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1階戦(2)

本日は1話のみ、13時の予約投稿です。


 ジャンプして高い位置からソードを振り下ろしてきた白組の兵士に、大盾の間からハルがボウガンを連射した。

 とっさに身を翻したが避けきれず被弾した兵士が、公開音声で怒鳴った。

「くっそ、めんどくさいな、ボーガンがいる」

「大丈夫だ、少しまてば待機に入る」

 敵の中の1人がそう言ったが、明らかに油断した数名はボーガンで被弾している。

 連射がやんだのを見計らいジャンプして高所からソードを振り下ろた兵士たちは、狂ったように盾を叩いてくる。

 真ん中のハルを守るように盾を低く内側に倒してひたすらボーガンの待機終わりか盾ゲージがたまるのを待った。

 PT4も同じように盾が連打されている。

 大盾はダガーとの組み合わせができる。

 いつでもダガーを装着できるが、両手でソードの叩きをこらえるために誰もダガーを出していない。

 ハルもボーガンに集中するためダガーを収めたままだ。


「いつまでそうしてるつもりだ!

 弱くても隠れてないで挑んでこいよ!」

「開き直る度胸もないんだろう。

 かかってこいよ訳あり!」

 敵の煽りが続くがユウキたちは言葉の煽りでは簡単に熱くならない。


(俺たちは言葉の痛みを知っている。

 さんざん受けてきた言葉や視線の暴力にはある程度耐性ができている。

 円陣を組んだ大盾にどう対処していいかわからないから煽りを続けているんだ。

 俺たちはその誘いにはのらない。

 ビビりまくった心を静めながらこの電子データの武器で思い切り攻撃できるタイミングを狙うんだ!)


「おいおいこいつら亀か。首出せよ」

 敵の1人がそう言い終わるとほぼ同時に、ゲージのたまったユウキがカウンターアタックを浴びせ、敵2人がふっとび1人はそのまま消滅した。


(盾つよ!)

 そしてすぐに身を伏せて体に盾をかぶせた。


「お、おい!何やられてるんだよ素人に!冷静になれ!」

 その一言で敵は距離をおいて冷静に間合いを計るようになった。


 そのとき大きな地響きがして立っているのがやっとなほどの振動が伝わった。

 空までもがゆがんだように見えて、進んできた後方を見ると砂漠が四角い区画ごとに端から消えていくのが見えた。

 消えた場所に沿って半透明の壁のようなものが一瞬で出現した。


「1回目の縮小だ!

 消えた場所にいたら消滅カウントを1回とられる。

 距離的には問題ないと思うがみんな気をつけろ!」

 バシュが部隊音声で叫んだ。


(油断してたら地面とともに消滅してしまう。

 次の縮小が来る前にこいつらをなんとかしなきゃ!)

 盾で視界が遮られているユウキはマップで味方のホバーボードの動きを確認した。

「頭上から盾の隙間を狙われるかもしれない。

 ゲージたまったら敵のボードを叩いて!

 動きはマップで確認できるから」

 ユウキはPT音声に切り替えて叫んだ。


 ラバスは飛び逃げながら2つの盾の円陣の間を逃げ回り敵のホバー者を誘導し、盾者がホバーボードごと吹っ飛ばし1人消滅した。

 1度消えた戦士はまたすぐ復活するがあと1回で離脱になってしまうため及び腰になる。


「この野郎!」

 向かってきた敵のソードに今度はユバルがカウンターをあびせ、3人が後ろに転がった。

 すかさずハルがボーガンで攻撃して、転がったうちの2人が消えた。


「ボーガンを叩け!」

 敵の1人が叫んだ。

 ボーガンが再び連射待機に入ると、ホバーに乗ったソード者が頭上から真っ直ぐ盾の真ん中の隙間にソードを差し込みPT4のボーガンがやられた。


(チッ、やっぱり上から狙ってきたか)


