番外編 仕事仲間への自慢と怪しい雲行き(シリア視点)
お久しぶりです!遅くなってすみません。短くてすみません。(はじめてではなかった。)
「ふふーん、いーだろー」
俺は今、さっき通って行ったサリーにもらったペンダントを仕事仲間のルークに自慢していた。
「お前、なんだ、それ。」
「ふっふっふ。聞いて驚け。これは…魔速王の友好の証だ!」
そう言って俺は友好の証を掲げた。
「なんだそんなことか…ってえええええ!」
ルークは絶叫した。それもそうだろう。サリーは冒険者ならば知らない人はいないほどの有名人なのだ。しかし、その素性は謎に包まれておりギルドへ来てもすぐにクエストを選んで去っていく。そして、史上最速の速さで最高ランクSへ到達している。意味不明なのだ。
「ふふふ〜ん。」
「どうやって手に入れたんだ?もしかして、盗った?いや、でも、あの魔速王からリスクをおかしてまで盗る必要が…っていやそもそも無理だし。」
「聞きたいか〜ルークくんよ。」
「うざい。ああ、聞きたいから早く教えろ。」
ルーク、口が悪い。俺が悪いんだけど。
「実はさっき、門衛についてたらな魔速王が通ったんだ。お連れを連れてね。」
「連れ?そんなのいたのか?」
ルークは不思議そうに聞いてくる。まあ、魔速王が連れを連れてギルドに入ってきたことはないからな。
「小さいファビスロと女二人、男一人つれてたんだ。ちなみにフードは被ってなかった。」
「護衛か?その誰かの?」
「いや、どうやら全員化け物っぽい。」
「なるほど。それで?」
「いろいろあったが、謝罪のために友好の証を渡したらくれたんだ。」
友好の証には自分のランクと到達日も書いてある。
「あ…それで気づいたのか。それにしても、謝罪ってお前、何したんだ?」
ルークは納得したが、新たな質問が湧き出たらしい。
「実力を侮った。」
「馬鹿じゃん。」
「知らなかったんだから仕方ないじゃん。普通その面子でリアナ半島いくっていったら心配するだろ。」
俺がいじけたその瞬間、ライトは顔を真っ青にした。
「リアナ半島!?今、魔物大量発生で、ライトとレナが殲滅に行って、大怪我して帰ってきたらしいぞ!なんでも、ドラゴンスペアが三匹もいるとかで。魔速王でもいけるか!?」
ライトもレナもSランクの冒険者だ。魔物大量発生…大丈夫だろうか。心配だ。しかもドラゴンスペアはドラゴンどころの強さじゃない。
「わからない。彼女がどれくらい強いのかよく知らいしな。」
「ドラゴンスペア三匹は流石に強くても無茶ではないのか?何時ごろに門を出たんだ!?」
「結構前だ。馬だから多分追いつくのは無理だと思う。」
しかもかなりのスピードだった。全速力でも、リアナ半島に入るまでに追いつくことは不可能だろう。
「なんだと…。魔速王とその仲間にご武運を。」
ルークはそう呟き目を閉じた。
雲が少しづつ立ち込め、雨がぽつりぽつりと窓に当たる。
「サリー達、お気をつけて。」
もう随分遠くにいるであろうサリー達にシリアは祈りを捧げた。
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