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11.いざ、出発!

毎度毎度、遅くなってすみません。ブクマしてくださっている方本当にありがとうございます!


「オルレ、気をつけてね…元気ですごして、たまには会いに来て」 


「はい。お母様。お母様もお元気で。」


 お嬢様は馬の手綱を片手にお辞儀しました。服は軽装で腰に短刀を持ったお嬢様が珍しく凛としており、かっこよさと可愛さを両立させている天才的な絵面です。


「…ガチで馬だったのか…。隣国で商売へ行くお嬢様を送るというのになんか、魔物退治に行く人みたいになってるし…いや、あの半島ガチで通るなら魔物退治か…え?俺、死なないかな…」


 クリスタがぼーとしながらぶつぶつと呟いています。凛々しいお嬢様に惚れたのでしょうか?叶わなさすぎる願いですが。おかわいそうに。


「サリー、ミア、リナン、オルレをよろしくお願いしますね。」


「もちろんです。死んででも守り抜きます。」


「ミアも!」


「ミア…なんという成長…商会長となられるオルレお嬢様に命をその歳で捧げるとは…私も命はお嬢様に」


「…あれ?俺忘れられてるのかな?」


「サリー、ミア、リナン自分を大事にしてね。」


 お嬢様が少し心配そうな顔でこちらを向いて言いました。はぁ…可愛すぎて心臓が止まりそうです。私はお嬢様のかわいさ(せい)で死ぬのではないでしょうか…?


「はい。大事にしますね。きっちりと野菜じゅーすを飲みます!」


 野菜はピーゲルンというパプリタンに似た野菜以外はそれほど苦手でもありません。


「そう。元気にしてね。あ、もうそろそろ出発しないと混み合いそうですね。」


「もう、ですか…改めてだけれど、サリー、リナン、ミア、あと、クリスタ、オルレをよろしくお願いします。」


「みんな、よろしくね。」


「「「「はい!!!」」」」


 エリーゼ様に続けて、お嬢様も声をかけてくださいます。あ、そういえばクリスタもいるのでした。馬の足の筋肉の量が明らかに他の馬と劣ってるけど大丈夫かな。ムキムキっとシュッてくらい違うけど。


「それでは、出発です!」


 ヒヒーン


 先頭は私が行き、その後ろをお嬢様が、そして、お嬢様の後ろをミアを抱えたリナンが。最後尾はクリスタです。


 屋敷を出て、ラール街道を真っ直ぐ突っ走っていきます。一応、魔法でカバーしていますし、早朝で人もほとんどいないので安全です。


「通行証を」


 すぐに街を出る通行所に着きます。眠いのか、眉間に皺を寄せた門衛が対応してくれました。全員で馬を降ります。


「この武器は」


 お嬢様の短刀、リナンの長剣を見て、門衛が目を細めます。最近、物騒なことが起きてるので警戒してでしょう。


「リナン半島に行くのです。」


 こういうのは、正直に言うに限りますね。疑われたくないので。


「は?」


 細い目がめいっいっぱいに見開かれ口が空いています。


「リアナ半島に行くのですよ。」


「嬢ちゃん達が…女ばっかじゃないですか。」「俺は男です。」


 クリスタが食い気味に否定をしています。まあ、クリスタは影ということもあり必要な筋肉はついていますがムキムキというわけでもないです。それに顔も比較的中性的な顔なので、女装もそれなりに似合います。


「知ってます。でも、おにいさんも細っこいですから。」


「腕は立つ。それに、こいつらは全員化け物です。見かけに騙されるな!門衛!聞いてください。このサリー殿は剣で魔物の群れを一撃。このちっちゃい嬢ちゃんは拳で地面を破壊。このリナン嬢は長剣を扱うのがすごくてドラゴンの鱗さえも切るのです。」


「頭おかしいのですか?」


 門衛はすごく心配そうな顔でクリスタを見つめました。と、そのとき


 バゴバゴバゴ!


 後方で凄まじい音が鳴り響きます。


「リナンお姉ちゃん、地面破壊しちゃった。ごめんなさい!ごめんなさい!うぇ、」


 驚いて振り向くと、ミアが泣きそうな顔でリナンを見ています。どういう経緯かわかりませんが、今に関しては…それなりに都合がいいかもしれません。


「え?あ、は?まって、え?」


 やっぱりです。門衛が、目が飛び出すのでは?と心配するぐらい目を見開いています。…まあ、仕方ないですよね。あの子の体のどこにこんな怪力が…という感じはありますが。気持ちはわかるので少しだけ待ちましょう。なにはともあれ、リアナ半島にいくということは信じてくれるでしょうね。



「馬鹿にしてすまない。そのお詫びと言ってはなんだが、俺はシリアという。商業ギルド、冒険者ギルド、ともにAランクだ。どちらでも俺の名前を出して、」


 そういって彼、シリアはポケットを漁ってなにかを取り出しみんなに配ります。


「これを見せれば少しぐらいの融通は効くだろう。まあ、君たちはすごいから、使えるのは最初ぐらいかもしれないが。」


「ありがとうございます!」


 友好の証です。表には複雑なデザイン、裏にはその人のランクが書かれています。正直、とてもありがたいですね。素直にお礼をいい首にかけました。

 お嬢様、リナンは冒険者ランクはA、私はS、ミアは未登録ですが、商業ランクは時、そして信用などで上がることが多いのでお嬢様もBよりのCです。功績はあるのはいえ。


「いや、全然。俺も君たちがSランクになったら名前使わせてもらおうかな。」


 はははっと笑っているが私、一応Sです。


「それなら、お返しにどうぞ。」


 私も友好の証を取り出してシリアの手のひらにのせます。こんなものでお礼になるかはわからないですけど…


「え…えええええ!もしかして…」  


 シリアは大きく叫んだかと思うと私の全身を眺め出した。


「どうかされました?」


「魔速王!」


「誰だそれは」 


 ほんとうに誰でしょう?


「ギルドで史上最速でSに上がったと噂のある人物です。たまにふらっときてはその時一番やばいクエストを取っていって…顔はフードで隠されていますが一度見たことあります。サリー殿ぐらいの身長で…」


「それ、私ですね…」


 てか、誰だよ。そんなネーミングつけたのは。


「えええ!…てか、俺そんな人に喧嘩を売ってただなんて…それにしてもほんとうにもらってもいいんですか!?」


「別にいい。」


「自慢しまくります!ありがとうございます!」


 そんなもので喜んでくれるなんて…人の欲しいものはよくわからない。


「あ、もうそろそろいってもいいですか?」


「はっ、すみません。どうぞ。」


 シリアは大事そうに友好の証を首にかけると頷きます。


「じゃあね。」


 シリアに手を振って私たちは海沿いを馬で走ります。


…それにしても、どうしてミアは地面を破壊したのだろうか?


 いまさら気になるサリーであった。

ミアはどうして地面を破壊したのでしょうかね…w

まあ、ちゃんとリナンが地面を直しましたから。ご安心を!

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