9 .こいつも来るんですか!?
投稿遅くなりすみません。
「エリーゼ様、参りました。して、要件は何でしょうか?」
目の前にクリスタ出現!
「クリスタ、ご苦労。ああ、オルレの独立の件で…リナンもついてきてくれるようなので彼女、ミア、そしてサリー、クリスタにまとめて話をしようと思って。」
「なるほど。して、ミアというのはそこにいるファビスロのことですか?」
「そうだ。立ち話もなんだし私の隣にでも座れ。」
「そんなことした暁にはスティーブ様に射殺さんんばかりの目で見てこられそうですので遠慮しておきます。」
クリスタは己の体をぎゅっと掴みプルプルと震えます。おそらく、この前の騒動を思い出しているのでしょう…そう、エリーゼ様の近くに座った商人の悲劇。まあ、あれは奇跡的に何故か犯罪者だったようなので感謝されましたが。
愛妻家ってこわいです…
ってそうではなくて!
「発言をお許しください。」
「どうぞ。」
「クリスタも来るのですか!?」
「そうですけど…はなしてませんでしたっけ?」
「はい。」
聞いてねぇよ…げふん、聞いてないですね。
「知らなかったんですか!?」
クリスタも驚いた顔でこっちを見ている。
それもそうです。出発日は明後日なので。でも、今はこっちの方が驚きなんだが。
「全くもって、聞いてませんね。それにしても影をつけてもいいんですか?」
「別に構いませんよ。クリスタ以外にもいますし…優秀な影がいると親としても安心ですから。」
クリスタって優秀だったんだ…!初めて知った新事実です。
「では、クリスタ、明後日までに用意をお願いします。」
「分かりました!」
クリスタのその一言でひとまず解散ということになりました。
「あっ、サリーだけ残ってくれる?」
戻ろうとした途端にエリーゼ様に呼び止められます。ミアはリナンに任せ、お嬢様はクリスタに任せます。なんとなーく、心細い気持ちになりつつも口を開きます。
「なんでしょうか?」
二人きりになった部屋に私の声が響きました。
「いえ、どうしてもお礼が伝えたかったの。」
エリーゼ様は美しい笑顔で微笑みました。完全にお母さんの顔をしています。お嬢様、愛されてますね。
「お礼とは?」
「ふふ。オルレの独立についてきてくれることよ。あの子も家族の他に信頼できる人が側にいたらきっと立ち直れると思うの。まあ、もう立ち直ってるかもしれないけどね…」
「それは…」
「サリーも気付いてるでしょう?」
驚きました。でも考えてみれば普通ですね。親ですから。では、自分がしたことは…怒られるのでしょうか?
「困らせるつもりはなかったんだけど…むしろ感謝してるわ。やっぱり、今までの関係上、こちらから踏み込むことが難しかったから。オルレはリエジーに好意を持っていたから切り出すのも難しかっただろうしね。けど。ここはわたしが踏み込まなければいけないところでした。親として…ごめんなさい。相手の恨みをかったら貴方はわたしより困るのに…」
「いえ、全然!お嬢様のためならたとえ火の中水の中、地獄の底です!」
私は慌てて返事をしました。全て私の独断です。エリーゼ様に非はありません。私のその言葉を聞いたエリーゼ様は目を丸くして再び笑いました。
「ふふふっ、ありがとう。これからもオルレのことをよろしくね。信頼してるわ!何かあったら頼るようにね…オルレにもこれはいってるけど、あの子は多分頼ってくれないから…」
そうですね…。私は頼っていいのであれば、是非とも頼らせていただきます!
「また、頼らせてもらいますね。」
「楽しみにしているわ。」
にっこり笑ったエリーゼ様に退出の許可を得て、部屋へと戻り急いで明後日のための準備に入ります。特に急ぐほどでもないですが、やはり早めからですから。
「これは、ここに。これは、ここへ。」
自分の荷物は大してないので、ほんとうにすぐに終わりました。問題はお嬢様の荷物です。
「これ、どうしましょう…んーと」
重い荷物は時間かかるので何か効率の良い方法はないかなぁ〜。
「サリー殿。伝えておきたいことが…」
「クリスタ!」
ちょうどいいところにくるじゃない!
「げっ、サリー殿。いつになく笑顔ですが、どうかされましたか?」
クリスタが顔を引き攣らせつつ私を迎えた。げっ、て失礼な!
「この荷物を運びたいのです。手伝ってください!」
「はぁ…俺、一言伝えて帰るつもりだったんですけど…って聞いてねぇな。」
クリスタが返事をしたときには、サリーはもうクリスタに持ってもらう荷物を探していた。
遅くなったにも関わらずブックマークしてくださってた方ありがとうございました。短めですみません…。あと、1話も手直し(序章の次)したので、暇があれば見ておいてくださると嬉しいです。ブクマと評価は作者の小躍りへとつながります。よろしくお願いします。