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プロローグ

202×年、テロや紛争が深刻化した現代。世界各国は国家間の争いから対テロ戦争へ移行し、終わりのない負の連鎖にあえいでいた。それをよそに過激な宗教組織やテロリストは世界各地で無差別な殺戮を行い人々を恐怖に陥れていた。これに対しアメリカを中心とした国際連合はテロリスト撲滅を宣言、本格的な対テロ戦争を始めることになった。各国は自国の軍隊から選び抜いた兵士達で対テロ特殊部隊編成、テロリストを迎え撃つことになる。しかしこの宣言後テロリストを撲滅するため多くの勇敢な兵士達が犠牲になっていた。犠牲者の数は年々増加しており、数年で二千人近く戦死したとされる。各国は無人兵器による攻撃を増やし、兵士を失うことを最小限したがこれも負の連鎖につながる可能性もある。この問題は世界中の国々が協力して解決しなければいつまでも続くだろう。



朝字新聞の社会コラム切り抜きより。



「う~ん…」


男は一枚の紙を見て唸っていた。そして目の前には高級そうなテーブルが置いてあり、机の上には大量の書類が散らばっている。男は手に持っていた紙を机の上に投げ捨てると、同じく置かれていた金色のゴブレットを持ち、中に注がれていた飲み物を口に含む。


「やっぱり、彼らしかいないか…」


男はそう言うとゴブレットを置いて、今度は別の書類の束を手に取ると読み始めた。その書類には人の写真が記載されており、その人物達の経歴など詳しく書かれている。男が一枚ずつめくりながら調べていると一人の女性が現れ、ゆっくりと近づいてきた。


「お決まりになりました?」


女性が優しい口調で言うと男は首を横に振る。


「まだだよ。候補は沢山いるけど…これじゃあね?」


「生存、ですか?」


「うん。生きている状態でこっちに来たら何かとしら問題になる。なるべく…そうだな、あの世に逝った人々を使いたい」


女性が困った表情になる。


「…死者をですか?そちらの方が問題になるのでは…」


「他の神々は現世から引き抜いてるけど…。何だが結構めんどくさい事を色々やらなくちゃいけないし、大変なんだよ」


「でも、お許しになるでしょうか?」


「ん…ああ、親父のことかい?とりあえず誤魔化せばバレないと思うから、平気、平気!」


「はあ…」


女性は男の言ったことにさすがに困り果てたのか、呆れた。


「……では、最初の一人は?」


「ああ、もう先にあちらの”世界”に転生済みさ。後の一人はこれから向かうことになっているよ」


男は生き生きしながら言うが、女性は頭を抱えさらに困った。


「さて、始めよう」


男はそう言うと小さな板を取りだし、物凄い速さで操作し始めた。

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