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第4話


さぁ、やってまいりました草原に。

門番のお兄さんはずいぶん久しぶりなのに顔を覚えていてくれたよ。うれしいね。




「このままでもミディ草は見つけやすいけど、どうせなら魔法でもの探しとかやってみたいよね。

 探知?探査?とかそんな感じで。魔物だったら索敵かな?」



ひとまず、草原にあるミディ草を探してみよう。



「え~っと、探査魔法!!っっっうにゃあ゛?!」



やばいやばいやばい!中止中止!!



「あ゛ぁ~、頭痛いぃ~・・・。情報過多だよぉ~・・・」




探査魔法を使ってみた結果、膨大な情報が頭の中に一気になだれ込んできて頭パーンしそうになった。

しかも魔力を結構使ってるし。なんでだ?


あぁ~・・・範囲指定してないよ・・・。

ここから5キロ先の森あたりまで調べてるよ、そりゃ魔力もごっそり使うし情報過多になるわ。



とりあえず、めちゃくちゃ大量に見つけることが出来たけど・・・。

今の私の魔力量でそんなことしてたらすぐにぶっ倒れちゃう。



「ひとまず採取しよう・・・。次回は範囲指定して探査魔法をかけて練習していこう」



魔力も減って、頭もズッキンズッキンするけど、1時間で取れるだけ取っておかないと。


ミディ草は1束葉っぱ10枚で大銅貨3枚、つまりは300エリュにしかならないからね。

目標10束3000エリュ!!




ミディ草は1株に大体葉っぱを10枚くらいつけているんだけど、1株の葉っぱ全部を切り取るわけにはいかないから3枚しかとっちゃダメなんだよね。

切り取るのも、近い位置でとらずにずらしながら切り取らなくちゃいけない。

じゃないと一部分だけはげた状態になるもんね。

ただ禿げるだけなら別にいいじゃんって思うけど、ミディ草は繊細でそんなことしちゃったら枯れてしまうんだって。専門家?もなんでなのか分からないらしい。





†・・・†


「ふぅ~、そろそろ1時間くらいかなぁ。

 群生してくれたらもうちょっと早く終わるんだけどねぇ~、1ヶ所に一株、多くても2株だから数をそろえるのが大変・・・。合計が・・・10・・20・・30・・40・・50・・60・・70・・80・・88枚。あー・・10束分いかなかったぁ」




しゃーない、あと2枚分とって戻るか。



「あと1株は~・・・、あっちか」



探査魔法を使ってもこれだけ時間がかかる。いや、探査魔法が使えたからこれだけの時間ですんだ?

