例の文章の完全版
色んなタイプの男子校にいると、君な、それは恋って言うんやで(言わんけど)ということも、まあ、無いことも無い。
………………
あの時、僕を慰めてくれた優しい声が耳から離れず、毎晩のように思い出してはベッドの上でジタバタしてしまうくらいには…………
でもそんな僕の気持ちなど知る由もない彼は、その後も毎日、いつも通り教室に来てくれた。
昨日あんなことがあったから、今日も来てくれるか心配だったんだよね……良かったぁ……。
そして僕達はまた何気ない会話をして、時間が過ぎる。
だけどもうそれだけじゃ物足りないというか、彼ともっと近づきたいと言うか……
なので勇気を出してみることにした!
「ねえ、今日さ、一緒に帰らない?」
そう言ってみると、彼は一瞬だけキョトンとした顔をした。
それから少し照れたように笑いながら言った。
「いいよ」
やったあああっ!!!! 嬉しいっ!! 僕は内心飛び上がりそうなほど喜んだ。するとそれに気づいたのか、彼が慌てて付け足す。
「別にお前と一緒に帰りたくないわけじゃないぞ?ただ……」
「わかってるよ!」
彼はきっとこう言いたかったに違いない。
ただ、俺なんかと一緒に帰ったら悪目立ちするんじゃないかって。
だから僕を心配してくれてるんだよね。ありがとう。
しかし、そこでちょっと疑問が生まれた。
どうして彼はそこまで他人を思いやることが出来るのだろう。
だって彼なら他にもっと良い相手がいるはずなのに。
それこそ女の子なんて選り取り見取りだよ。
なのにどうしてわざわざこんな冴えない男を選ぶ必要があるんだろうか。考えれば考える程わからなくなってきた。
うーむ、これは一度じっくり聞いてみる必要がありそうだね。
まずは彼の家に行ってもいいか許可を取らないと。
ということで早速その日の放課後、僕は彼を家に誘った。
「ねえ、今日の夜空いてたりしないかな?」
「えっ!?今日!?」
突然の提案に驚いた様子の彼だったが、すぐに笑顔を見せて答えた。
「うん、大丈夫だよ」
よしよし、これでOKだね。
後はどうやって理由を作るかだけど……
ここはやっぱりアレしかないよね。
「良かった~。実はさ今日うち親、いないんだよね…///」
どうだ!これなら100%オッケー貰えるはずだ! さすがにここまで言えば誰だってわかるでしょ。
いや、むしろわからない奴がいたらそいつは人間として終わっていると言っていい。
「へぇ~そうなんだ。じゃあさ、晩飯食べてく?」
しかし、帰ってきた言葉は全く予想外のものだった。
あれれ?おかしいな?まさか伝わっていないとか? いや、そんなバカなことある訳がない。
ということは……わざと伝わらないようにしているのか。
ははんなるほどそういうことですか。わかりましたよ。
では今度は直球勝負といこうじゃないか。
「ねぇ、今夜泊まってかない?」
言った!ついに言ってしまった! どさくさに紛れてとんでもないこと言った気がするけど気にしちゃいけない。
もしここで断られたとしても諦めるつもりはない。だって彼は優しいから、きっと断れないと思うんだ。
「わかった。じゃあ晩ご飯作って待っとくわ」
彼はそう言って笑った。
僕はその顔を見て確信した。彼は間違いなく僕のことが好きなんだということを。
そしてその夜、僕は自分の部屋で彼に告白した。「僕達付き合おうよ」
すると彼は嬉しそうに笑ってくれた。
「もちろん」
こうして僕らは晴れて恋人同士になったのだ。……
数日後、教室に入ると、数人の女子達が何やら話をしていた。
「ねえ聞いた?」
「何を?」
「ほら、例の噂のこと」
「ああ、あのイケメンが転校生に手を出したっていう……」
「それそれ、それがね……」
「もしかしたらあの二人、デキてるんじゃないかって」
「えっ!?マジで!?」
「だって一緒に帰ってるところ見た人がいるらしいよ」
「じゃあ噂本当なんだ!」
「でもあの二人が付き合ってるとか想像出来ないんだけど……」
「確かに。絶対釣り合わないもんね」
「えっ?でも私はあの二人はお似合いだと思うなぁ」
「あんたもそう思う?」
「うん」
「じゃあ私も」
「えーっ、じゃあ皆あの二人の事好きだったりするの?」
「それはないよ。でもまあ応援してあげようかなって感じ?」
「あー、なんか納得したかも」
「だよね」
ふぅん……そんなことがあったのか。
しかし、この話を聞いた時、僕は不思議と驚きはなかった。
何故なら知っていたからだ。彼が他の女と一緒に歩いているところを見たことがある。
その時は何も思わなかったが、今となってみれば、つまりはこういうことだったのだ。
