ただの鬱憤と愚痴。
私は、もうどれぐらいこの寝不足を抱えたまま生きているのだろう。
ちょうど背中の辺りから、重苦しいものが覆い尽くすような倦怠感を常に抱えて目覚め、満員電車をスマホと硬いカバンに小突かれながら通勤。
デスクワークのお供はノンシュガーのミントキャンディとペットボトルの緑茶。
単調な仕事、ほぼ会話のない無味乾燥な日々、電話はワンコールで取り、回す、回す。
時々クレーマーに遭遇、くだらないミスをして上司に嫌味を言われ、紙の書類を扱い過ぎて手荒れのある指先を無意識に握り込む。
笑顔も何もかも、作り物でしかない。
夏休みの計画を楽しげにさえずる同僚たちに軽い殺気を覚えながら、笑顔で相槌を打つ。
殺伐としている。
心象風景はさながらオアシスひとつない荒野のようだ。
窓のない職場も、法律丸無視な幹部たちも、全部ゴミクズのように丸めてゴミ箱に捨ててやりたい。
削除、削除、削除。
やりがいのない仕事、生きがいのない人生、フリーズするパソコン。
フリーズするパソコン?
あーーーーーーーーーーーーーー!
誰だシステム検索かけやがったのっ!!!終業後にしろよ!!!
……帰りたい。
切実に帰って寝たい。
もう精神状態はザルにめり込んだザルそばの残りみたいだ。グズグズのドロドロで形状が残っているかすら怪しい。
有給って何のためにありますか。
根性のパラメーターですか。そうですか。消化できずに流すのが基本ですか、わかります。
じゃあ買い取れよ!!!
いちいち、忙しくない時に休むのに理由聞くな!
理由言ったら、私が有意義な休暇取れるように、せめて休息が取れるように問題を解決してくれるのか!
無理だろう?無理だよね?
じゃあせめてそっとしとけよ!
笑顔の仮面の下で叫ぶ。
あんたなんか嫌いだ!大っ嫌いだ!!!
本心をうまく隠して、自分の内心と真逆の行動もうまく取れるようになるのが大人ってやつだよね。
いつか失脚しろ、クソ上司!
このストレスも、イライラもきっと寝不足のせいだ。
暖かなブランケットが欲しい。
ゆったりした、硬過ぎないスプリングのベッドが欲しい。
そして安眠できるだけの睡眠時間が欲しい。
私はどれぐらいこの寝不足を抱えているのだろう。
緩やかに気力と体力が奪われていく。
空を見上げなくなっていく。
晴れの日も雨の日も、等しく憂鬱な日々に塗りつぶされていく。
何も考えず、ただゆったりと眠る幸福よ。
ゲームよりテレビより面白い小説より、私は暖かな寝床と十分な睡眠時間が欲しい。