またまた帰って来ました!異世界に!
オレは今、異世界、アーロンさんの家に再び戻っている。
…なんでかって?そんなのオレも知らねーよ!!
まあ、とりあえずオレがどうやって異世界の戻ったのかというところまで教えてやろう。
えーと、時間は今から2時間ほど遡る。
オレはその日、いつも通り学校に行き、悠人たちと一緒に下校していた…。
「はぁー、早く家に着かねーかなー。そろそろM92Fに触らないと発狂しそう」
「発狂するのはやめてくれ修也」
悠人にそう言われるが、本当に発狂しそうなぐらいエアガンに触れたいんだ!!
異世界にいたときは一日中肌身離さず持ってたのによー。
オレははぁ…とため息を吐き、アイスを自分の口に運んだ。
やっぱりアイスはどこで食べても美味しいね。
「修也…それいつ買ってきたんですか?さっきまでは持ってなかったのに」
「どうせ盗んできたんでしょ。修也だし。バカだし」
上から冷、千香の順にそう言う。
ってちょっと待って!?最後の一言は余計じゃないですか!?
で、オレはそれを口に出して言う。
「バカは余計だ!!オレはバカじゃねー!」
「盗んだのは否定しないんですね…それに修也がバカっていうのは絶対あってると思いますよ。…テストの点も悲惨だったし」
「冷…テストのことを言うのはやめて…」
オレは、その悲惨なテストのことを思い出して、その場で倒れこむ。
オレの精神に痛恨の一撃…
「まあまあ、テストの点は修也が勉強をおろそかにしてたのが悪いんだろ?次頑張ればいいって」
あんまり励ましになってない…。
それにオレ、めちゃくちゃ勉強頑張ってたし!!
頑張らないとヤバイからな!みんなよりかなり遅れてるしよ!
そして数分後、冷と千香と別れた後、あっという間にオレの家まで着いていた。
「んじゃ、また明日!」
オレは悠人に手を振って、その後玄関をあけて中に入る。
そしてオレは真っ先に二階の自分の部屋に駆け込み、M92Fを握った後、そのまま一階のリビングまで降りていった。
「たしか今日は弘毅もユリも用事があるとかなんとかで帰りが遅くなるって言ってたな。
……ってことは、今日は一日中パラダイスってことか!!」
「そう!パラダイスなのさ!」
その不意に後ろから聞こえた声に反応して、オレは後ろに振り返る。
…なーんか、聞いたことある声だなー。
だが、後ろに振り返ってもそこには誰もいない。
もしかしたらと思って、そのまま目線を下に向けると、やっぱり小さな少女がオレを見上げて立っていた。
この透き通るような水色の髪に、同じ色の猫のような丸くつりあがった目…。
やっぱりこいつは…
「えぇ!!?アリサぁ!?」
オレは驚きのあまり後ろにひっくり返ってそのまま端まで転がっていった。
「いや、驚きすぎだよ修也君。修也君の本物のM92Fは僕たちの方にあるんだし」
あ、そっか。
オレの本物の方のM92Fが向こう側にあるってことは、アーロンさんたちは自由にこっちの世界と異世界を行き来できるのか。
「ってことは今、お前はそのM92Fを持ってきているってことだよな…」
「そゆこと、見つかったらヤバイらしいからサッサとGoだよ修也君!」
そう言ってアリサはオレの手を捕まえ、本物のM92Fを構える。
そして、そのままオレの家の中で発砲し、異世界の扉を作った。
「オレの家で何してくれてんだぁー!!
それにオレはまだ行くとも言ってないぞ!まだ心の準備が〜!」
「大丈夫なのさ!扉は一時的なものだし、修也君も行きたそうな顔してたし!」
そのままアリサは異世界の扉に飛び込み、手を握られていたオレも強制的に異世界の扉の中に入れられた。
そして現在、オレは今アリサとアーロンさん、そして何故かいる優里香とポーカーをしている。
「よーし、オレはもういいぜー」
スペードが全部揃ったからな、フラッシュフラッシュ。
オレはなるべく表情に出ないようにそう言い、カードを構えた。
「な!修也君、早すぎるのさ!!僕まだなのに!」
「知らねーよ!、でもバカだなアリサ。今のでアリサの負けは確定したぜ」
「あ……まっまだ、これからだよ!!」
そう言ってアリサがカードをひく。
が、アリサの反応を見た感じダメだったのだろう、両手を床につけて負のオーラを発している。
「私もいいよー。
…お兄ちゃんには絶対勝たせないんだから!」
そういって優里香がオレに指をさしてくる。
っておい!なんだよそのライバル心!
