最後の朝餐
窓の外からピーチクパーチクと小鳥のさえずりが聞こえてくる。ホミカは寝返りを一つうって目を覚ました。初めて迎える朝である。パジャマを着替えベッドのシーツをたたむ。
昨夜は遅くまで盛り上がり、べろんべろんになった住人たちを斎藤と足名稚が部屋まで担いだり引きずったりして結局寝たのは1時過ぎになってしまった。
とにかく、顔を洗い歯を磨き食堂へおりる。どうやら今日の朝食担当は誰だろうか……?
食堂には松風を除く全員が揃っていた。明日からはあと30分早く起きようと決めた。
「よう! 初日から私の手料理とはラッキーだな!」
「!」
あぁ、無情。朝食担当はハカナ。昨夜斎藤から聞いた話だとハカナの料理はかなりワイルドらしい。色々な意味で。
食卓の面々も遠い目をしている。諦めはついたようだ。青野は小さい声で幸運のおまじないを唱えている。なりふり構っていられないということらしい。
ホミカも諦めておはようございますと声をかけつつ着席。皆返事を返すが、元気がない。
しばらくして朝食が大皿で運ばれてきた。黒く禍々しい物体がのっている。こういうのは漫画の世界だけじゃあないのねとホミカは逆に感心してしまった。
マーが松風を起こしてきた。
「みんなじゃんじゃん食えよ! いただきます!」
「いただきます……」
静かな朝食のはじまりはじまり。




