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第2話


ゆさゆさ


・・・ちゃん、


ゆさゆさ


・・えちゃん、


ぱしんぱしん


「ねぇ、お姉ちゃん、起きて」



「・・・、ん・・、起きるから・・、ちょっと待って・・・・」



なんか物凄くぐっすり寝た気がする。


ぼーっとした頭でなんとか身体を起こしてさっきから私を起こしていた妹を見る。



「おはよー、フィオナ・・・」


「おはよう、ステラお姉ちゃん。ねぇ、家がすごいことになってるよ、お姉ちゃん何かしたの?」



キョロキョロと部屋を見渡している妹はあまりの綺麗さに興奮しているようだ。



「(まぁ、こんだけ綺麗になっていればびっくりするよね)、そうだよ~、お姉ちゃんすっごく頑張ったの、魔法で!」


「えぇっ、魔法でこんなことできるの?!」


「そうなの、できるのよ。全属性である私たちなら頑張ったらこれだけじゃなくて他にもいっぱいすごい事が出来るようになるんだよ」


「全属性なのに、すごいことができるの・・・?だって、全属性は使えないって、出来損ないだって言われてるよ?他の子たちにも姉妹そろって出来損ないって悪口言われてるのに、本当にできるの?」



目に涙をいっぱいためて聞き返してくる妹。


いやいやちょっとまて、後半知らない、誰だそんなことフィオナに言っている奴は!



「魔法の事は本当。あと、その悪口を言っているの誰?私にはそんなこと言ってこないでフィオナにだけ言うだなんて!どこのどいつ?!」


「・・っく、近所の男の子たち・・・、ステラお姉ちゃんは家の事とか他のお仕事で忙しくて近所の子たちと会うことが少ないから、一番会いやすい私に言ってくるの・・・」



嗚咽が混じりながら話してくれるフィオナ。

姉妹とも髪や瞳の色合いが同じで、見目も整っているせいかすっごくかわいい。


いやいやそうじゃなくて。



「かわいいフィオナを泣かせるだなんて許すまじ。気がついてあげられなくてごめんね。もうそんなこと言わせないよ、フィオナ!今日から一緒に魔法の特訓をして、全属性の恩恵を全力で活用していくんだから!!」


「全属性のおんけい・・・?」



ウルウルした目できょとんを聞き返してくるフィオナ、まじかわいい。




†・・・†



「ステラお姉ちゃん、畑で何をするの?」



お昼寝から起きた私たちは畑へとやってきていた。

こてんと傾げた頭とキョトンとしたお目めがかわいいです。



「今から、魔法を使って畑のお世話が出来ないか確認していこうと思っているの」



貧乏だけど畑は何気に広くて、子供の私だけでは広範囲のお世話が出来なかったんだよね。

そうだな、前世であった学校の体育館の半分くらい?

10歳の子供が一人で世話ができるような広さではないよね。


だからそれのさらに半分くらいの範囲で育てられる野菜を育てて、自家消費。

それでも足りないから野菜も購入しないとご飯が食べられないんだよね。


こんな状態だから何度大人の手が欲しいと思ったことか。

だけど周辺の畑の世話をしている大人たちは自分たちの畑の世話で手一杯だから、私に手を差し伸べてくれる人はいなかったんだよね。

父親は帰ってこないし。



「というわけで、こっちの未開拓な畑を魔法で開墾していこうと思います!」



キラキラした期待のこもった目で見てくるフィオナ。

なんとかその期待に答えたいよね。



さて、あんまり広範囲にしてしまうとまた魔力がごっそり無くなって動けなくなるからそんなに広くない範囲で。

前世であった開墾機で耕すような、地面の内側からぼこぼこ微細な動きで土がひっくり返されるような、それこそ、前世のお店で買えるようなふさふさの土になるようなイメージで。



「土魔法!」



特に魔法の名前だとか思い浮かばないからいいよね、こんなのでも。

属性さえわかればフィオナもイメージしやすくなるだろうし。


でもこれって土属性だけじゃなくて風属性とかも混ざるのかな?

土の中からぼっこんぼっこんさせるのに風圧とか?なんか他のも混じっちゃってそう。

重力を無視する動きをさせるから重力魔法とか?


うん、いくら考えてもよくわからないや。

前世も今生も頭がいいわけではないからね。

何となくこんな感じってイメージでやれば全属性なおかげかそれっぽい効果を発揮してくれるし。



「お姉ちゃんすごい!あんな硬そうな土が柔らかくなってる!!」



小範囲の畑がイメージした通りのふさふさな土に代わっている。

イメージした内容が濃かったのか今回もごっそりと魔力が無くなったけど、洗浄魔法の時みたいに座り込まずに済んだ。

それでも、両膝に手をついて前かがみでぜぇはぁ言っているんだけど。



「やっぱり、イメージがしっかりしていたら全属性もちの私たちは色々なことが出来るみたいね」



そもそも魔法で生活を改善しようと考える人がいなかったっぽいし。

この世界はファンタジー小説でよくあるような魔物が存在する。

魔法はいかに強力な魔法で魔物を屠れるかが重要らしい。


まぁ、私たちは生活向上のために試行錯誤していくけどね。



「いま、土がどんな感じになっていたか見てたよね、さっきのをしっかりと思い出しながら魔法を使ってみてごらん、フィオナ。範囲はこのくらいね」



フィオナはまだ6歳だからね、極小の範囲を示してやらせてみる。

大体30cm×30cmくらい?

