表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第5話


さて、陽が落ち始めるまでもう少し時間があるから、早めに買い物を終わらせてご飯の準備を始めようか。


2000エリュもあればお肉も少し買えるはず。


お母さんにも栄養付けさせるためにちょっとでも食べてもらいたいし。


えっと、ひき肉?にしたら食べやすいかも。

この世界では塊のお肉でしか売っていないからね。


前の世界みたいに薄くしたかったりひき肉にしたかったら自分で頑張らないといけない。


だから大抵の人は一口大の大きさで切ってスープに入れたり焼いたりしてる。



ひき肉なんてこの世界では存在しないのかな?

買えなくてもお店の近くを通ったり、眺めたりした時に塊肉しか置いていなかったもん。



もしかして、美味しいひき肉料理ができるようになって、そのレシピを特許登録出来たら、不労所得?とかいうやつが出来るんじゃなかろうか。


そしたら定期的に収入が得られて、ご飯やお薬に困らなくなる?



えっ、まって、もし本当にそれが出来たらかなり助かる!

フィオナがご飯に遠慮したり、お母さんがお薬に躊躇しなくなるよね?!



うわぁ、やる気が出てきた!

フィオナといろいろやってみよう!



†・・・†



「今日はトメが安いよー!一盛り5個で100エリュだよー!」


「新鮮な肉が入ったよー!今日はオーク肉が500グラムで780エリュだよー!」



ザワザワとする市場をフィオナと2人で歩く。

いつもは私一人で買い物に来ているから、フィオナは物珍しさでキョロキョロしながら見ているのが少々危なっかしい。



「お姉ちゃん市場すごく人がたくさんだね!それに安いよー!って言っているお店がいっぱいあるよ!」


「そうだね、人が沢山だから、迷子にならないように手を離さないでね?

あと、安くても今日いるものだけを買わないとお金が足らなくなっちゃうからね。買いたくなっても我慢だよ」


「あっ、そうだよね。お姉ちゃんが頑張ってくれたお金だもん、大切に使わなくちゃね。

それで、今日は何を買うの?」


「お野菜は明日分まで残っていたから、今日は買わない。買うのは・・・明日分までのパンかな?あとは、お肉や卵を見て、買えそうだったら少し買っていくよ。」


「お肉や卵を食べられるの?!」


「お姉ちゃん頑張ったからね、これからはちょっとずつでもお肉や卵を食べていけるようにするよ。皆んなで栄養を付けて元気になれるようにね」


「わたしも、あと2ヶ月したら登録できるから、登録できたらお姉ちゃんと一緒にいっぱい頑張る!毎日お肉や卵を食べられるように!」


「一緒に頑張ろうね、フィオナ」


「うん!!」


「それじゃ、先にパンを買いに行こうか。先にお肉を買ってしまったら傷んじゃうからね」


「はーい!」




†・・・†


カラン カラン


ドアを開けるとドアについていた鈴がなる。

前世のコンビニみたいにピンポーンってならないからね。たいていのお店はドアに鈴をつけてお客さんが来たことがわかるようにしているみたい。



「お姉ちゃん、明日のお昼分まで買うの?」


「う~ん、いつもだったら1個だけ買うんだけど・・・。どうしよう、やっぱり今日は2個買っておこうか・・・」



この世界のパンは小説でありがちな結構硬いパンなんだけど、大きさがすごい。

たとえるなら、そう、5.5合炊き炊飯ジャーのお釜くらいの大きさといったら伝わるかな?

そして1個90エリュ。

それを毎日1個かって、3食分にしていた。

大きさがこんなに大きいから8等分にして一人1食一切れ。

お母さんがほとんど食べられないから3食2切れでもちょっと多い感じ?


一応、パンも1日2日くらいだったら家に置いておいても腐らないし、毎日買い物に行かなくてもいいようにすればその分仕事ができるしね。


明日は別の仕事に集中するために1個多めに買っておこうかな。

あれ、そうするとお野菜も足らなくなっちゃう?



「いらっしゃい、・・・なんだい、あんたか。いつもと同じパン1個か?」


「こんにちは、今日はパンを2個ください」


「そうかい、なんだっちゃいいが、買ったらさっさと帰っとくれ」


「・・・・・、はい、パン2個分で180エリュです」


「確かにきっちり180エリュだな、ほら、さっさと帰んな」


「・・・・ありがとうございます」



カラン カラン



まったく、毎度毎度不愉快ったらないよ。

たかだか全属性ってだけで人を見下してさ。


まぁ、他の店に比べればましな方なんだけど。


一番ひどいところは私が入って声をかけただけで水をぶっかけられたからね。

全属性の人間が入っただけで店の評判が落ちるかっていうのよ。

評判が落ちるとしたら店の人間の性格の悪さのせいなんじゃない?


あれから2度と行ってないけど。

そしてあのお店は客足が減ったらしい。

私が来たせいだってわめいていたらしいけど、店に入って店員に声をかけただけの幼い女の子に水をぶっかける所業に客がドン引いたからだよ。

さすがに、全属性だからったあそこまでやるのは過剰だと訴えたまともなお客さんがいたらしいよ。


ふんだ!いまに全属性のすごさを分からせてやるんだから!!



