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星が生まれた

 わたし達は特に当てのない旅を続けている。


「しかし、おぬしたちよ」とサージが思いついたように言う。


「なんですか?」「なんだ?」


「ちゃっかり、知性もチートもそのままもらってきとるじゃないか。倫理的にどうなんじゃそのあたり」


「べつに返せって言われてませんし、いいんじゃないですか」


 ご主人様もうなずいている。


 それに――おそらくは返すといっても返せないと思うのだ。


 まだご主人様にもサージにも言ってないこと。


 あれから、王都の去り際にアドミンからラインがあった。




 ☆




『ステータス見てみて』


 なんだろうと思ってステータスをオープンする。



―――――――――――――――――――――――


名前:クリア・インテル(14)


職業:白痴奴隷聖母(妊娠中)


種族:人間


性別:女


HP:252/252


MP:∞


STR:5


VIT:12


AGI:20


IQ:106302


LUK:150


―――――――――――――――――――――――



 なんかIQあがってるけど……。


 それよりも、え、妊娠中?


 おもわず、おなかのあたりに手をやって、さすりさすりしてしまう。


 じわりとうれしさがこみあげる。


 ほんのちょっとの暗闇。怖さ。恐怖もあったけれども、それらを塗りつぶすような光の放射を感じた。宇宙という無窮の昏い空間に星が瞬いているのを感じる。


 それは純粋な喜びだった。


『えっちは控えめにするように』


 おまえはお母さんか!


 と、思わず言いそうになったが、ステラの母親になっているので、それはまったくもって妥当な評価だろう。


 しかし、わたしに対してこんなに優しいのがなんか怪しい。


『あの、なんでそんなに気がけてくれるですか?』


『きみは、使徒だしね』


『人間なんてあなたにとっては星屑みたいなものでしょう。』


『心外な。わたしにとっては"彼"につらなる愛しい存在だよ』


 あ(察し)。


『あの、もしかしてですけど――、わたしの子どもって』


『そうだね。"彼"そのものじゃないけど、彼とカルマが同一の存在だよ』


 すごくだらしない顔になっているアドミンが想像できる。


『だからね、彼が生まれたらぜひワイルドって名前をつけてほしいな。もちろん、神さまのいとし子設定、神様公式チート、超絶愛され運命、その他もろもろ、ありえないほどてんこ盛りにするんでよろしく♪』


 だめだこいつ……。


 あいかわらず♪がうざい。


 そうは思いつつも、アドミンについては同じ視点で寂しさと孤独を共有した仲だ


 無碍にはできない。


 結局わたしが伝えたのは、


『わかりました』


 という簡潔な言葉。


 その言葉を予想していたのか、文章からハイテンションさがにじみ出る返事がすぐに返ってきた。


『よろしくねー。お義母さん』


『お義母さん?!』


 ヤバイ。こいつ、生まれたらショタコン一直線まちがいなしだ。

 那由他の時ほど歳が離れている存在から言い寄られるとは、わが息子も業が深い。 悪夢もいいとこだ。


 でもまあ、それも未来の出来事。

 おなかのなかの彼が決めることで、わたしが決めることじゃないだろう。




 ☆




「ご主人様。実はわたし――」




 誰を愛し、誰に愛されるのかは、きっと神様にもわからないのだから。

このお話はプロットがゼロの状態から書いたので思った以上に辛かったです。

みなさんの感想やコメントに助けられて、完結まで持っていけました。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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