にしか
車で出かけたことが無かった。
30分以上、運転すると、
グッタリと疲れてしまう。
運転好きな人って、どうしてあんなに
長距離でも平気な顔してるの?と
いつも不思議で仕方ない。
ずっと助手席や
後部座席ばかりで、
これまでの前彼たちが
当たり前のように長距離ドライブを
運転していた様子を思い出していた。
暑いから、早めに車のエンジンだけつけ、
冷房を入れておく。
軽くメイクやスタイリングをして、
日焼け止めを塗り、
つばひろの帽子や日傘も用意した。
服はオーガニックコットンの
ワイドパンツに麻のトップス。
両方とも風が通って涼しい。
車には冷凍食品用の
クーラーボックスと
保冷剤も用意して、
買い出し準備完了。
「ミルア~?行くよ~?」
「ミオラ、運転よろしくな!」
そう言って助手席に乗ってきた。
彼はいつもの通りの全身黒の衣装。
最初は魔王らしさ全開で
マントや総鎧をまとって現れたけど、
最近は日常に溶け込むスタイル
になることが多くなった。
魔王スタイルの時も
黒一色であることは同じだ。
それが彼らしさでもあり、
こだわりのようだった。
多少、日常に
溶け込むようになったとはいえ、
彼の存在感は非日常そのものだ。
彼が車の助手席にいるのは、
かなりの違和感がある。
銀髪の長い髪。
長身で引き締まった肢体。
黒一色の服装。
一見すると西洋の神話や
おとぎ話に出てくる
妖精戦士のような風貌なのに、
小さな1本角がある。
ミルアの存在感だけではない。
そもそも、私の心の奥底から生まれた
原型アニムスと生活してるってこと自体が、
他の人から見ればクレイジーに違いない。
そう思って一人でおかしくなった。
私の様子を見て、ミルアが
「ん??どうかしたのか?」
「ミルアと一緒に
お出かけするのがうれしいだけだよ」
そう言うと、彼は
ふっと笑って窓に頬杖をついた。
「で?道は分かるのか?」
「ナビがあるから大丈夫!」
そう言って、ナビのログを呼び出した。
たまに行くところだから
過去の行先ログからすぐに道順設定ができた。
「こういう地図があるのか!
声で案内してくれるのか?
便利だな~」
ミルアは興味深げに、
車のナビを見ている。
たまにミルアは、
私たちが常識的に知っているようなことも
知らないことが多いのだった。
「道案内を開始します」
ナビが電子音でそう言った。
久し振りの産直マーケットだった。
新鮮な野菜や
旬のフルーツを思い浮かべる。
野菜や果物が大好きなミルアがそれを見て
どんな反応をするんだろう?
そう考えると、私の心が躍った。
毎日22時更新予定にしています。
(更新できない時はお許しください)
ドライブデート編②も準備中です。
また読みに来てくださいね♡
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★巻末のおまけ:原型の非社会性★
ミルアのような存在は、
心理学でいう アニムス、
女性の無意識にある男性像の原型です。
ユング心理学では、
心の奥には個人的な記憶だけでなく、
全人類に共通する象徴や
知恵が眠る 集合的無意識 があるとされます。
ミルアはそこから生まれたため、
圧倒的な力や象徴性を持つ一方、
日常の常識や流行には疎いことがあります。
だからこそ、彼とのやりとりには
チグハグな面白さが生まれるのです。
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ミルアに関しては、
私のnoteやXにて
キャラメイクなども載せています。
noteやXでは物語ではなく
夢分析の切り口で書いています。
興味を持った方はこちらにも
遊びに来てくださいね♡
Mioraのnote:https://note.com/mio_dream_diary
MioraのX:https://x.com/MioraDreamDiary