なんとこの世界は長さや重さの単位が同じだった。

過去に転移者とか転生者とかいたのかもしれないね、私が前世を思い出したくらいだし。



「う~ん・・・、ぼっこんぼっこんで・・・、ふわふわで・・・、土魔法!!」



ぼこぼこと土が振動し、大きな土の塊がどんどん小さくなっていってふわふわな土に代わっていく。

前世の記憶もないのに一度見ただけの魔法を一発で成功させるなんて、この子天才なんじゃなかろうか。

可愛いだけじゃなくて天才だなんて、うちの子世界一だわ!



「フィオナすごい!天才!さすが私の妹!!」



硬かった土が私がした場所と同じようにふわふわの土に代わりきったところでフィオナをギューッと抱きしめ頭をわしゃわしゃと撫でくり回す。



「ちょっ、おねえちゃっ?!ステラお姉ちゃん苦しいよ!」




†・・・†


土を耕し終わった後、ごっそりと魔力が無くなって疲れ切った私たちは畑の隅で一休みをした。

少し休んだくらいじゃ全回復まではされないけど多少回復したみたいだ。


さて、耕した後は畝作りと種まきと水やりだね。


畝作りと水やりを魔法で出来るようになればかなりの時間短縮になる。

毎日続けていけば二人とも魔力量も上がって疲れにくくなるはずだし、余裕が出来ればギルドのクエストをやる時間も確保できるようになるはずだ。


そう、やっぱりこの世界にも各ギルドが存在する。

冒険者ギルド、商業ギルド、服飾ギルド、鍛冶ギルド、薬師ギルド。

他の細々したものは各ギルドで統合されているらしい。


んで、私が入っているのが冒険者ギルド。

各ギルドは7歳から仮登録として加入することが出来、10歳から本登録となる。

ちっちゃい子がいきなり本登録しても碌に仕事できないもんね。


冒険者ギルドでも10歳になるまでは町の外、防壁周辺での薬草取りや町の中でのお手伝い程度。

今年7歳だけど、まだ誕生日が来ていない6歳のフィオナはまだ仮登録が出来ない。

去年10歳になってもう少ししたら私も11歳になるけど、家の仕事ばかりでギルドのクエストが全然できていないんだよね。せっかく本登録になったのに。


この調子だと数週間から1ヵ月くらいで魔法の扱いに慣れてくるだろうし、魔力量も上がるでしょ。



「さぁって、そろそろ畝を作って種まきするよ!」


「うん!」



今度は土を盛るイメージで土魔法を使う。



「土魔法!」


「えっと、土を山みたいにのせて・・・、土魔法!」


土を盛るだけなおかげか、耕す時より魔力の消費が少ないみたいだ。

さっきに比べるとまだまだ体力が残っている。フィオナも大丈夫そうだ。



「さぁ、種まきをして水やりまでやってしまうよ」


「トメとかウリの種を蒔くの?」


「そうだね、その2種類と、あとはキュロとラディとスピとリークがいいかな?」



前世であったトマト、キュウリ、ニンジン、大根、ホウレンソウ、ネギによく似た野菜たちだ。

英語に似た名前だよね。

ここの地方は常に暖かく、冬になっても急激な気温の低下とかもない。

雪が降るのも珍しく、降ったとしても少し積もるくらいだ。


作ったそれぞれの畝に種を蒔いていく。

今まで使っていた畑にもトメやウリを育てていたけど、土の状態が悪いせいか育ちがよくなくてあまり収穫が出来ていない。

これだけのことが出来るようになったんだから、しばらくたったら徐々に畑をやり直していった方がいいだろう。

今すぐにやることは魔力的にも体力的にも無理だし、何より畑の収穫が全くの0になってしまうのは痛い。あまり収穫はできていなかったけどね。



「さて、最後に水やりだけど、今度は水魔法で雨を降らすようなイメージでやってみるよ」


「雨が降るみたいに・・・」



土砂降りの雨ではなくて、しとしとと地面をやさしく濡らしていくような、如雨露(じょうろ)で水やりをする時みたいなイメージをする。



「水魔法!」



二人で頑張って種まきをした場所に、サー・・・っと雨のように水が降り注ぐ。

強すぎず、水のせいで畝がぼこぼこになったりもしていない。

これだったら種が流れていくこともないだろう。



「んっと、やさしい雨が降るような感じで・・・、水魔法!!」



さすが、これも一発で成功させている。



「ステラお姉ちゃん、すごいね!これだけの畑があっという間だよ!これだったら私でもお手伝いがいっぱい出来るよ!!」



開墾と畝作りに種まき、水やりを休憩込みでおおよそ1時間半から2時間くらい。

一度耕して畝作り、種まきを終わらせておけば後は日々の水やり。

ちょいちょい雑草をとったりだとかの作業が出てくるだろうけど、この範囲の水やりが魔法で出来ればだいぶ作業が楽になるはずだ。



今日は魔法を使いまくりだ。家の大掃除と畑の開墾、畝作り、種まき、水やり。

今までやっていなかったことをやってかなり疲れた。


妹もまだ6歳なのに魔法を沢山使ったし、できる仕事が少ないことを気にしていたのが、これからはやれる事が増えたとやる気満々。


明日からもまた生活の中に魔法を取り入れて生活向上と魔力量上昇を目指して頑張ろう!





今日は二人で晩御飯を作り、ご飯を食べ、お母さんにも何とか食べてもらい身体をきれいにしてから昏睡するように眠った。

初日なのに1日にやりすぎたかな?

姉(主人公)=ステラ

妹=フィオナ



トメ=トマト

ウリ=キュウリ

キュロ=人参

ラディ=大根

スピ=ほうれん草

リーク=ネギ


R3.05.15

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