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朝、起こされた。
起きて朝食を食べる。
やはり美味い。
そしてテレビだ。
二人で見る。画面の中では何人もが笑っていた。
ばあちゃんも笑っている。
しかしこうきは、その内容がまるでわからなかった。
頭の中は、昨日のあいつのことでいっぱいだった。
――もしかし
て、今日も来るのか。
来たらどうすればいいんだ。
そんなことを考えていると、ばあちゃんが縁側に出た。
こうきはついて行き、ばあちゃんの少し後ろに座った。
そのまま時が過ぎる。
ばあちゃんは動かない。
なにも言わない。
それはこうきも同じだ。
昨日と同じく結構時間が過ぎたと思われる頃、あいつがやって来た。
何度見ても信じられないほどに異様な姿のあいつが。
来ると言った。
「お菓子食べたい。ちょうだい」
ばあちゃんが言った。
「すまんのう。今日はお菓子はないんじゃ」
するとそいつがこうきを見て言った。
「それじゃあ、そこのお兄ちゃんが食べたい。ちょうだい」
ばあちゃんが答えた。
終