「はぁ…で?アーロンさんは終わったのか?」
「うん、いつでも大丈夫だよ」
アーロンさんがニコニコしながらそう返してくる。…まあ、アーロンさんだし、多分オレの勝ちだな!
「んじゃいくぞ!せーの!!」
オレの掛け声に合わせてみんなテーブルの上にカードをばらまいた。
「はい!ストレート!!」
「残念だったな!ほらフラッシュ!」
「…ワンペアなのさ」
「はい、ロイヤルストレートフラッシュ」
アリサはワンペア、優里香もストレート…ってことは、
よっしゃー!オレの勝ちー!!……って、え?
オレはガッツポーズをしながらアーロンさんの方を見る。
すると、アーロンさんはニヤっとしながらチラチラと自分のカードを見せつけてきた。
なにこの見せ方。はっ腹立つわ〜!
「いやー、修也君の勝ち誇った顔を見るのは楽しかったよー。それもすぐに崩れ去ることがわかってたからねー」
そう言いながらもアーロンさんほチラッチラッと自分のカードをオレに見せつけてくる。
さっ性格クズだわー、クズだわーこいつ。
オレはアーロンさんのトランプを奪い取ってサッサと片付ける。
で、ここまできてやっとオレは今の状況を把握することができた。
…うん、オレなんでこんな異世界でトランプやってんだろうね。
「おい!アーロンさん!今やっと気づいたけど、なんでオレとユリをここに呼んだんだ!」
「えーと、修也君がポーカーで負けた時の顔が見たかったから?」
アーロンさんがそう言ったのを聞いて、オレはアーロンさんに向かって飛びかかろうとする。
が、そこでアーロンさんから「冗談 冗談」と体をおさえられ、動きを止められた。
押し合う力で勝てないのがくやしい。
「実はね、ドラゴンからの脅威は去ったのだけど、それからゴブリンたちの活動が活発になってきていてね。
修也君たちに数を減らすのを手伝ってほしいんだよ」
「そうなのさ!ユリちゃんは前に修也君の世界に行った時に友達になって今度また遊ぼうって言ってたから一緒に連れてきた!」
上からアーロンさん、アリサの順にそう言って、2人ともオレにグッジョブと親指を立ててきた。
っていうか、アリサ、前にもオレの家に来てたのかよ…
「わかったよ…久しぶりの異世界だからな!暴れまわってやる!」
「よし!そうと決まれば早く行こう!時間が勿体無い!」
アーロンさんはすぐにそう返すと、アーロンさんは家から早歩きで出て行き、そのまま先へ進んでいった。
オレたちも急いでアーロンさんの後を追う。
そんなに急ぐんだったらポーカーとかやらなきゃよかったじゃねーかー!!
