準備!
アーロンさんの家に着いたオレは、アーロンさんと共に家の中へ入った。
そういや、初めてここで目を覚ましたときにいたのもこの家だったなー。
…その時は千香がいたっけ、今はいねーけど。
「修也君、ボーッとしてないで早く!」
アーロンさんに呼ばれてオレは慌てて後をついていく。
「前にも言った通り、あのドラゴンには魔法が効かないからね、私はドラゴンと直接は戦えない」
うん、知ってる。
オレはアーロンさんの部屋の豪華なソファーに飛び込み、少しの間ゴロゴロした。
そして、ふと思ったことを言葉に出してみる。
「ん?ちょっと待てよ、もしかしてボスのドラゴンと戦うのはオレだけとか言わねーよな?」
「え?修也君だけだけど」
おい!!即答すんじゃねーよ!!
この世で一番強いドラゴンにこんなチッポケな男の子1人戦わせるとかおかしすぎるだろ!!
「まあ、仕方ないさ、修也君以外まず傷一つつけること出来ないし」
そう言ってアーロンさんは作戦の紙のようなものを取りに行った。
まさか、オレ1人で戦わねーといけないとか少しも思ってなかったんだけど…。
確かにドラゴン相手に銃を使う奴とか滅多にいねーだろうけどよ、それでもサポート役とかいてもいーんじゃねーか?
するとアーロンさんが帰ってきて、作戦用紙をテーブルの上に広げた。
というより、地図に落書きしたみてーだな。
「まあ、ボスのドラゴンのところにはたくさんのギルドパーティで突撃するよ。
ただ、突撃するのはボスドラゴンの前まででそこからは修也君に任せるって形になるね」
とアーロンさんが言う。
要するに、周りの邪魔者は片付けるからボスドラゴンは頼んだぜ!ってことか。
「アーロンさん、さすがに1人は無理だろ、回復役とか、サポート役を何人かつけてくれねーのか?」
「あ、ごめんごめん、そういや腕のあるサポート係を2人修也君につけてたんだった」
…絶対ワザとだなこの野郎。
「あ、でも、もう時間がないからその人たちと会って練習とかはできないからね」
え?…マジ!?
ぶっつけ本番!!?
おいおい、こんな適当な作戦でボスのドラゴンに勝てると思ってんのか!?
オレはソファーから勢いよく立ち上がりすごく驚いた表情でアーロンさんを凝視した。
「大丈夫大丈夫、多分修也君と気が合いそうだから」
「そういう問題じゃねーだろ!!」
オレはそう返し、アーロンさんの部屋から飛び出てアーロンさんが用意していた自分の部屋に入りこむ。
…クソ、このままじゃオレ、みんなのところに帰れないんじゃねーか?
「あ、修也君!ボスドラゴンのところへ出発するの明日だから準備しておいてくれよ!」
アーロンさんがオレに聞こえるくらいの大きな声でそう叫んできた。
「はえーよ!!」
どこまで急いでんだよ…もう少しちゃんと作戦たててから行くだろ普通…
もしかして、もうそこまで追い詰められてんのか…?
いや、さすがにそれはねーよな、あれだけドラゴン倒してんだし…。
オレはM92Fを手に持ち手入れを始める。
「千香たち、無事に元の世界に帰ったかなー」
なんとなくオレはそう呟く。
銃のメンテナンスを終えて適当に他の準備も終えたオレは明日のために早めに寝ることにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そして次の日。
ベッドから起きたオレは、アーロンさんと共に朝食を終え、ギルドの集合場所へ2人で向かった。
「なあアーロンさん、サポート役の2人ってどんな奴なんだ?結局何も教えてくれなかったじゃねーか」
「え?だから修也君と気が合いそうな人たちだって」
それじゃわかんねーんだよ…。
で、結局そのまま目的地に着き、アーロンさんとはパーティの違うオレはそこから別行動することになった。
んじゃ、とりあえずパーティ2人を探すか。
探すっていってもアーロンさんが教えてくれた待ち合わせ場所に行けばいーんだけどよ。
「えーと、確かここら辺だった気がすんだけど」
でも、ここにいる奴、なんか小せぇし、全然サポートの腕も良くなさそうだし違うだろうなー。
まあとりあえずどこにいるか知ってるかも知んねーし聞いてみるか。
「なあ、ここの近くにオレと同じパーティの奴が2人いるって聞いたんだけどよ、どこにいるか知らねーか?」
「え?君、速川修也君だよね、僕が君と同じパーティのメンバーなんだけど」
えぇ!!?こいつ!?
