うたてげなるうたげ 礼
屋上へ。真っ赤な空、遠くの山に日が落ちようとしている。やはり近くに高い建物がないので、見晴らしがとてもいい。前田荘はこの点においてポイントが高いなとホミカは思った。
脇には、既に住人が集まり、パーティーの準備が整っていた。鉄板やら網やらを用意しているところを見るとバーベキューのようだ。
炭がパチパチと音をたて、火の粉をまきあげる。ホミカは幼少時のキャンプファイアを思い出した。
ホミカは先程の服装から着替え、今はファッションセンターで購入したやっすいニットを被り東京とデカデカと描かれたシャツを着ている。
「よう、来たか」
足名稚が声をかけてきた。首にタオルを引っ掛け、手にはトングと団扇を持っている。
周りではねじりハチマキの松風がエビの殼を精密機械のような正確さで剥き、ハカナはブロッコリーとカリフラワーどちらを茹でるかで青野と揉めている。斎藤は苦笑しつつ仲裁に入る。
姿の見えないマーはジュースを買いにいったとのこと。あんな超不審者ファッションで大丈夫なのかと少し心配したが、前田荘の住人は近所でも有名らしく、問題ないらしい。
ホミカは紙コップと割り箸を配ることにした。
マーが戻り次第パーティーが始まる。




