今日から高校生!
今、平成何年だったか ど忘れしてるけど、オレ速川修也は今日から高校生だ。
新しい学校、新しくできる友達、考えるだけでものすごくわくわくする。
中学校の時はいろいろやらかしたからなー、高校はがんばらねーと!
まあ、小さい時から勝手に物を盗んだり壊したりとしていたせいで近所からは今でも悪ガキって呼ばれてるし、今更どうしようもねーんだけど。
「お兄ちゃん」
「なんだ?」
今オレを呼んだのは言わなくてもわかると思うけどオレの妹だ。速川優里香中学2年生。
「ほら忘れ物、普通こんなの忘れないでしょ」
そう言ってオレにバッグを投げつけてきた。人間だれだって忘れ物ぐらいするだろ、ったく。
「ねえ、渡してやったのにお礼も無し?」
「ちっうっせーなありがとー助かりましたー」
それくらいでいちいちうっせーんだよ!
オレは玄関から外に向かう。だが、オレの宝が助けを呼んでるのに気づきすぐに戻ったが。
「おいっやめろ ユリ!!それだけはぁ!!」
優里香がオレの大切な大切なガスガンM92Fクロームステンレスモデルを壊そうとしていたからだ。後オレは優里香のことをユリと呼んでいる。
「ありがとうございます…は?」
それだけのためにオレのたいっせつなM92Fを人質にしやがって…。
優里香がオレのガスガンを天井に上げたと思ったらそのまま床に叩きつけようとした。
「やめてくれぇ!!ガスガンは、ガスガンは非常にデリケートなんだぁ!!」
「…だから、なに?」
「ありがとうございます!ユリがいなかったら大恥かいてたところでしたぁ!」
くっくそ、妹にこんなこと言わないといけないなんて、兄貴としてのプライドがズタズタじゃねーか…。
この時オレは妹に二度と会えなくなるなんて、少しも考えていなかった…。