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
そして、オレたちはかなり歩きまわり、やっとゴブリンの住処らしきところにたどり着いた。
ここも元々は人間の村だったのだろう。
原型をわずかにとどめた家が何軒も建っている。
「よし、んじゃこのクソみてーなゴブリン共を一回ぶっ飛ばしてやるか!」
しかし、誰も「おー!」とも「うん」とも言ってくれない。
それどころかオレを無視してゴブリンたちの方へ進んでいった。
「ちょっと!せめて少し反応ぐらいしてくれよ!!」
オレはそう言いながらみんなの方へ走っていく。
すると、一匹のゴブリンがオレに不意打ちをしようと横から飛び出してきた。
1人になったところを狙ったつもりだろうけど、お前ごときに倒されるオレじゃねーぜ。
オレはゴブリンの繰り出してくる棍棒による縦振り攻撃を後ろへバク転して躱し、地面に着地したと同時にゴブリンの棍棒を奪い取った。
勿論M92Fは持ってきたけど、少し反応に遅れて構えれなかったんだよな。やっぱ、安全なところにずっといると腕も落ちるのかね。
そんなことを考えながら、棍棒をグルグルと自分を中心にして回るように振り回す。
そして、回転がかなり速くなった状態のままゴブリンの頭にヒットさせた。
「はい!ホームラン!」
という、グロテスクなことにはならなかったが、脳震盪をおこしたゴブリンはその場に崩れ落ちた。
「アリサたちもオレが不意打ちされたぐらいから戦闘を始めてるし、オレもそろそろM92Fも使ってこの集団を壊滅させるとするか!」
オレはM92Fを右手に持ち、一番近くにいたゴブリンめがけて走り出した。そして、ゴブリンが気づき攻撃する前に頭にヘッドショットする。
次の瞬間、他のゴブリンが4匹、オレを四方から囲んできたが、迷わず一匹をヘッドショットし、その反動で後ろにM92Fがいった時にもう一度引き金をひく。
その弾もやはりゴブリンの脳天を貫き、残った二匹も回し蹴りで数メートル吹っ飛ばした。
そして、一気にぶっ飛ばすためにグレネードを腰から大量に取り出し、回し蹴りで吹っ飛ばしたゴブリンめがけてばらまいた。
「はあ、やっぱドラゴンじゃねーと手応えねーよな」
オレがそう言った瞬間、グレネードが起爆し、その近くにいたゴブリンのほとんどが爆発に巻き込まれバラバラに粉砕される。
だいたい15匹ぐらいが今ので吹っ飛んだと思う。
しかし、やはり数が多いのか、次々とゴブリンがオレを襲ってきた。
…優里香とかアリサは大丈夫かな。
オレは目では追いつけないほどの早撃ちでゴブリンたちを次々と倒していき、ゴブリンの長のような奴のところまでたどり着いた。
近くで交戦中のアリサと優里香が見える。
見た感じ、2人ペアで戦っているみたいだ。
「おい!無視してんじゃねぇ!てめーら、おれの手下どもをよくもやってくれやがったな…ぜってぇぶっ飛ばしてやる」
オレがゴブリンの長を無視してアリサたちの方を見ていると、そのゴブちゃんがオレにそう言ってきた。
「うっせーなー!無理無理、お前みたいなゴブちゃんじゃ、オレには勝てねーよ。
っというわけで、サッサと片付けてやるから安心しろよ!」
オレは最後の一文字と共に前へ飛び出し、近くに置いておいた棍棒で頭をぶち破ろうとした。
まあ、ゴブちゃんもそれくらいには反応できるらしく、ゴツい岩のような右手で棍棒を払いのけられた。
払いのけられた勢いで、そのまま回し蹴りを繰り出すが、同じく大きな左手で簡単に防がれる。
「は、こんな実力でオレ様に勝てるとでも思ったのか?」
調子に乗ったゴブちゃんはそんなことをほざきだしたが、勿論まだ本気ではない。
本気どころか十分の一にも満たないぐらいか?いや、さすがにそれはいいすぎか。
とりあえずオレはM92Fを構えて、ゴブちゃんの頭に狙いを定めた。
それに気づいたゴブちゃんは右手を顔の前に持っていって、それを防ごうとする。
が、それも想定内。
オレは手に握りしめたC4をその右手に投げつけ、くっつく前にM92Fで起爆させる。
爆発で目が眩んだ隙に、オレは再びM92Fを構え、2、3発ゴブちゃんの頭に向かって撃った。
弾は見事に命中し、ゴブちゃんはゆっくりと体を後ろに傾け、大きな音をだしながら足から崩れ落ちた。
「ま、ちょっと本気だせばこんなもんよ」
オレは、戦闘が終わってすぐ後ろまできていたアリサにそう言った。
「いや、修也君の強さは知ってるから別に自慢さなくていいよ。はっきり言うと返すのがだるいのさ」
…はっきり言わないで。
そんなことを言ってる間にアーロンさんも片付け終えたみたいで、「また、面倒なことがあったらよろしく頼むねー」と言いながら異次元の扉を作り出し、オレと優里香を見送ってくれた。
「いや、何面倒なことをオレたちに押し付けようとしてんだよ!」
オレがそう言ったときにはもう遅く、異次元の扉は閉まっていて、オレはもとの自分の部屋で叫んでしまっていた。
「うわー、お兄ちゃん、恥ずかしいから家の中で奇声をあげるのはやめてよね」
「うっせーな!!」
オレはそう言った後、ニヤニヤしていた優里香に軽くゲンコツをしてやった。




