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記憶をめぐる、彼と少女の物語  作者: 葛生雪人
十七、アマルティア
45/49

3.

『アマルティア!』

 少女の中で、少女を呼ぶ声がした。

「アマルティア……」

 なぞるように、少女は自らの唇を震わせて、その名を呼んだ。

 誰かが名前を呼んでいた。

 ちがう。

 耳に届くのは、違う名前だ。

「……カ! …………ビルカ!!」

 心地よい響きに、少女はゆっくり目を開けた。空の主役が太陽から月や星に変わり始めた薄暗がりで、のぞき込むフィンチ眼鏡に自分の顔が映った。

「アマルティア?」

 自分の声で発した言葉に違和感があった。

 少女は考える。

「ビルカ?」

 眼鏡の奥の男の目が見えた。それでわかった。

「ヴァール……ヴァール」

 それでわかった。

 自分が誰かも。彼に言いたいことが山ほどあることも。

「ヴァール、やっぱりあったぞ。ワタシの中にキラキラあったぞ」

 弱々しい声色ではあったが、少女は顔いっぱいに喜びを表した。



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