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出会い!

どうもみなさん、明けましておめでとうございます(*´ω`*)

今年もどうかよろしくお願いします( ˘ω˘ )

年始くらいは帰って来いと誰かから言われた気がしたので、旅から帰ってきて書きました。

それではどうぞ、年始めの第三話です(/ω\)

 ここは王都イルザルムの城下街。

 レンガ造りの店が多く立ち並び、様々な人種がそれぞれ特徴的な装いをして、大通りを袖を振れ合いながらすれ違っていく中、セレンはその景観に圧倒されながら大きなバッグを背負って目的の場所へと早足で向かう。


「うにゃぁ・・・すごい人・・・お店も綺麗でおしゃれ・・・」

「ぐるぅ・・・!」


 バッグの上に居座るグーも同意するかのように唸る。

 現在地から城は北に位置し、魔法学校は城から西にある住宅街の先にあると城門の衛兵から教わった。

 慣れない土地で迷わないように、一度城へ向かい、そこから西を目指すと良いとアドバイスを受け、今は城へと向かっている。


「うにゃ!本当に高いにゃ・・・!!」

「ぐるっ!」

「これなら迷ってもお城に向かえばいいから安心だね!」


 上り坂を四十分ほど歩き、重い荷物もあってかへとへとになりつつも、なんとか街の頂上に位置する城に辿り着いたセレンは、城門の前に佇む衛兵に声をかけた。


「衛兵さん!こんにちは!」

「やぁ、こんにちは。エルフの子供とはめずらしいね?どうしたんだい?」

「子供じゃないよ!?ねぇ、どっちが西か教えて!」

「北を向いて、フォークを持つ手の方だよ」


 言われて城の正面に向き直り、自分の両手を見つめて答えを出す。


「・・・こっち!」

「そっちは東だよ」

「ふにゃっ!?・・・ありがと///」

「お気をつけて」


 セレンは今まで面倒くさがってフォークかスプーンしか使ってこなかったのだ。

 今度からはちゃんとナイフも使おうと心に誓いつつ、顔を真っ赤にしてお礼を言いながら、東に向いた踵を百八十度返して再び歩き出す。


「あぅ・・・恥ずかしい間違えしちゃった・・・」

「がるぅ・・・」


 少し落ち込み、グーに慰められながら西へと向かうと、道は坂道となっており、一面に赤や黄、緑などの色とりどりの屋根がずらりと並ぶ住宅街が目に映った。


「ふにゃ・・・うにゃぁあ・・・!!」


 下がっていた顔を上げると、色鮮やかな住宅街の中心に城に似た青い屋根の大きな建物があり、外壁の向こうには緑豊かな平原と山脈が見え、空には様々な形の雲が浮いていた。

 沈みかけの太陽が、暖かいオレンジ色の光で照らしだしたその世界はまさに、絵に描いたような幻想的で美しい光景だった。


「・・・うん!やっぱり、前を見ないとだよね!」

「ぐー!」

「よーっし!いっくぞー!にゃおおおおおん!!!」


 いつの間にか止めていた足を思い切り動かし、両手を上げて叫びながらセレンは風のように坂を駆け下りて行った。 


 同時刻。

 高級住宅街にて、両目泣きぼくろで頭にうさぎ耳が生えた桃色髪の少女が、周囲の家よりも二回りも大きい豪邸の前に立ち、西日に照らされた青い屋根の魔法学校を見つめていた。