「ステラお姉ちゃん・・・」


「大丈夫よフィオナ。ここのおじさんはまだマシな方だから。ちゃんと商品も売ってくれるし」


「・・・うん」



世間がこんな感じだから、フィオナを買い物に連れてきていなかったけど、やっぱりショックを受けてるね。

まだ比較的マシなおじさんでこれだけしょんぼりするんだもん。

あの時のお店にフィオナが行ったりなんかしたら心が死んじゃう。


これからはいろいろ連れまわして慣れさせていかないと、ギルドに行くことすらできなくなるかも。

あのお姉さん以外は風当たりが強いからね。

全属性だからってあんたたちに迷惑かけたことなんかないじゃないか。



「さ、お肉屋さんとかに行く前に、お野菜を買い足さないといけないって気づいたから野菜屋さんに行くよ。大丈夫だからね」


「・・・わかった」



フィオナの頭をよしよしと撫でて歩き始める。

この子を守れるのは私だけだからね、しっかりしないと。




「すみません、キャベ1個とパプリー3個とキュロを2本ください」


「はいよ、なんだあんたかい。キャベ1個とパプリー3個とキュロ2本で、95エリュだよ」


「はい、中銅貨9枚と小銅貨5枚です」


「あぁ、ちょうどだね」


「ありがとうございます」



ここのおばさんはあからさまに見下してこないから買い物がしやすい。

ま、長居するなオーラは若干出ているけど。


野菜屋から離れて次は肉屋だ。



「お姉ちゃん、お肉どのくらい買うの?」


「そうだね、値段次第だけど、予算は500エリュかな?

 いつもはあまり買わないようにしていたからね、お肉の保存もちょっと試してみたいことがあるからいつもよりも多く買うよ。多分成功すると思うんだよね」


「お肉の保存?」


「これが成功すればお肉だけじゃなくて玉子や牛乳の保存もできるはず。

 だから少しずつ常備できるようになるよ」


「すごい、すぐに使い切っちゃわないといけないものばっかりだよ!そんなすごいこと思いつくなんてお姉ちゃん天才!」



可愛いフィオナが尊敬のまなざしで見つめてくるなんて、あぁ、荷物がなければ抱き着いたのに!




「新鮮なオーク肉がはいったよー!奥さん今日はオーク肉どうだい!」


「えっ、あー、今日は大丈夫だよ、ありがとねー」



大きな声で呼び込みをしている肉屋のおじさん、いかつい顔しているから声かけた奥さんが若干引いてるんですけど。



「こんにちは、お肉のお値段教えてくれませんか?」


「ん?じょーちゃん見かけん顔だな。うちは初めてか?」


「ちょっと前におばさんが店番しているときに来たことがあります。でもあまり買えないから一番安いお肉を少しだけ買わせてもらったの」


「あぁ、かみさんが出ているときか。なら俺は見たことないな。それで、どのくらいほしいんだ?」


「えっと、お肉の値段を知らないからどれにしようかと思って」


「なるほど、まずうちは100グラム単位で売っているのは知っているか?」


「はい」


「安い順に、鶏肉が85エリュ、豚肉が90エリュ、牛肉が95エリュ、オーク肉が通常160エリュだが今日は若干安くなって156エリュ、あとは一角ラビィーが110エリュだ」


「んー・・・、今日は鶏肉を500グラム分ください」


「鶏肉500グラムだな、425エリュだ」


「えっと、大銅貨4枚、中銅貨2枚、小銅貨5枚です」


「ちょうどだな、肉包むからちょっと待ってな」


「はい」



お金を受け取るといかついおじさんは肉包み始める。

うん、普通に対応されたな。このおじさん見たことないし、私の事も知らないみたいだし。

何も知らなかったらみんなこんな対応をしてくれるのかな?



「待たせたな、鶏肉500グラムだ」


「ありがとうございます」


「姉妹でお使いか?えらいな、頑張れよ」


「ふぇ?あ、頑張ります」


「が、がんばります」



ぺこりと会釈して肉屋さんを離れる。



「お姉ちゃん、びっくりしたね」


「うん、私もびっくりした。知らなかったら普通に接客してもらえるんだねぇ」


「・・・みんな知らなかったらいいのに」


「フィオナ・・・。しょうがないよ、教会では調べに行った人みんな同じ部屋で調べるんだもん。個人情報なんて考慮してくれないんだから」


「こじんじょうほう?」


「家族の事とか、魔法適性の事とか、そういう一人一人の個人的なことだよ」



お貴族様は自分とこの邸で神官を呼んで調べるらしいからその一族だけにしか分からないけど、庶民は1か所に集めて全員のいる大広間で一人ずつ調べていくんだよね。


全員終わるまでその大広間から出られないから全員が他の人の事を知ることが出来る。


個人情報保護法を作ってほしい。



「さ、落ち込んでいてもどうしようもできないからね。玉子を見に行くよ」



まだしょんぼりしているフィオナの手を引いて玉子を売っているお店に向かった。



買い物が終わらなかった・・・。


ブックマーク、評価ありがとうございますm(_ _)m


R3.06.11


R3.09.26 誤字訂正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