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二人で黙ってテレビを見る。

――なんだ、これは。

こうきも話下手だが、それ以上なのは、このばあちゃんだ。

孫に初めて会えたというのに、孫を見ずにテレビを見ているのだ。

そして信じられないことに、そのまま数時間が過ぎた。

辺りが少し暗くなる。

「もうこんな時間かえ。じゃあ飯の準備でもするかのう」

ばあちゃんは奥にある台所へ行った。

こうきはそのままテレビを見ていた。

しばらくすると、夕食が出てきた。

野菜と魚とご飯だ。

すごく美味かった。

食べ終えると、ばあちゃんは再びテレビを見始めた。

そしてしばらくしてから言った。

「お風呂入るかい」

こうきは風呂に入った。

風呂から出ると、ばあちゃんと二人でまたテレビを見た。

ここまで会話と言うものがない。

ばあちゃんが最低限の一言を言い、こうきが一言返事をするだけだ。

そのまま夜が更けた。

「もう寝るかえ」

こうきは荷物を片付けた物置で、寝た。


朝、起こされた。

「朝飯、できとるぞ」

食った。

野菜と卵と鶏肉。

これまたうまかった。

食べ終えるとばあちゃんがテレビをつけた。

二人で見る。

会話はない。

ばあちゃんはじいちゃんが死んでから、十年以上一人暮らしだと聞いた。

人と話すこと自体、もううまくできないのかもしれない。

こうきはそんなことを考えた。

しばらくするとばあちゃんが立ち上がった。

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