鬼灯
爽やかな夜。
諦めの紅色。
右手にもつ左手。
私は両手を広げ、にこりと、
「せめて最後は美しく…」
鬼灯の花の上に胴をおき、頭を腹に。
そしてあなたの左手を口に生けた。
鬼灯が赤い。
仕上げに私の右手を。
なんと美しいのか。腹の上で手を繋いでいる。
あなたの左の薬指には銀色の誓い。
そして私も。
目に右手を突き刺した。
呻き声だけが聞こえる。
「人の裏切りはとても美しい…!」
そして、私はナイフを手に取り、首に刺した
題名
「妻の赤く染まった裏切り」