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記憶をめぐる、彼と少女の物語  作者: 葛生雪人
十四、追憶の石
39/49

3.

 カナズにビルカの姿はなかった。

 カムラや村人たちから、ビルカはカラカルとともんにワアダまで下ったのだと聞いて、少し冷静になった。このまま追いかける必要があるのだろうか、と。

 自分が行ったところで、武器も使えぬ男に何ができるだろうと自問自答した。それでも言い知れぬ不安を感じながら過ごすくらいなら、とワアダに向かう道を選択した。

 ヴァールは自分の家に寄り、使えそうなものを引っ張り出しては、穴の開きそうな古いずだ袋に詰め込んだ。そして一本の煙草をくわえる余裕もなく、ワアダへの道を駆けた。

 二つの集落のちょうど中間地点の辺りに近づいた頃だった。

 前方に、必死な形相でヴァールとは逆の道を辿る者の姿が見えた。その人影はヴァールを見つけるなり足を速め、大声を張り上げた。

「早く!! 石読みの娘が大変なんだ!」

 ワアダからの使者だという男はそう言った。

 ここまでどれだけの速度で下りてきただろう。まだ行けるだろうか。

 ヴァールは日頃の無精を祟りながら、全速力でで山道を駆けた。



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