ハカナの黄金伝説~with剣 勇者旅立ちの巻
あっという間に週末。嫌だ嫌だと思っていると時間が経つのが早いものだ。
朝食を終え、ホミカとハカナは出発の時をむかえる。
「気をつけて行ってきなね」
と斎藤。暫しの間ハカナが食事を作る危険がなくなったのでニコニコだ。青野と松風も心なしか嬉しそうである。
「はい。とにかく頑張ってきます」
「ホミカさン。たとえそコにいなクてもあなたは私ノ心のなカでずっと生キていますヨ……」
「死亡フラグ立てないでください!? 戦場には行きませんよ!」
マーはホミカをさりげなく葬り去ろうとする。顔に黒い縦線が入るホミカ。器用だ。
「私がいるから大丈夫!」
ハカナが何か喚いているが皆スルー。
その後もありがたいお言葉をたくさんいただいたのち、げっそりとしたホミカと山のような荷物を背負ったハカナは前田荘の面々に万歳三唱で送り出された。
「よっし! 行ってくるか」
ハカナはやる気十分。ホミカもメランコリー十分。
「車出しといたぞ」
集合場所までは出勤のついでに足名稚が送ってくれることに。二人にとってはありがたいことなのだが、アッシー君にならないことを祈るのみだ。
「いやぁ、楽しみだ。前回は散々だったからな」
楽しそうなハカナ。
対して、ホミカは兎と亀がかけっこをしているところを想像して気持ちを和らげている。
効果はお察し。
「よっし着いたぞ。いってら」
十五分ほどで、A市の古墳公園に到着。ここが参加者の集合場所なのだ。市民の憩いの場に異様な雰囲気を醸し出す集団がぞろぞろと集まっているのはなんともシュールである。
足名稚に別れを告げ二人はその中に合流した。
軍服を着ている者。迷彩柄で匍匐前進の真似事をしている者。色々だ。
「あのー、ハカナさん?」
「ん?」
聞かずにはいられない。
「これ普通のキャンプですよね」
「ああもちろん。今回は敵の攻撃を受けて無人島に不時着したという設定でのキャンプ演習だ」
「んにゃっ!」
薄々気づいてはいたが……マーの言葉がリアルに聞こえてくるホミカ。
「今回は元軍人のケアレ・スミスが教官なんだ。喜びがチンジャラチンジャラと溢れてくるだろう?」
「パチンコ玉か!」
ヤバそうな集まりに来てしまったと改めて後悔するホミカ。
しかし、彼女も周りから明らかに浮いていた。
『寿』と書いてある外国人がお土産に喜びそうなシャツを着ているのはホミカだけだったのだ。




