前へ目次 次へ 43/49 1. 『花より蕾の方が好き』 『あの店のパンは私には少しかたい』 『今日は街の喧騒がいつもと違うみたいだ』 『見て! 雲がふわふわクリームみたいで美味しそう』 『突然ね、故郷の路地の風景が浮かんだんだ』 『明日こそ、君に言おう』 『風が冷たい』 『いい匂いがする』 『夕焼けがまぶしい』 『その声が心地いい』 それは、誰がそう感じたの? 全部、全部。 私? それとも飲み込んだ誰かの記憶? たくさんたくさん飲み込んで、そのうち私が飲み込まれた。 ねえ、教えて。 私は…………。