あとのまつり
【不信】【幸福】【利口】【レベルアップ】【愛】
明るい気持ちになる詩ではないです。
【不信】
いいの
知っていたから
幻だってこと
かまわないの
あやまらないで
こうなるって思ってた
ずっととか
いつまでもとか
永遠にとか
久遠の響きは刹那の声に乗せられて
甘い歌は流れる現実を揺らめいて
知っていたの
知っていたの
だからいけないんだって、いいたいんでしょう
なら教えてよ
しんじる、って、なあに?
【幸福】
幸福なんておとぎ話を
どうして夢見てしまったんだろう
ブレーキをかけるべきだったのだ
この道がいつまでも続くなんて
まさか本気で思っていたのだろうか
【利口】
かつての私はもっと利口で
かつての私はもっとわきまえていて
期待なんてしなかった
胸を焦がしたりしなかった
ああ、でも、一度知ってしまったら
なかったことになどならないのに
なにも求めないでと
ただ一つの願いを唱え続け
私は存在に専念する
【レベルアップ】
最初はそれが嬉しかった
最初はそれでじゅうぶんだった
ねえ
でも
もう少し
あと少し
そうしたらもっと輝いた
そうしたらもっと満たされた
ほら
ね
もっと
もっともっと
もっともっともっともっともっと
穴を埋めているつもりだったのに
いつのまにか懸命に穴を掘る
穴がなくちゃ満たされないもの
だからもっと掘らなくちゃ
【愛】
だいすき
だいすき
わたしはかわらない
わたしはいつまでもかわらない
あなただけをあいしてる
あなただけをあいしてる
これだけ毎日唱えているのに
もう薄らいでしまいそう
絶対に気づいてはいけないことに気づいているけれど
でもわたしは気づいていない
気づいていないからだいじょうぶ
わたしはだいじょうぶ
愛って永遠なの
なんてすてきなんでしょう
追加しました。
遠い未来にまた追加することがあるかもしれません。
読んでいただき、ありがとうございました。