 それを見たもう1人のホバー者も、ハルに突っ込みハルが消え、両方のボーガンが消えたところで敵のソードが一斉攻撃をしてきた。


 PT4の盾2人がカウンターを浴びせて敵3名消滅。

 盾者にも回避しきれないダメージが入り始め、ミアンとPT4の盾も1人消滅した。

 盾が減った場所にPT4のボーガンが復活したが、敵のソードに頭を叩かれて離脱になった。

 1回目の消滅の時はキャラクターが小さな四角になって崩れていくように消えていくが、離脱のときは黄色く光って一瞬で消える。

 ボーガンの消滅を見て動きが止まってしまったPT4の盾2人がやられて消滅。


 そこへミアンとともに消えた盾1人が復活し、ユウキとユバルに背中を合わせるように近寄り円陣を組んだ。

 円陣の外へ復活してしまったハルを守るために、ユウキは円陣を抜けてハルの前で盾を砂に刺し、ハルが連射しながら盾の円陣に合流した。


 ミアンも少しずれて復活してしまいそこを攻撃され、盾で攻撃を受けとめたが後ろから叩かれて離脱となった。

「ミアン!」

 ハルが叫んだがミアンの体は黄色く光って一瞬で消えた。


 ユウキとユバルで2人同時にカウンターアタックをあびせ、敵4名がふっとび離脱。

 敵がユウキとユバルを責め始めたところでPT4の盾2人が復活。

 だが復活と同時にホバーのソードに1人がやられ離脱。

 もう1人の盾はあわててユウキたちの円陣に入り背中を守った。


 2PTで生き残っているのは盾が4人、ボーガン1人、ホバーに乗ったソード2人。

 空中で逃げ回っていたPT4のソードが敵に刺されて消滅。

 その刺した敵のソード者をラバスが後ろから刺してその者は離脱となり敵のPTは1つ壊滅。


 再び円陣の盾がカウンターを浴びせ4名吹っ飛び敵3名離脱。

 そこで敵残り2名は退散した。


 ユウキたちは圧勝とはいえないがこの競り合いでは差をつけて勝つことが出来た。

 敵がソードばかりで、こちらには大盾の人数が多かったことが幸いした。


 ラバスが部隊音声に切り替えた。

「敵、8名離脱。退散しました。

 こちらはPT3が1名、PT4が2名離脱となりました。

 ホバー者は2名とも残っています」


「おお! よくやった!

 メルカ、人数のとりまとめ報告を入れてくれ」


「ラジャー。

 人数報告します。

 PT3 1減

 PT4 2減

 赤組残り人数47名

 白組8減 残42名」


「PT3,4は、こっちに合流してもらいたいが、オアシスに入れるようならそこに立ち寄った方がいいだろう。

 ワームが出るかもしれない注意してくれ。

 ワームが出ても避けながらオアシスに逃げ込めば大丈夫だ。

 装備修理や体力、持久力の回復は安全地帯に入ったと同時にすぐに開始される。

 それが終わったら合流してくれ。

 現在ワームが2体出現している場所だ。

 でかいからすぐにわかる。

 敵さんも苦戦している」

 バシュからの指示が出た。


「了解!」

 PT3,4の生き残った者たちはオアシスを目指した。


 ユウキたちがオアシス付近に来ても岩ワームは1匹も出現しなかった。

 オアシスからもはっきり見える位置に2体の岩ワームが巨体を振り回しながら大暴れしていた。

 岩がいくつも連なった体の間から細く長いムチのような足が何本もはえていて、それらがばらばらに動きながら攻撃をしている。

 その足にたたかれ飛ばされる戦士たちは、はらわれた小さい虫のように見えた。

 体の下の部分は砂上にあり、上半身をもちあげた状態でホバーボードを攻撃している。

 頭の部分の高さは、上限5メートルのホバーボードを越えている。


「こちらのワームの生命ゲージはあと25%ほどです。

 敵のワームをワンパンしてきましたが、あちらのゲージも25%くらいでした。

 こちらよりは先に叩きだしていたはずなのに遅いですね。

 あっちはソードばかりだからか?

