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ー翌日


「んあー、昨日は飲んだなー、ねぇクウガ君?」

「あんた、大変だったんすからね? 2人を介抱するの。」

「あははー ごめんてー」


 蔵屋敷とクウガは赤レンガ倉庫地下3号館にいる。彼らはこれから調査課のもとへ向かうのである。所属している課の部屋を出て左に出た。彼らが向かう先は廊下の突き当りである。

 そこには、左右の矢印のボタンが2つ壁に張り付いていた。クウガは、2つのうち、右のボタンを4回押した。しかし、何も反応がない。そこにはただの屍すら現れなかった。

 するとどうだろう、彼らは後ろを振り向いたのだ。構造は何も変わっていない。しかし、声や、見かける人がなぜか変わっていた。二人は来た道をさも当然のように戻り、再び自身の所属する課の部屋へ戻った。部屋は、見事に変わっていた。まるで魔法をかけたかのようにガラリとデスクルームから実験室へと変化していたのだ。そう、聖遺物なのである。



聖遺物登録番号(ARN): 01943

コードネーム: アシュリーの悪戯(Sweet Little Ash)

詳細: 簡易なボタン。壁に貼り付け、押すと設置したフロアの構造が丸ごとコピーされ、1つの建物の1つの階に複数の同一空間が形成される。ボタンを押すことにより他の空間に移ることが出来る。しかし押した者の視界にあるものは一緒に移る。また、内装がコピーされることはない。

備考: 世界線00011から来たアシュリー・シルベスタが所持していたもの。大人を驚かすために自分自身で作り上げたとのこと。



 近頃では、使い用途や安全性が分かった聖遺物はこうして一般世界線のいたるところに使用されている。しかし、聖遺物は唯一無二の場合が多いため、一般人の目につかない場所で使われている。そのかわり一般的に普及されているのは魔術を用いた日用品である。


 黄金課長の姿はなく、そこには赤とした髪型のやせ細った男がアルコールのにおいが充満する実験室でサンドイッチをむしゃむしゃとほおばっていた。

「今、昼メシネ。後にしてヨ。」

「あ、南さん、いたんだ。連絡付かないから、留守かと思ってて」

「ダイジョブネ。留守じゃなくて、ただ無視してただけネ。お前らどうせ面倒ごとだロ? 実験がもう少しで上手くいきそうネ。邪魔するんじゃないヨ。」

「まーまーまー ここは美少女のお願いだと思ってさー」

「酒家ネ。」

「…は?」

「酒家で奢ってくれるなら考えなくも無いヨ。」


 しばらくの沈黙

 蔵屋敷は高らかに胸に手を当てた。

 

「後輩君、ここは君に譲ってあげるよ。光栄に思うがいい」

「いや、マジどの面下げて言ってるんすか? 仮にも先輩っすよ?」

「フハハハハハ! …君はこの蔵屋敷十色にお金を払わせる気かね?」

「おぉ… よくわかりましたね。」

「…本当?」


ウルウルウル

 クウガはシカトを決め込んだ。


ウルウルウルウルウルウルウルウルウルウル

 クウガはシカトを決め込んだ。


ウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウルウル


 蔵屋敷の目はジョ○○のダー〇ー戦の水ゲームのように水であふれていた。元ネタが気になる人は知っていそうな子に聞いてみよう!


 空はポリポリと頭を掻いた。

「え、え~… これ、黄金さんに言ったら後で支給されますよね?」


「さすが! クーガ君!! 大好き!」

很好(いいね)!!! それじゃあ、仕事の話をしようカ」


 鑑識課所属の南汐風(ナン・シーフォン)はようやく重い腰を上げたのだった。









 

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