10.クリスタとの共同作業
毎度毎度遅くなってすみません!しかも短い…。でも!キリが良かったのがここだったので!(言い訳)
「ここでいいですか?」
「ええ。ありがとう!」
荷物置き場へと荷物を置き、クリスタを少しの時間荷物持ちとして利用した自覚のある私はクリスタへお礼をいいました。すると、クリスタが話しかけてきます。
「今から少しお話ししてもいいですか?明後日に関することで。」
「?いいですけど…」
私が許可を出すとクリスタが話し始めます。
「その…明後日、お嬢は馬車で移動しますよね?」
「いえ、馬ですが。」
「馬ですか!?…そういえばサリー殿と練習してましたね。」
クリスタは驚いたようでしたが、私が練習していたとこを見ていたのかすぐに納得の声を上げました。まあ、でもお嬢様にしては珍しい特技ですものね。
「ええ。特訓の成果でお嬢様は6時間私に合わせても馬で走れますわ。ふふふ。」
「それ、俺が無理です。」
クリスタが真顔になりました。馬も弛みないトレーニングで6時間余裕なのに。
「それにしても要件はこれだけ?」
「ああ。あと明後日のいつ出発っていうことだですけど。」
「朝方です」
「朝っ!?」
何か不思議なのでしょうか?
「夜は酔っ払いがいますし、昼は混こみ合いますから、」
「どこがこむの?…って、ええええええ!」
クリスタは合点がいったように叫びました。大絶叫です。結構うるさい。もう夜なのに。
「はぁ…そうですよ。お嬢様の商売するところは隣国ですよ。」
そういえばいい忘れてましたね。エリーゼ様にも連絡をもらってないんでしょうか?
「まじですか。」
「まじです。」
「え?じゃあ、船じゃなくて?」
「リアナ半島通るので、」
「は?どうしてですか?」
クリスタがフリーズしました。リアナ半島は魔物の巣窟とも呼ばれますが、まあ正直大したことありません。そこを通ると通行料が少なく済むので商売するなら通った方が得です。強い冒険者と誼を結べる可能性もありますし。
「いや、商売しながらいくので。人との誼を結ぶのも一貫として行います。」
「船の上でならダメなんですか?しかもお嬢様とミアもいるんですよね?」
クリスタが必死な表情で言葉を重ねますが今更変わりません。それに、船の予約は今から取れません。
「リナンが船酔いするから無理。船も予約してないし。あと、お嬢様は毒効かないし第一お嬢様がこのリアナ半島をを通りたいと言ったんですよ?ミアもあなたより強いです。拳ひとつで地面を20メートルほど破壊できます。」
そうなのです。これはいろいろ確かめた末に得た結果なのです。それにしてもミアは馬鹿力ですよね。
「ミア!?あの体のどこにそんな力を!リナン!お嬢!俺は船がいい…、そういってくれ。「無理だと思います。」ああ、それにしても護衛の俺は一番弱いのか…俺のプライドが…」
何事か呟いたクリスタは灰のようになって倒れた。
「え?クリスタ!どうしました?…うーん、眠かったのでしょうか?子供ですね。」
仕方ないのでタオルをかけておき、隣で少し細かい整理をしていきます。
♢♢♢
「俺、家族に挨拶行ってくる。」
しばらくして目覚めたクリスタは部屋の窓を開けると、友達の鳥を呼び寄せてこの部屋を去っていきました。
「意外と親孝行ですね…いや、そもそも夜ですけど。」
一人になった部屋でサリーは謎に感心を帯びた声を上げた。
「あっ、もうそろそろ寝よう。」
私は自分の部屋へと戻ります。お風呂に入って出たところで大事なことを思い出しました。
「…そういえば、クリスタに、この前貰ったお菓子をあげるの忘れてた。」
これを後にたまたま知ったクリスタがとてつもなく悔しがることは誰も知らない。
…クリスタは甘党なのだ。
読んでくださりありがとうございます。いよいよ旅立ちのときが近づいてきました!
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