 やっぱ大盾つよいっすね!」

 ホバーに乗っている者が報告を入れた。


「そうか、ありがとう!

 盾者は回復がついているが生命ゲージが低い者や修理が必要な者はすぐにオアシスで回復してからまた合流してくれ。

 ワームを倒し終わったら白組と対峙することになるだろう」


 バシュの指示で数名がオアシスに向かった。

 そして白組が叩いていたワームの生命力が20%まで来たときだった。

 一瞬動きを止めたワームの体のふちが赤くなったと思ったら自爆した。

 その大爆発で白組の戦士たちほとんどが一瞬で消えた。

 そしてそれに巻き込まれる形で赤組の戦士も20名ほどが消滅した。


「お……おい。みんな溶けちまったぞ!

 ワームを叩くな!手をとめろ!」

 部隊の中の誰かが叫んだ。


 その声を聞いて爆破に飲み込まれなかった者たちの手が止まった。

 爆破に巻き込まれたバシュとチャムが消滅したことで指揮官を失った赤組戦士たちはおろついた。

 赤組側のワームはまだ自爆はしていないが、手を止めた戦士たちを容赦なくたたき潰し、戦士はどんどん消滅していく。

 赤組側のワームにダメージを与えて自爆させ、赤組の被害も大きくさせる目的で、生き残っていた白組の戦士がワームに突進してきた。

 そこに消滅した両組の戦士たちが次々と復活し姿を現した。

 白組の数人が叩いただけですぐにそのワームも自爆し、付近にいた赤組戦士はほとんどが消滅した。

 さらに復活したばかりの白組、赤組の戦士もまきぞいをくらい多くの戦士が離脱になった。

 幸いオアシスに向かった者と、まだオアシス内にいたユウキたちは自爆に巻き込まれずにすんだ。


 離れたところで部隊人数のチェックをしているメルカが叫んだ

「PT1 2減

 PT2 2減

 PT7 壊滅

 PT8 壊滅

 PT9 2減

 PT10壊滅

 ワームの爆破で21名溶けました!」


 合計 24名減

 赤組残り人数26名

 白組は16減の表示が出ているので最初の8名と合せて24名減。

 残り人数26名

 両組の残り人数同数です」


「続いてPTごとの人数残数をお伝えします。

 PT1 残3名

 PT2 残3名

 PT3 残4名

 PT4 残3名

 PT5 残5名

 PT6 残5名

 PT9 残3名」


「結構逝ったな……」

 誰かがつぶやいた。

「壊滅したPTのホバーボードは使えないの?」

 別の誰かが質問した。

「残念ながら使えません。

 今の戦闘で両方の組に8000ポイントが入りました。

 ポイントはすぐに振り分けてください。

 与えたダメージ量がおおい方にポイントが入るみたいね……。

 ワンパンじゃだめってことか」

 チャムがそう言った。


 白組が一斉にオアシスに向かうのが見えた。


「白組がオアシスに向かったな。

 オアシスで回復を終えていた者は今から俺と先に進む。

 2時の方角に岩場が見えるが、おそらくあれが風化した火山岩場だ。

 であればその先に溶岩だまりがある可能性が高い。

 岩ワームの情報はオアシス付近に出るとは聞いていたが、岩場にもでるかもしれない。

 そのための偵察も兼ねて先に立つ。

 部隊距離が離れてしまうから俺の声は届かないがチャムに従ってくれ」


「チャムにおまかせ……じゃない!

 了解しました部隊長!」

 ユウキはそのチャムの言い方が妙になつかしくて笑顔になった。


「んじゃあ回復おわってる者は行くぞ!

 それ以外はオアシスへ急げ!

 そろそろ次の面積縮小が起こるだろう。

 回復を終えたら追いついてくれ」

 バシュの指示で部隊員はふた手に分かれた。


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