鉄腕コれクター・マー やらかいボール編 いち
マーファンの皆さんお待たせいたしました。
「あれ?」
足名稚が疑問を投げかける。
「ソフトって九人いなきゃダメなんじゃないか? 三木くんは来れないだろうからあと二人どうすんだ?」
ここでマーは胸を張る。ハカナがそれを羨ましそうに見つめる。
「心配ご無用。既ニ店主さんに声をかけてアります。最後の一人にツいてはノープランですが」
「駄目じゃん!」
きっちりツッコミをいれるホミカ。職人芸。
「あと一人か。よし。私は知り合いをあたってみるか」
「ハカナさん、あなたどんだけ出たいんですか……」
「確か納戸にグラブとバットがあったはずだ。期間はないけどみんなで練習しようじゃないか」
「おー!」
斎藤の一声に応じる面々。なんだかんだまとまりがある。
翌日から練習が始まった。野球の経験がある斎藤の指揮のもと、汗を流す。しかし、ルールをよく理解していない者が多い。九人目の枠が埋まっていない問題も未解決だ。ハカナの知り合いという点も不安材料である。
「ファーストいくよー」
「松風さん? 私はサードですよ!?」
松風はベースランニングでサードに向かって走るタイプなのだろう。
「こいつを使ってボールを打ち返すんだな。それっ!」
ボールはバドミントンのスマッシュ並の速度で……。
「うわっ俺の部屋の窓が!」
青野の部屋の窓を御陀仏に。斎藤は頭を抱える。これで三枚目である。
時間というものはあっという間に過ぎるもの。当日は大丈夫だろうか。
「ベストを尽くすしかないわね……」
ホミカの孤軍奮闘だったりして。




