使い魔参上、その名はニム
自分が魔神であることを知ってからもう何日か経った。
知ったときは驚いたが考えてみれば魔神と行っても別に暴れないといけない訳じゃないだから別にいいかと考えたのだ。
その後本のページをめくるとまた別の情報が頭に入ってくることに気づいた。
本には世界のことについてと俺の体について書かれていた。
本の内容は膨大で辞典のような厚さをしている上に数ページ読んだら休憩を入れないと頭が痛くなるので読みきるのに何日もかかってしまったのだ。
幸い、この部屋には固いが一応石のベッドがあったので地面の上で寝て汚れることはなかったし、食事も魔神である俺は必要無いようでお腹が減ることはなかった。
そのおかげでどうにか本を読みきることが出来た。
本によると今の俺の体はまだ決まっていないので黒い霧のような姿をしていて環境に合わせて体が出来るらしい。
だから目覚めてから体がふわふわ浮いてる気がしていたのか。
とにかく、今のままじゃ動きづらいから体を人間と同じように変えた。
本を読みきると、部屋の壁に扉が現れた。
どうやら、この扉は部屋の外と繋がっているようだが外が安全かどうか分からないのでしばらく放置することにした。
今は本に書いてあった、
気になったものを試している。
その気になったものというのはスキルについてだ。
スキルというのは条件を満たすと手に入れることが出来るもので、『文字解読』のように取得することで効果が常にを発揮するタイプのものもあれば、任意で発動するものとがあり、取得すると『文字解読』を取得した時に聞こえてきたあの天の声(仮)が知らせてくれるらしい。
スキルの取得条件については何も書かれていなかったのでとりあえず走ったり、跳ねたりしてみてスキルを2つ取得した。
取得したのは『跳躍』と『疾駆』だ。
どちらも『文字解読』と同じ常時発動タイプで任意で発動タイプだ。『跳躍』は跳躍力上昇させ、『疾駆』は全て行動で速度が上昇するという物だ。
「一旦休憩するか…。」
俺はスキルを取得するために繰り返していた腕立てをやめ、後ろにある石のベッドに腰かけた。
はぁ、いままでは本を読むのに必死になっていたせいで気にしなかったが本が置いてある机と石のベッド以外何も無い部屋はとてもつまらないものだ。
せめて、話し相手でも居れば少しは暇を潰せるのに…。
「条件を満たしました。スキル『召喚』を取得します。」
!?
マジか、今のでスキルを取得できるとは思ってなかった。
本当にスキルの取得条件はよく分からない。
「まぁ、取得条件はよく分からないが取得出来たなら早速使ってみるか。」
俺が『召喚』を使いたいと念じると目の前の地面から魔方陣が現れその魔方陣の中から銀色の髪を肩まで伸ばしている美女が現れた。
美女は闇のような黒い服を来ていて彼女のキレイな銀色の髪をより一層際立たせていた。
彼女は俺の姿を見つけると愛する人にやっと巡り会えたといった笑顔を浮かべたあと深々と頭を下げた。
「わたくしは、ニムと申します。あなた様の召喚に応じ参上しました。何なりとお申し付けくださいませ。」
ニムと名乗った女性はそういったまま頭を下げたままでいた。
えっ、これって何か俺が言わないといけない感じ?
「え、え~と、ニム、って言ったけ、こ、これからよろしく。」
どもりながら俺がそういうと彼女は顔を上げ、
「はい、よろしくお願いいたします。」
満面の笑顔を浮かべながらそういった。