僕は最初から彼の掌の上で踊っていたに過ぎなかったということだ。はぁ……まったくもう……本当に君は最高だよ。
それからというもの、僕は毎日のように彼と過ごした。
学校が終わると一緒に下校し、そのまま家に直行する。
「██君、今日は何作るの?」
「そうだな……」
彼はいつも一生懸命料理を作ってくれる。その姿はまるで新妻みたいで、とても可愛らしく見える。
こんなに可愛い奥さんを貰ったらそりゃあ仕事にも力が入るってもんだよ。
「はい、出来たよ」
「わあ、美味しそう!」
彼は手先が器用なのか、どんなものでもすぐに作れるようになる。
「「いただきます!」」
二人で仲良く食事を取る。
「「ごちそうさまでした!」」
そしてお互いに食器を片付ける。
「よし、じゃあそろそろ風呂入るか」
「うん、一緒に入る?」
冗談めかしてみると、彼は平然と言った。
「じゃあ一緒に入ろっか。」
「うん!」
彼は僕と一緒に入浴してくれた。
その後、僕達はベッドの中でお互いの身体を求め合った。
「愛してるよ、██君」
「俺もだよ、██」
僕たちは幸せに包まれていた。
「ねえ、僕達、結婚しようか」
「えっ!?いきなりどうしたの?」
「いやさ、やっぱり結婚するなら早い方がいいかなって思ってさ」
「そ、そうだね。じゃあさ、明日指輪買いに行こ?」
「わかった!楽しみにしてるよ」
「うん」
翌日、早速僕らはジュエリーショップへと向かった。
「いらっしゃいませ~」
店員の声を聞きながら店内を見渡す。
「うーん……どれが良いかなぁ……?」
「そんな迷うことないじゃん。コレでしょ」
「えぇっ、ちょっと早過ぎじゃない?」
「そうかな?別に早くなんて無いと思うけど?」
「でもさ……もっとちゃんと考えてからの方が良くない?」
「大丈夫だってば。それにほら、こうすればいいわけだし」
「あっ!ちょっ!そんな急に強くしないでってば///」
「だってこうしないと決められないでしょ?」
「だからって……んっ……ダメって……言って……あん……いるでしよぉ……///」
「まあまあ、良いから任せなさい。絶対に満足させてあげるよ」
「ふぁい……お願いしましゅ……///」
こうして僕達の結婚式は盛大に行われた。
「では誓いのキスを」
神父の言葉に従い、僕達は唇を重ねた。
「「んちゅ……れろ……じゅぷ……ぴちゃ……くちゅ……」」
「はい、OKです!それでは皆さん、お二人への祝福の拍手を!」
パチパチと鳴り響く拍手の音。それを聞いて僕は思った。ああ、これで本当に結ばれたんだって。
「それじゃあ行こうか。これからもずっと一緒に居ような」
「うん!」
こうして僕たち二人は末永く幸せに暮らしました。
※これはフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません。
そして時は流れて…
ある日の出来事
「ねえ、今日はどんなプレイをする?」
「そうだなぁ……」
「じゃあ最初は正常位で……」
「えっ?なんで?」
「えっ?逆に聞くけど、何するつもりでいたの?」
「いや、普通にエッチするかと思ってたんだけど」
「はぁ……あのねぇ██君。私達結婚してるんだよ?」
「まあそうなんですが」
「だったらセックス以外ありえないでしょう!?」
「ま、まあ確かに」
「じゃあ決まりね。まず服を脱いで、それからベッドに仰向けになって下さい」
「はい、わかりました」
言われた通りにすると、彼は僕の上に跨ってきた。
「お、おい、まさか……」
「そのまさかだよ。僕が動いてあげます。だから靖大君はじっとしてればいいの」
「そんな……」
僕の静止も聞かず、彼は腰を動かし始めた。そして段々と激しくなっていく動きに合わせて、彼の口から甘い声が漏れ始めた。
「はぁっ、ああっ、気持ちイイッ……」
「あ、あんまり動かないでくれよ」
「どうして?私は凄く感じてるのに」
「それはわかるけど、もし誰かが来たりしたらどうするんだよ!」
「その時はその時だよ」
「いや、でもさすがにマズいだろ」
「じゃあさ、口塞ぐしかないよね?」
「へっ?」
そう言うなり僕の顔を掴むと無理矢理キスしてきた。
「んむぅ!?」
舌を入れられ、濃厚なディープキッスをかまされる。そしてそのままの状態で再び激しいピストン運動が始まった。
パンッ!パァン!という音が響き渡る中、次第に意識が薄れていく。
「はぁっ、ああっ、イクゥウウッ!」
彼が絶頂を迎えたと同時に、僕も果ててしまった。
「はぁ、はぁ、どう?満足した?」
「満足してないけど、筆者が流石に吐き始めてるから終わるよ。」
そして世界は爆発した。
-The End-