「今日から魔法学校に入学じゃ~!良い出会いの予感がするじゃ!」

「元気だなアホ兎・・・今日は手続きで、式は明日だろーが」

「ほぉ!しゃとー!」

「シャトはやめろと何度言ったらわかるんだ・・・?」

「他に良い呼び方が思いつかないのじゃ!」

「普通にシャトラーゼでいいだろ・・・」


 気の抜けた顔で話しかけてきた『しゃと』と呼ばれたのは、紫髪で平凡な顔立ちをした少年であった。

 王都の近くにある湖には、シャトハゼと呼ばれる魚が生息しており、魚の中でも最も弱い種である為、王都の中では『弱いもの』を『シャト』と表現することが多い。


「しゃともこれから入学手続きかの?」

「・・・それはもう終わらせてある。俺が向かうのは孤児院だ」

「ほぉ・・・」


 そう言って向いた先には、大通りを挟んで一般住宅街があった。

 もっとも、二人が意識しているのはさらにその先に位置する貧困街だが。

 二人は大通りに向かいながら会話を続ける。


「わしも遊びに行く!」

「アホ。さっさと手続きを済ませてこい。まぁ、お前がいなくなるならそれはそれでせいせいするがな」

「ムムム・・・そうやって人を邪険にしてるとそのうち痛い目を見るじゃ!」

「天罰ってやつか?俺は神を信じないし、いたらいたで逆にぶん殴ってやる」

「しゃとの神様嫌いも相変わらずだのぉ。けどの、しゃと・・・」

「あ?」

「人を裁くのはいつだって人・・・ん?なにか聞こえるじゃ・・・」

「はぁ?何も聞こえ・・・」


 丁度二人が大通りの中央に出た辺りで、シャトの耳にも坂の上からなにやら人のものと思しき声がようやく聞こえてきた。


「......aaaaaaaaぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!」

「ほぉっ!?」

「んなぁっ!?」


 なんと、急勾配の坂の上から小柄な少女が大声で叫びながら猛スピードで向かってきていたのだ。

 少女の声を自慢の長い耳で事前に察知していたうさ耳少女は、自慢の脚力でいち早くその場からの離脱に成功していたが・・・。


「どいてぇええええええええええ!?へぶぅっ!!」

「ごはぁっ!?」

「ぐるぅっ!?」


 混乱したシャトは逃げ切れずに思いっきり正面衝突し、少女の荷物をぶちまけながら二人仲良くゴロゴロと十mほど転がっていった。


「ほぉ・・・ほんとぉに痛い目を見たのぉ・・・」

「ぐるぅ・・・」


 迅速にその場から離れたうさ耳少女と咄嗟に飛んで離脱したまるっこい生き物は、目の前の惨状に同情を隠しきれなかった。


「うにゅ~・・・ごべんなざい・・・」

「いてて・・・くそ、ついてねぇ・・・」

「大丈夫かのぉ?」

「あぃ、なんとかぁ~・・・」

「ほぉ!あなたはエルフさんなのかのぉ!めずらしいのぉ!小っちゃくてかわいらしいのぉ!」

「えっ、えと・・・?」

「おい、困惑してるじゃねぇか・・・お前の悪い癖だぞ」


 黒を基調とした革のジャケットについた土埃を手で払いながら叱責するシャトに、うさ耳少女は反省の色を見せて深呼吸をした。


「すー・・・はー・・・、ごめんのぉ。エルフは初めて見たから興奮してしまってのぉ。良ければお名前を教えて欲しいじゃ!」

「・・・お前が興奮してたのはエルフだからというよりは可愛いからだろ?」

「それもあるのぉ!」

「少しは隠せや!それと、名乗らせるならまずは自分からだろうが!?」

「はっ!そうだったのじゃ!」

「・・・ふふっ!」

「んおっ?」

「んあっ?」

「あっ!ごめん!仲が良くてうらやましいなぁって。私に同い年の友達はいないから・・・」


 エルフは大樹から生まれなくても何百年と生きる長寿種であり、子を成す頻度が人と比べて少ないのだ。


「じゃあ、もう寂しくないのぉ!」

「・・・え?」

「私たちがお友達になるじゃ!」

「いいの!?」

「もちろんじゃ!わしの名前はアピ・スロットル・ファンブル・フルーレ、あぴって呼んでじゃ!」

「私はセレン!セレン・ロト・セフィラス!この子はグーさんだよ!よろしくね!あぴちゃん!」

「ぐー!」

「うむ!うむ!」

「終わったか?ほれ、荷物だ。」

「うにゃ!?」


 セレンとアピが話している間にシャトがセレンの荷物を拾い集め、投げ渡したのである。


「うにゅ!ありがと!えと・・・?」

「シャトラーゼ・ケルスト・バーニア・アルクロード・フォン・ランフィスだ」

「う・・・うにゃ!しゃt「シャトと呼んだら殺す」うにゃ!?」


 王都に来たばかりのセレンは、何故「シャト」と呼んではいけないのかが理解できなかったが、本人が嫌がるなら別の呼び方をするべきだと考える。

 しかし、あまりにも長すぎる名前に面食らい、『シャトラーゼ・ケなんとか』以外の名前が吹き飛んでしまっていた。


「え・・・えと、しゃ!・・・しゃー・・・シャケ!」

「ほぉ!しゃけー!」

「シャケ・・・か、悪くないな・・・気に入った。特別に友となることを許す」

「よ、良かった・・・。よろしくにゃ!シャケ!」

「それにしても、随分と急いでたのぉ?」

「あ!そうだ!早く入学手続き済ませちゃわないと!」

「ほぉ!せれにゃーも入学するのかのぉ!?」

「あぴちゃんも!?」

「うむ!一緒に行くじゃ~!!」

「にゃー!!」

「おーう、いってこーいあほどもー」


 シャト改め、シャケの気の無い台詞を背に受けながら二人は魔法学校へと走り出し、そして―


「「へぶぅっ!?」」

「ぐるぅっ!?」


 盛大に転びながら校門をくぐっていった。

いかがだったでしょうか?

今回、新しい仲間が二人増えました。

個性的ですね。セレンちゃんが隠れないように頑張りたいです。

あ。あと、セレンちゃんが結構ケガしてるので、一応R-15と残酷描写のタグを付けときました( ˘ω˘ )

では、もう疲れたので例の如く私は旅に出ます。探さないで下さい。

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