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旅立ち!

初投稿(*´ω`*)

生暖かい目で読んでやってください_(:3 」∠)_

-AM 7:40 エルフの村


「セレンー?そろそろ起きないと馬車に乗り遅れるわよー!」

「・・・ん~・・・?」


 朝の眩しさと寒さから逃げるように布団に潜りまどろむ中、姉の高く澄んだ声が頭に響く。


「・・・馬車?なんのこと・・・にゃあああああああああ!!!?」


 眠い頭で姉の言葉を反芻してようやく完全に目が覚める。


「今日は王都に行って入学手続きするんだった・・・早く支度しなくちゃ!」


 布団を跳ね除けながら寝間着を脱ぎ散らかし、用意していた肌着とお気に入りの黒いねこみみローブを着て、白銀の髪をブラシで軽く整え、赤いリボンの髪留めで長い後髪を一本に束ねながらリビングへと向かう。


「リリねぇ!どうしてもっと早く起こしてくれないの!?」

「起こしたわよ?そしたらあなた、『むにゃ~・・・寝てないよ~起きてるよ~』って」

「えぇ・・・」

「いいからごはん食べちゃいなさい」

「ぁぃ...」


 覚えがまったく無く納得いかないが、入学手続きの受付時間に遅れる訳にもいかない。

 まだほんのりと暖かく小麦の香ばしい匂いがするキツネ色のパンにラズベリーのジャムを付けてほおばり、冷たいミルクで流し込むように平らげる。


「この村で最後の食事なのにせわしないわね・・・丹精込めて作ったのに・・・」

「ごめんねリリねぇ・・・でもね?『最後』は余計なんじゃないかにゃ!?ちゃんと立派になって帰ってくるよ!!」

「あなたは打たれ弱いからつい・・・ねっ☆」

「『ねっ☆』じゃないよ!?シャレになってないよ!?それに歳的にきつぐべッ!?」

「いいから顔洗ってきなさい。パンくずとミルクで汚れてるわよ?荷物はリビングに用意しとくから」

「うにゅぅ・・・」


 エルフの村は大樹と大樹の間に橋が架けられ、大樹の周りに足場を作って家を建てている。

 家の裏手から出て大樹の葉の上を少し歩くと、水の溜まった湯舟くらいの大きさの木の器があり、人の腕ほどある太い植物の管から水が注ぎ込まれている。

 器の冷たい水で顔を洗いながら殴られた左頬を冷やし、よく日干しされたふかふかもふもふのタオルで顔を拭いていると、胴体よりも大きい羽と額に二本の角が生えたずんぐりむっくりもちもちした生き物が足元にすり寄ってきた。


「あっ、グーさんおはよー」

「ぐるぅ!」


 グーさんとは森の守護獣であるフォレストグリフォンの子供である。

 親グリフォンは、セレンが生まれた日に村に卵を預けた後、森から姿を消したらしい。

 顔を拭き終わってリビングに向かう途中、玄関の方からリリエルと村長の声が聞こえてきた。


「リリエル、おはよう。セレンはもう起きているのかい?」

「村長さん、おはようございます。今、慌てて顔を洗っていますよ。もう14なのに心配だわ」

「寝不足よりはずっといいさ。外の世界を見たいと言い出した時はさすがにびっくりしたがね」

「妹のわがままを聞いて下さりありがとうございます。言い出したら聞かないもので・・・」


 後は荷物を持って馬車に向かうだけだが、お世話になった本人が挨拶をしないのは良くないだろう。

 軽く身だしなみを整えながら先に玄関へ向かうと村長がこちらに気づいた。


「構わないよ・・・おや、おはようセレン」

「村長さんおはよ~!」

「ん?どうしたんだい?左の頬が少し赤いような・・・」

「これはリリねぇに・・・イエ、ナンデモナイデス」

「?・・・そうだ、無事入学できたらこの手紙を校長に渡して貰いたいんだ」


 そう言われて渡された封筒をリリねぇの眼光に怯えながら確認すると、深緑色の蝋で生命の樹を模した押印の封がされ、『エルフの村の村長 エドバーグより』とだけ書かれていた。


