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7.勇者と魔王

時はイマジンハザード発生から12時間後・・・

「で、これは一体どういうことなんだ、魔王様(・・・)?」

「何、と言われても、リリースノートを見てくれなかったかい勇者殿(・・・)

モニターの光だけで照らされた無機質な部屋に俺ともう一人の男が相対する。その男は黒ずくめのボロ切れのようなコートを纏っており顔には斜めに一筋の大きな切り傷があるしわくちゃの顔。何より特徴的なのはその2本の大きな巻角だ。

「お前は俺との戦いで敗れた。だが最後の悪あがきで俺を道連れにして位相転移を行った結果魔法を使えなくなったはずだ。」

そう、俺、アルト・オットーは元々別の世界の勇者だった。勇者の剣を携えて、頼れる仲間たちと冒険をし、魔王を討伐することを目指していた。それを成し遂げ、俺は王国に名を残す勇者として仲間たちと凱旋するはずだった。あいつら元気にしてっかな。

「ああ、そうだとも。だが私はこの世界にもう一つの魔法を見つけた。プログラミングだ。こいつは人間では到底溶けない天文学的な数式も解ける。これまでの人類集合知を有しており、あらゆる状況にも最適解を見出せる!素晴らしい!俺の、異位相人の脳内構造を解明し、それをこの地球の人類でも魔法が使えるように超ハイスペックマイクロコンピューターとAIを駆使することで人間の脳を魔法発動ができるよう補助できる【IMAGIA】を開発した!」

そういえばこいつは、魔法の才や人外の膂力だけでなく優れた叡智も有する厄介なやつだったな。

「なるほど、それでお前も魔法を使えるようになったってわけか。だが、何故【IMAGIA】をただの生活補助ツールとして20年間もの間、魔法技能を持たせずこの世界の人類に浸透させるだけさせきってからver.2.0にアップデートしたんだ?この世界の人が魔法を

使えるようになることに何の意味が。

「そんなの楽しいからに決まってるじゃないか!魔法がない世界なんて私にとっては味のない食事なんだよ。そして魔王というものは魔法を持たない脆弱な人類には滅ぼせない!私という存在は滅ぼされるために生まれてきたというのに!」

「イかれてるな。だったら前の世界でとっととくたばってくれればよかったものの。」

「そんな簡単にくたばるほどまだ私は私の人生に満足してないんだよ。」

「だがいいのか?この世界ににきて、別の場所に転移していたお前を探そうにも、お前は魔力を失っていて今日の今日まで見つけ出すことができなかった。しかし【IMAGIC】をお前はさっき使ったな?その魔力を探知して俺はここまでやってきたわけだが。」

「そんな私が間抜けなことをするわけがないだろう?私が今さっき使った【IMAGIC】はコード【魔界顕現】、私はすでに魔界にいて今君の目の前にいるのはただのホログラムさ。魔界には君では来れないよ。しかるべき手順を踏んでもらわないとね。」

「【ミスティックブレード】」

俺は魔法の剣を顕現させ魔王に斬りかかるが、魔王に触れる瞬間に陰影がぶれ姿形をその場から消した。

「まだver.2.0は魔法を使えるようにするだけだ。なにぶんプログラムってやつは厄介でね。バグが多いの何の。魔王攻略がしたければver.3.0を乞うご期待!じゃあね。」

そうして最後に言葉を残したあとその場の魔王の存在の認識が消えた。


そして今に戻る。目の前に立ちはだかるのは蛇の体に猛禽の翼を有した化け物。

「ついにver.3.0が来たか。ったく、プログラマーなら告知ぐらいしやがれってんだ。」

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