マジで!?ってゆーかこいつ女だよな?
なんで僕って言うんだ?
オレ、ボクっ娘はマジで無理だぞ。
これでオレと気が合いそうと言ったアーロンさんの目はどうかしてると思う。
「なっなんなのさ!そんな目で見ないでよ!これでも僕は回復魔法だけは一流なんだから!」
「だけは、かよ…」
オレがそう言うと、そのボクっ娘は半泣きでオレを睨みつけてくる。
いや、ごめん、悪かったって。
「…で、お前なんて名前なんだ?」
半泣きが終わって少し経った後、オレがそう尋ねた。
「アリサ…天宮アリサ」
へー…そういや今思ったけどよ、ここって結構いろんな名前の人がいるよな。
日本のような名前の奴もいるし、ヨーロッパの方とか韓国とかそんな感じの名前の奴も結構いる。
「で、アリサは回復魔法が得意って言ってたよな」
「そうなのさ!僕はこの世界の中でもテッペンを争うほど回復魔法を使うのが得意なんだよ!」
うっせーなー、こいつ調子に乗らせたら止まらねータイプじゃねーか?
…メンドクセー…
アーロンさ、絶対気が合うとか適当に言ってたんじゃねーかな。
うん、絶対そうに決まってる。
で、もう1人はどこにいるんだ?
ここにはいねーけど…
オレは周囲を見渡す。
「ん?あーもう1人の子?あの人 人見知りだからさー、多分どこかにかくれてるんだよ」
え!?アリサって人の心読めんのか!?
オレ口に出した覚えねーんだけど…
ん?そういやこいつ何歳なんだ?
見た感じ、年下っぽいけどよ。
「なあ、アリサって何歳なんだ?」
「キュッ急になんなのさ!レディーに対してその質問は失礼だよ!修也君と同じ年だけど!」
マジでうっせーなーこいつ。
ってオレと同い年なのこいつ!?
オレは驚愕とした顔でアリサを見つめる。
そして、自分の手でアリサの身長と自分の身長とを比べてみる。
嘘…こいつ、千香より背低いのに…オレと同い年!!?
「そんなに驚かないでよ!後 手離してくれないかな?身長のこと結構気にしてるんだよね」
アリサにそう言われてオレはアリサの頭の上から手を離す。
で、気づけばオレの隣にオレと同じくらいの背の女の人が、恥ずかしがった顔をしながら立っていた。
「なあ、もしかしてお前もパーティメンバーの人?」
「はっはい!えっと、かっ金森葵です!歳は修也君といっ一緒です!よっよろしくお願いしますっ」
そう言って、葵はカチコチな動作でおじぎをしてきた。
……またなんかめんどくさそうな奴が来たんだけど。
「えっと、よろしく。で、葵も回復魔法が得意だったりするのか?
アリサは回復魔法が得意って言ってたけどよ」
「いやー、そんなことないよ〜。まあ得意って言えば得意なんだけどさー」
何故かアリサが反応してきた。
「うっせーな!アリサには聞いてねーよ!」
オレがそう言うと、アリサはしょんぼりと地面を木の枝でつつき始めた。
もうメンドクセーから放っておこ…
「で、葵は得意なのか?」
「えっと、かっ回復魔法はあまり得意じゃないですけど、攻撃力を一時的にあげたりする魔法は得意…です」
へー、本当2人共サポート専門なんだなー。
なんか今思うと、今までのオレたちのパーティってかなりのごり押しパーティだったよな…
こうして、オレは2人のパーティメンバーと合流し、3人で戦闘の準備を整えることになった。