「うん!わかった!それじゃ、行ってきまーす!」

「頼んだよ」

「本当に大丈夫かしら・・・」

「寂しいのかい?」

「寂しいしものすごく心配でついていきたくなるくらいです」

「隠す気ゼロだね・・・」

「妹への愛を隠す必要は無いと思っております」

「ははは・・・そういえば彼女、何も持って行かなかったけど荷物は全部馬車の中なのかい?」

「・・・」


 遠ざかる会話を聞き流しながら走って村の広場へと向い目的の場所に着いた時、出立の約束をした馬車はすぐに見つかった。

 エルフの森は外界との接触は極力控えており、馬車の行き来はほとんどない。

 走ってあがった息を深呼吸して整えつつ馬車に近づく。


「御者さん!おはよー!なんだ、今日は乗るの私だけだからそんなに慌てなくても良かったにゃ」

「おう、嬢ちゃん!できれば時間は厳守で頼むぜ?にしても、今日は随分と身軽だな?」

「えっ・・・?あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!?」

「嬢ちゃん・・・」

「ごめんね御者さん!ちょっとだけ待ってて!」


 見るからに呆れている御者に申し訳なく思いながら慌てて身を翻すと、目の前に魔法陣が現れて眩い光を発した。


「!?なに・・・!?」


 咄嗟に目をつぶり、腕で身を守るように構えてじっと待つが、何も起こらない。

 しばらくそうしていると、やがて聞き覚えのある高い声が耳を打った。


「・・・まったく、もう大人に片足突っ込んでるんだからしっかりしなさいよ?」

「・・・リリねぇ!?・・・そっか、転移魔法!さすがリリねいたたたた!?痛い痛い痛い!!」

「本当に世話の焼ける妹ね・・・」


 セレンの耳を引っ張るリリエルの傍らには、セレンの荷物と杖が置かれていた。


「荷物・・・持ってきてくれたんだ!」

「妹の恥は姉の恥よ。御者さんに迷惑はかけられないでしょ?」

「リリねぇありがと!だいすき!」

「・・・もう(///)」


 荷物を受け取って馬車に乗り込み、一応荷物の中身を確かめる。


「道中長いからお弁当作って入れておいたわ」

「おー!やったー!」

「それから、一応各種ポーションも入れておいたわ」

「大事大事~♪」

「いつでも魔法が使えるとは限らないからその短剣は身につけておきなさい」

「刃物は苦手なんだよなぁ~・・・」

「バッグの右ポケットに画家に書かせたお姉ちゃんの絵が入ってるから寂しくなったら見なさい」

「う、うん・・・」

「元気でね・・・」

「うん・・・!」

「あ、二日に一回はちゃんとお洗濯して」

「お二人さん、もういいですかね・・・?」


「「 ・・・はい・・・ 」」


 エルフが用いる馬車の荷台には車輪が無く浮遊の魔術式が組み込まれており、マナを流し込み続けることで浮いて、馬の走りをいかんなく発揮させられるようになっている。

 姉との別れの挨拶を終え、徐々に浮いていく荷台から村を眺めると、知り合いの人達がこちらに手を振っているのが見えた。

 旅立の実感と興奮に感動して打ち震え、村の果てまで聞こえるようにセレンは思いっきり叫んだ。


「行ってきまあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁaaaaaaaaa.........!!!」


 尚、フォレストホースは体格が大きく脚力に優れ、毎時80~120Km程で走るらしい。

調子に乗って長いの書いてしまいました・・・。

書きながら語彙力欲しいなーと何度思ったことでしょう。

さて、それでは私は長い文で使い切ったモチベーションを回復するために旅に出ます。

探さないでください。

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