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09 コミュ障でも接客バイト大歓迎。

「おい、その怪しい道具とさっきの音は何なんだ?新手の魔法か?それならこちらも容赦しないぞ!」

ああ、ちゃんと言葉が分かるって素晴らしい…。

エルフさんが怖い顔でまたこちらに弓を構え、今にも矢を引き放ちそうだけど、それでもさっきまでの恐怖の比ではない。痛いのは怖いけど。

それだけ、意思が通じず何をされるか分からないって不明瞭感は恐ろしかったんだなぁ。


しかし、もう大丈夫!

相手の言葉が分かるようになったなら、こちらの言葉も通じるはず!なんたってさっき(半ばやけくそに)発注かけた物は『マニュアルセット』だからね!そこら辺のカバーも大丈夫!なはず!


あとはエルフさんに、私に敵対の意がないことを伝え、あわよくば色々な情報を聞き出せばいいだけ!それだけ!


「あの、えっと、言葉……あ、……っと分かり……ます?えーっと、その……エルフさん……エルフさんで……いい……んです?…あ、…っとにかく……争お…うとかそういうのはほんと…まったくないんで……えっとその………」

「…ん?」



…………………………。

終わった……。

静まり返った空気が、とても気まずい。


そうだった。すっかり忘れていた。

私、仕事モードじゃないと全く言葉が出てこない、典型的なコミュ障だということを。


別に私が間抜けだから忘れていたとか、そういうことでは決してない。

ただ、仕事以外の、つまりプライベートな場面で対話する機会がほとんどなかっただけなのだ。


学校ではほとんど友達もいなかったし、休み時間は夜勤疲れで寝ているし、仕事があるから部活をやったこともない。

放課後に出かけることもほとんどなくなった。ずっと自分の店で仕事しているだけの放課後だった。


じゃあ、なんでコミュ障なのに接客業が出来るのかって?

仕事とプライベートは別です、はい。

ぶっちゃけ、レジなんて決められた台詞を言うだけで大体成り立つし、常連さんとの世間話も相づちを打つだけのことが多い。

コミュ障でも何とでもなるのだ。

まぁ、そもそも当店はお客様が多いとは…やめよう。



長々と現実逃避をしてしまったけれど、いい加減現状をどうにかしなきゃいけない。

私がこれだけだらだらと脳内モノローグを並べている間、エルフさんはどうしていたかと言うと、さっきまでの勢いもなくなって、半ば放心状態で私を見つめてきていた。

構えていた弓矢も手から滑り落ちているし、敵対心はなくなっているみたいだけど、どうしてだろう?

実はエルフさんもコミュ障で、何を言えばいいのか分からないとか?


とにかく、向こうがアクションを起こしてくれないのなら、自分から動くしかない。コミュ障だろうが頑張るしかない。


「あの、さっきは…変なこと言ってすみません。えーっと…言葉、通じてますか…?聞きたいことがあるんですけど」

今度はちゃんと言えた!頑張った!!

予め言うことを纏められれば、私だって喋れるんだから!


大袈裟だけど満足している私。

いきなり土下座するエルフさん。…え?

「貴女様は、もしや女神様だったのですか!?」

「はい?」


なんか、エルフさんキャラ変わってません??


あまり場面が進んでいませんが、中途半端に長くなったので一旦切ります。

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