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記憶をめぐる、彼と少女の物語  作者: 葛生雪人
十一、クジラと若者
32/49

5.

 その日のことは、ヴァールの頭にこびりついて離れなくなった。

「ハイムヴェー中尉!」

 その声で呼ばれる時は、いつだって笑顔の彼らに囲まれていたはずなのに、

「ハイムヴェー……中尉…………」

 その顔が崩れて、真っ赤な記憶へと変わる。真っ赤な地獄絵図の中で、ヴァールは彼らにとどめを刺した。

 そんな記憶の後に、おまけのように見える景色。

 現実なのか。それともそう願うがゆえに見た幻だったのか。

 最後の一人を撃つ間際、彼がいつもの彼になり、声にならぬ声で言ったのだ。

「ありがとう」と。

 それからヴァールは飛べなくなった。

 飛ぶことはおろか、銃を握ることもその引き金を引くこともできなくなった。



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