探すのに時間もかかるし、1時間で9束分見つけられただけでもすごいか。

合計2700エリュ。

うん、だいぶ短期間で取れている方だね。これだけあれば700エリュ分を貯蓄して残りで明日の朝ごはん分までの食材を買えばいい。

そしてそのお金で余りが出ればそれも貯金に回したらいいよね。


塵も積もれば山となる。

ちょっとずつでも貯金できればこの何とも言えない焦燥感もマシになってくる・・といいな。



「よし、これで90枚。

 は~、そっか。そういえば今まではこれの半分も集められたらいいとこだったんだよね。

 すごい、大進歩だよ!最初はこれだけかぁって思ったけど、前まではもっと取れなかったんだもん。

 頑張ればもっともっと稼げるはず!フィオナが仮登録できれば人手が2倍だもん、大丈夫、なんとかなる!」




†・・・†



「門番のお兄さん、ただいまぁ~」


「おぉ~、おかえり。今日はもうお終いか?」


「うん、妹もあそこでお留守番させてるしね。それに今日は頑張ったからいつもよりもいっぱいとれたんだ~」



近くの大きな木にいる妹を見ると門番のお兄さんはうんうん頷きながら手続きをしてくれる。



「そういやまだ仮登録前だって言っていたな。大変だろうが頑張るんだぞ、お姉ちゃん」


「ありがと、妹のためにももっともっと頑張って力をつけてお腹一杯ご飯を食べさせてやるんだ!いまの服だけじゃなくて新しい服も買ってあげたいしね!」


「頑張るのもいいが、身体を壊さない程度にするんだぞ?母ちゃんと姉ちゃんが二人ともぶっ倒れていたら妹も倒れちまうからな」


「わかってる、ちゃんと休みの日を作って倒れないように頑張るね。気にしてくれてありがとう」



この門番のお兄さんは私が仮登録をして初めて採取依頼をやり始めた時からずっと気にかけてくれている。

仮登録になって初めての採取をする時はたいてい保護者が一度は付き添っているんだけど、うちは初っ端から一人だったんだよね。

外に出る手続きの時に他に付き添いはいないのか尋ねられて、家の事情を話したらずっと気にかけてくれている。


本当、ありがたいよね。


「よし、手続きは完了だ。入っていいぞ」


「は~い、ありがとうございます」



書類の記入が終わり、町の中に入ってフィオナを迎えに行く。



「フィオナ~、ただいま~!」


「お姉ちゃん!おかえりなさい!!」



私の姿を見つけると、満面の笑みで走り寄って抱き着いてくる。

そんなフィオナをぎゅ~っと抱きしめ返した。



「おりこうさんにできたかな?」


「できたよ!文字もいっぱい書いたし、何回も読んで、あんまりつっかえずに言えるようにもなったの!」


「おぉ~、すごいよフィオナ!」



えへへ~っと照れているのがもう可愛いんだからっ。

まだ6歳なのにほんと優秀!私の妹世界一!





†・・・†



冒険者ギルドに戻り、受注受付とは別の受付へ並ぶ。

受付が全部で6ヶ所あるんだけど、3ヶ所が受注するときの受付。後の3ヶ所が依頼終了時の受付。


分けていた方が作業効率がいいもんね。

ギルド員にもわかりやすいし。



「お姉さん、依頼達成したので確認をお願いします」



依頼書類と採取物を提出しながら声をかける。



「あら、おかえりなさいステラちゃん。今日はミディ草の採取に行ったのね。では、採取したものの鑑定を行います」



そういうと受付のお姉さんは水晶玉のような鑑定の魔道具に1束ずつ近づける。

鑑定の魔道具はかなり高価なものだけど、持ち込まれたものの品質や素材があっているかを確認しなくてはいけないから各ギルドに必ずあるものだ。



鑑定かぁ、これ自分でもできたら便利じゃない?



「・・・はい、ミディ草が90枚で9束分。鮮度もいいし、とても良い品質です。

 1束10枚で300エリュ、それが9束だから2700エリュなので、銀貨2枚と大銅貨7枚になります」


「よかった、久しぶりだからどれか品質の悪いものが混ざっていないか心配だったんです。

 それで、大銅貨7枚分は口座に貯金でお願いします!」


「そういえば、結構久しぶりだったわね。

 では、大銅貨7枚分を口座に貯金ですね。ギルドカードに今回の依頼達成記録と入金をするので少々お待ちください」


「はい、お願いします!」



あ~、良かった。どっかでマイナス点が入っちゃったら金額が下がってしまうんだよね。

きっちり全額買い取ってもらえてよかったぁ~。

評価もいいみたいだし。



「お待たせいたしました、今回の依頼達成評価がAになります。

 そして達成報酬金が銀貨2枚と大銅貨7枚、うち大銅貨7枚を口座に入金しています。

 ご確認をお願いいたします」


「はい、間違いないです。ありがとうございます!」


「ステラちゃん、大変だろうけど無理しすぎないようにね。身体を壊さない程度に頑張るのよ?」


「ふふっ、こんなに心配してくれるのお姉さんと門番のお兄さんくらいだよ。

 うん、無理しないくらいで頑張ります!」


「門番?あぁ、兄の事ね。何かあれば兄に言ってくれていいから。対処できることなら力になれるから一人で抱え込まないようにね?」


「お兄さんとお姉さん兄弟だったの?!全然気がつかなかった・・・。ありがとうございます。

 本当に一人でどうにもできないときは相談させていただきます」


「えぇ、そうしてね。それじゃあ、次も頑張ってね」


「はい!」




うわぁ~、唯一やさしくしてくれる人たちが兄弟だったとは。

二人とも面倒見がいい雰囲気が似ているけど、兄弟って気がつかなかったよ。




「お姉ちゃん、どうだった?」


「評価Aで2700エリュ、ばっちしだよ!」


「すごい!」


「これからは、今後何かあった時の為にちょっとずつでも貯金をしていくからね。

 いっぱい貯まったら新しい服も買えるようになるし、もうちょっと辛抱してね」


「大丈夫だよ?!

 ステラお姉ちゃんがすごく頑張ってくれているの分かってるもん!

 この服だってまだ着られるし、贅沢しなくていいからね?!」


「贅沢じゃないよ、フィオナ。これは必要経費です。

 それに、最近背も伸びてきたから少し丈が短くなってきたでしょ?必要なことにしか使わないから、な~んにも遠慮しなくていいんだからね」


「う~・・・、わかった」



ちょっと納得がいっていないような顔をしているけど、本当に必要なことだしね。

フィオナの為にも明日も採取依頼をやろう!




ブックマークありがとうございますm(_ _ )m


R3.05.27


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